• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to previous page

廃プラスチックを原料とする新奇水素生成プロセスの創成とそのメカニズム解明

Research Project

Project/Area Number 20H00360
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (A)

Allocation TypeSingle-year Grants
Section一般
Review Section Medium-sized Section 31:Nuclear engineering, earth resources engineering, energy engineering, and related fields
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

加納 純也  東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (40271978)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 久志本 築  東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (10846439)
村松 淳司  東北大学, 農学研究科, 客員教授 (40210059)
石原 真吾  東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (40760301)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2024)
Budget Amount *help
¥41,990,000 (Direct Cost: ¥32,300,000、Indirect Cost: ¥9,690,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2021: ¥14,430,000 (Direct Cost: ¥11,100,000、Indirect Cost: ¥3,330,000)
Fiscal Year 2020: ¥8,840,000 (Direct Cost: ¥6,800,000、Indirect Cost: ¥2,040,000)
Keywords水素 / プラスチック
Outline of Research at the Start

再資源化が難しい廃プラスチックの新たな有効活用法の開発が強く望まれている.
予備的に廃プラスチックにガス化剤と触媒を混合し,水蒸気雰囲気下で加熱することにより水素が生成することを見出した.しかしながら,その反応メカニズムは未解明であり,本研究ではその反応メカニズムを解明し,反応を最適化,高効率化することにより,廃プラスチックからの水素製造と減容化を同時達成できる新しいエネルギー回収方法によって,再資源化が困難な廃プラスチックの新たな活用方法を見出す.さらには,ガス化剤や触媒にも廃棄物を利用することにより,水素製造の原料がすべて廃棄物である世界に類を見ない画期的なプロセスシステムの創成を目指す.

Outline of Annual Research Achievements

廃プラスチックに触媒となる水酸化カルシウムと水酸化ニッケルを混合し、その混合物を水蒸気雰囲気下で加熱することにより水素生成できることを見いだした。しかしながら、その反応メカニズムは明確になっていないため、まず、その反応メカニズムを明確にすること、水酸化カルシウムや水酸化ニッケルの代替となる廃棄物を探索し、水素原料がすべて廃棄物である世界に類をみない画期的な水素製造プロセスシステムの創成を目的としている。
令和5年度は水素生成後の残渣にニッケルメタルがどのような反応で生成したか、水素ガスがどの原料から生成するのかを明確にする実験を行った。キャリアガスとして、水素、メタン、一酸化炭素の3種類を用意し、還元実験を実施した。いずれのキャリアガスにおいても、水酸化ニッケルの脱水反応ならびに還元反応が確認された。ニッケルメタルのXRDのピーク強度は、一酸化炭素、メタン、水素の順に大きくなることがわかった。プラスチックの熱分解によって生成する一酸化炭素やメタンによって部分的に還元され、ニッケルメタルが生成し、そのニッケルメタルが触媒となって水素が生成し、その水素によって、酸化ニッケルが還元されているものと推察される。
水素源としては、滴下している蒸留水、触媒として使用している水酸化ニッケルと水酸化カルシウム、プラスチックの4つある。水酸化ニッケルは約250℃、水酸化カルシウムは約400℃で脱水するが、加熱温度400℃では、ほとんど水素が生成しないことから、それらは水素生成には寄与していないと考えられる。重水素を用いて水素を生成すると、水素と重水素の比は、約1:2である。一方、プラスチックが水蒸気改質反応し、その後水性ガスシフト反応が起こったと仮定すると、水素と重水素の比は、1:2となる。その比がほぼ一致することから、水蒸気改質反応と水性シフト反応が起こって水素が生成していると考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

水素生成後の残渣にニッケルメタルが存在することが、これまでのXRD分析で明らかになっている。原料として使用した水酸化ニッケルは、加熱過程において脱水し、酸化ニッケルとなり、その後、還元されてニッケルメタルとなって検出されたものと推定される。その還元が何によってされたのかが明確になっていない。令和5年度は、その還元剤を明確にするために、キャリアガスとして、水素、メタン、一酸化炭素の3種類を用意し、還元実験を実施した。このとき加熱温度は600℃とした。いずれのキャリアガスにおいても、水酸化ニッケルの脱水反応ならびに還元反応が確認された。ニッケルメタルのXRDピーク強度は、一酸化炭素、メタン、水素の順に大きくなることがわかった。プラスチックの熱分解によって生成する一酸化炭素やメタンでまず、還元され、ニッケルメタルが生成し、そのニッケルメタルが触媒となって水素が生成し、その水素によって、酸化ニッケルが還元されているものと推察される。
水素がどの原料から生成するのかを明確にする実験を行った。水素源となるのは蒸留水、水酸化ニッケルと水酸化カルシウム、プラスチックの4つである。水酸化ニッケルは約250℃、水酸化カルシウムは約400℃で脱水することをTG-DATで確認した。一方、加熱温度400℃では、ほとんど水素が生成しないことから、脱水で生じる水は水素生成には寄与していないと考えられる。重水素を用いて水素を生成すると、生成したH2は、6.6%、HDは6.8%、D2は18%であり、水素と重水素の比は、約1:2である。一方、プラスチックが水蒸気改質反応し、その後水性ガスシフト反応が起こったとすると、水素と重水素の比は1:2となる。その比がほぼ一致することから、水蒸気改質反応と水性シフト反応が起こって水素が生成していると考えられる。
以上のことから研究はおおむね順調に進展していると判断される。

Strategy for Future Research Activity

令和5年度までは、プラスチックに水酸化カルシウム、水酸化ニッケルの試薬を使用して水素生成実験を行い、その反応メカニズムの解明を試みてきた。
令和6年度は、反応メカニズムを整理するとともに、反応メカニズムをもとにして水素生成に使用可能な廃棄物の探索を行う。触媒としてカルシウムとニッケルが有効であると考えられるので、カルシウム源として、卵の殻、牡蠣殻、ホタテの貝殻などを使用して水素の生成実験を行い、水素の生成量や水素濃度に及ぼす影響を明確にする。ニッケル源としては、ニッケルメッキ廃液が考えられ、それを入手し、蒸留水の代わりにメッキ廃液を滴下することを検討する。またそのときの水素の生成量ならびに水素濃度に与える影響を明確にすることで、水素原料がすべて廃棄物である世界に類をみない画期的な水素製造プロセスシステムを確立する。
これまでに下水汚泥、廃プラスチックを原料として水素生成実験を行ってきたが、その他の有機系廃棄物の調査を行い、原料となり得る廃棄物を探索する。例えば、食品廃棄物はその第一候補であり、ジャガイモの皮、にんじんの皮などを原料として水素生成実験を行い、水素生成量や水素濃度を明確にし、水素原料としての新たなきっかけを創出する。

Report

(5 results)
  • 2023 Annual Research Report
  • 2022 Annual Research Report
  • 2021 Annual Research Report
  • 2020 Comments on the Screening Results   Annual Research Report

URL: 

Published: 2020-04-28   Modified: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi