Budget Amount *help |
¥28,470,000 (Direct Cost: ¥21,900,000、Indirect Cost: ¥6,570,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2022: ¥8,060,000 (Direct Cost: ¥6,200,000、Indirect Cost: ¥1,860,000)
Fiscal Year 2021: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
Fiscal Year 2020: ¥7,930,000 (Direct Cost: ¥6,100,000、Indirect Cost: ¥1,830,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、①複合無機粒子の合成法の確立とイオン溶出特性、②メカノケミカル法により合成した非晶質リン酸カルシウム(ACP)粒子とポリマー複合繊維化、③②の小動物を用いた生体親和性評価を進めた。 ①ACPは、生体吸収性にも優れ、さらに、非晶質相中に治療イオンを導入できる。Sr含有炭酸カルシウム(アラゴナイト)粒子を作製し、これをNaH2PO4水溶液に浸漬し、粒子表面に微細な析出物を得た。アラゴナイト粒子がリン酸溶液中で溶解し、Ca・Srイオンがリン酸イオンと反応して生成したSr含有ACPであると結論された。また、複合粒子はトリス緩衝溶液(TBS)中でACPからCa, Sr, リン酸イオンを浸漬72 hまで溶出した後に、SrやNaを取り込んで元の組成とは異なる非晶質相として再析出した。ACP中に取り込まれたSr2+イオンがACPの安定化に寄与したと考えられた。 ②湿式紡糸法により繊維を作製する際に、水を貧溶媒に用いることで扁平状の繊維が得られた。この形状は細胞の接着に望ましい。メカノケミカル法により得られた無水ACPを含有する粒子をポリD,L乳酸グリコール酸共重合体(PDLLGA)と複合繊維化し、TBSに浸漬すると、6 h以内にCaイオンとリン酸イオンを多量に溶出し、浸漬72 hで水酸アパタイトが析出した。湿潤条件下での引張強度試験では、繊維が大きく延伸した。使い勝手のよいファイバーと期待された。 ③②で作製した繊維を綿形状にまとめ、SDラット脛骨近位関節面から30 mm遠位内側に3mmφ深さ3mmの骨孔に充填した。なお、検討材料は、β-TCP:PDLLGA=62:38、およびβ-TCP:PDLLGA=50:50(体積比)の2種とした。術後8週程度でCT上はほぼ骨に置換されていたが、前者の方は置換が早かった。18か月の経過観察では、局所・全身ともに有害事象は認めなかった。
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