Project/Area Number |
20H00581
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 60:Information science, computer engineering, and related fields
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
曽我部 知広 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (30420368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻田 武史 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00339615)
野中 千穂 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 教授 (10432238)
宮武 勇登 大阪大学, サイバーメディアセンター, 准教授 (60757384)
田中 健一郎 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 准教授 (70610640)
星 健夫 核融合科学研究所, 研究部, 教授 (80272384)
臼田 毅 愛知県立大学, 情報科学部, 教授 (80273308)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥45,630,000 (Direct Cost: ¥35,100,000、Indirect Cost: ¥10,530,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2020: ¥26,260,000 (Direct Cost: ¥20,200,000、Indirect Cost: ¥6,060,000)
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Keywords | 行列関数 / 二重指数関数型数値積分公式(DE公式) / 二重指数関数型数値積分公式 / 二重指数型積分公式 / 二重指数関数型積分公式 |
Outline of Research at the Start |
高校で馴染みのある初等関数(実数乗・指数関数・対数関数・三角関数)の計算は現在では意識されないが、その行列版の計算は、超大規模行列の場合に未解決問題であるだけでなく、データ科学・気象物理学・素粒子物理学・物性物理学・量子情報科学において自然な要求として現れる。そこで超大規模行列に対する行列関数の数値計算法を確立すべく、二重指数関数型積分公式という積分の数値計算法を高度化する理論を構築し、前述した実問題に適用することで当該分野の新たな知の創出を狙う。研究期間は5年であり、理論チームと応用チームの分野横断的な知の交流に基づき解法の開発を行うことが本研究課題推進における特色の一つである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、行列関数の「任意の要素を高精度から低精度まで算出可能」とする超大規模行列関数の数値計算法の理論を確立し、理論と応用のフィードバック構造を有する密な連携により総合的数値計算法の創成・実用化を図ることを目的としている。具体的には、行列関数の積分表示に着目し、国産の強力な数値積分公式である二重指数関数型数値積分公式を活用した計算法の創成を行うことを目的としている。 2023年度は理論面に関して、最も難易度が高い行列指数関数の数値積分法の開発に成功した。難易度が高かった理由は、これまでにない振動型積分であり、所望の精度で計算を可能とするための誤差解析に時間を要したからである。この成果をまとめて論文誌に投稿した。また、高速化のためのシフト線形方程式の数値解法にも進展があり、Shifted LOPBiCG法の開発に成功した。これらの成果に関してスペインの国際会議ICMASE2024にて招待講演を行なった。行列符号関数の論文にも進展があり、行列符号関数の論文が日本応用数理学会論文賞(理論部門)受賞した。そして行列関数の基礎となる二重指数関数型数値積分公式に関する著者「変数変換型数値計算法」が岩波書店より出版された。 応用面に関しても一定の成果が得られている。具体的には、全反射高速陽電子回折(TRHEPD)を用いた表面構造決定におけるデータ駆動型感度解析における行列指数関数の重要性が明らかになったこと、格子量子色力学における行列関数計算法の使用用途がこれまで想定していたよりも広くなったこと、量子通信の性能限界を正しく見積るために必要なフォンノイマンエントロピーを求めるための行列対数関数計算への展開である。その他、微分方程式の離散化誤差の定量化法や、国際会議「シミュレーション・データ・学習融合とその先にあるもの」での研究発表などが成果として挙げられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
行列対数関数の数値計算法が完成したこと、当初は考慮に入れていなかった行列符号関数の研究が進展し、行列符号関数の論文が日本応用数理学会論文賞(理論部門)を受賞したこと、二重指数関数型数値積分公式に関する書籍が出版されたこと、そして研究会を通して応用諸分野の相互理解や応用のための基礎固めが着実に進んだことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度であるため、これまで開発された行列関数計算法を国内外で積極的に広報を行う予定である。また得られた計算法の応用展開を行なっていく予定である。さらに行列関数計算法が多くのユーザーに使用されるようにライブラリ化の検討を行う。今年度に全体会議を開催し、今後の課題を研究メンバー全員で共有することで課題終了後も理論・応用の両軸で行列関数計算法の高度化を行う基盤を強化する予定である。
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