Project/Area Number |
20H00548
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 56:Surgery related to the biological and sensory functions and related fields
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
廣畑 聡 岡山大学, 保健学域, 教授 (90332791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 保典 順天堂大学, 大学院医学研究科, 特任教授 (00115221)
冨田 秀太 岡山大学, 大学病院, 准教授 (10372111)
渡辺 彰吾 岡山大学, 保健学域, 教授 (20548341)
落谷 孝広 東京医科大学, 医学部, 特任教授 (60192530)
西田 圭一郎 岡山大学, 大学病院, 教授 (80284058)
大月 孝志 岡山大学, 保健学研究科, 非常勤研究員 (10534802)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥45,500,000 (Direct Cost: ¥35,000,000、Indirect Cost: ¥10,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,630,000 (Direct Cost: ¥5,100,000、Indirect Cost: ¥1,530,000)
Fiscal Year 2021: ¥7,150,000 (Direct Cost: ¥5,500,000、Indirect Cost: ¥1,650,000)
Fiscal Year 2020: ¥19,760,000 (Direct Cost: ¥15,200,000、Indirect Cost: ¥4,560,000)
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Keywords | 遺伝子 / メタロプロテアーゼ / microRNA |
Outline of Research at the Start |
本研究ではエクソソームと呼ばれる細胞外分泌小胞の表面膜タンパクと内包されるmicroRNAの2つを中心に解析をおこなっていくことを計画している。 「正常細胞から分泌されるエクソソーム」と変形性関節症で産生される「病的なエクソソーム」の働きを究めて、組織の恒常性と変形性関節症発症および進展におけるエクソソームとmicroRNAの機能を解明する。 さらに組織由来エクソソームという発想に着目して、正常組織から採取した正常組織由来エクソソームとある別の組織から採取した特殊組織由来エクソソームによる軟骨への作用効果の違いを検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
細胞外分泌小胞は、細胞間情報伝達機能を担うと考えられているカーゴ分子である。細胞から分泌される30-200nmの小胞内にはRNAやタンパク、さらにはmicroRNAなど様々なものが含んまれており、取り込まれた細胞内で機能すると考えられている。例をあげると細胞外分泌小胞内に含まれているmicroRNAが取り込まれた細胞内で標的mRNAと結合してRNAの不安定性を高めたり、タンパク質翻訳への阻害をおこなうなど、標的分子の制御をおこなっている。本研究では、細胞外分泌小胞の表面分子と取り込む細胞という二つの因子に着目して、それぞれがどのように機能発揮に関わっているかを明らかにする。さらに、組織由来細胞外分泌小胞に着目し、その性質・情報伝達について明らかにする。
2023年度は組織由来細胞外分泌小胞に関する研究を進めた。まず、脂肪組織から脂肪細胞核画分を取り除いた血管間葉系成分(Stromal Vascular Fracture)を培養して、その培養上清から超遠心法を用いて細胞外分泌小胞を回収した。ゼータ電位解析ではエクソソームに該当する集団が得られていた。さらにナノサイト解析により、当初想定した十分量の細胞外分泌小胞を得ることに成功した。この細胞外分泌小胞を、インターロイキン1β刺激した軟骨様細胞に添加したところ、細胞外マトリックス分解酵素のmRNA発現誘導を抑制していることを明らかにした。
また、細胞外分泌小胞の表面分子に対する影響を明らかにする実験では、マウス膝関節に蛍光標識した細胞外分泌小胞を直接投与し、川本法にて解析を行った。その結果関節腔内に投与した細胞外分泌小胞は軟骨細胞および滑膜細胞に取り込まれていることが明らかとなった。一方で、投与反対側の膝関節においては細胞外分泌小胞シグナルを認めなかった。以上から関節腔内に投与された細胞外分泌小胞の動態を明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vivoへの投与系の確立と川本法を利用した細胞外分泌小胞取り込みの生体解析方法の開発に成功した。これまでに細胞外分泌小胞の取り込みを詳細にin vivoで解析した検討は十分でなく、IVISのような間接的イメージングではなく、直接蛍光標識した細胞外分泌小胞がどの細胞に取り込まれているかを細胞レベルで確認できる新手法は極めて有効であると考えている。
さらに、間葉系幹細胞に替わる新たな供給源として期待される血管間葉系成分(Stromal Vascular Fracture: SVF)から得られた細胞外分泌小胞が、幹細胞由来の細胞外分泌小胞とほぼ同等な効力を発揮することを新たに発見した。こちらについても、今後の研究展開が期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度はさらに血管間葉系成分(Stromal Vascular Fracture: SVF)から得られた細胞外分泌小胞に着目して、その効果を増強する方法の開発と共にその作用メカニズムを明らかにする。幹細胞の絶対数が少ない細胞画分から同様の効果が得られる可能性として (1)細胞外分泌小胞の個数が多い (2)細胞外分泌小胞の表面分子の違いによる影響 (3)細胞外分泌小胞に内包される分子の違いによる作用 などがあり、その詳細を明らかにすることで新たな治療展開へとつなげることができる。 さらに、細胞外マトリックス分解酵素への作用の共通性が、どういったメカニズムによるものであるかについても解析を進めていく。また生体における細胞外分泌小胞の取り込み機構についてもOAモデルを用いた実験で明らかにする。
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