Project/Area Number |
20H00584
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 60:Information science, computer engineering, and related fields
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Research Institution | Aomori University (2023) Osaka University (2020-2022) |
Principal Investigator |
下條 真司 青森大学, ソフトウェア情報学部, 教授 (00187478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
義久 智樹 滋賀大学, データサイエンス学系, 教授 (00402743)
土井 健司 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (10217599)
葉 健人 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (30876959)
大平 健司 大阪大学, サイバーメディアセンター, 准教授 (40515326)
佐々木 勇和 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 助教 (40745147)
松本 哲 大阪大学, 情報推進本部, 助教 (60388238)
木戸 善之 岡山理科大学, 情報理工学部, 教授 (70506310)
河合 由起子 京都産業大学, 情報理工学部, 教授 (90399543)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥44,980,000 (Direct Cost: ¥34,600,000、Indirect Cost: ¥10,380,000)
Fiscal Year 2023: ¥12,480,000 (Direct Cost: ¥9,600,000、Indirect Cost: ¥2,880,000)
Fiscal Year 2022: ¥10,270,000 (Direct Cost: ¥7,900,000、Indirect Cost: ¥2,370,000)
Fiscal Year 2021: ¥9,490,000 (Direct Cost: ¥7,300,000、Indirect Cost: ¥2,190,000)
Fiscal Year 2020: ¥12,740,000 (Direct Cost: ¥9,800,000、Indirect Cost: ¥2,940,000)
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Keywords | ビッグデータ / IoT / データ収集 / データ分析 / 社会実装 |
Outline of Research at the Start |
近年注目されているMaaS(Mobility as a Service)は、Society5.0における社会課題の解決に活用できる。しかし、社会課題解決につながる移動方法(移動手段や移動経路等)を即座に把握し、利用者がその移動方法を選択するように行動変容させる(誘引する)技術が確立されておらず、社会課題解決に向けたMaaS基盤を実現できなかった。これは、社会課題解決と利用者利益とを柔軟に関連付けて、移動方法を決定できなかった事に起因する。そこで、本研究では、移動方法選択のインセンティブとしてMaaSマイルを提案し、利用者誘引型低遅延MaaS基盤を研究開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、移動方法選択のインセンティブとしてMaaSマイルを提案し、利用者誘引型低遅延MaaS基盤を研究開発している。令和3年度には、研究項目を3項目に大別し、効率的に研究を進めた。 研究項目1「MaaSマイルの計算方法」:本研究項目では、社会課題解決と利用者利益を柔軟に関連付けられるMaaSマイルの計算方法を明らかにする。令和3年度には、利用者を誘引したい移動方法に対して高いMaaSマイルを与えることで、社会課題解決に繋がる移動方法に利用者を誘引する具体的な計算方法を明らかにした。また、乗り心地や風景といった移動方法に関する各要素がどれほど利用者の誘引に影響するかを調査した。 研究項目2「MaaSマイルの計算に必要なデータを低遅延に収集、分析する方法」:本研究項目では、利用時の利用者の嗜好や体調、車両状況を低遅延に把握する方法を明らかにする。令和3年度には、、自転車に搭載したセンサーやサーバを用いて5GやLTE、無線LANを取り混ぜたネットワークを構築し、実機調査を行った。データ分析については、利用者の登録情報や過去に利用した移動方法、および利用者の現在の位置情報等から低遅延に分析する方法を明らかにする。令和3年度には、前期においてセンサーやサーバの配置に基づき、前年度とは異なる分散型分析アルゴリズムの検討を実施、後期において実装・評価を行った。 研究項目3「利用者誘引型低遅延MaaS基盤の社会実装」:本研究項目では、利用者誘引型低遅延MaaS基盤を構築し社会実装を行い、社会に受け入れられやすくかつ利用されやすいMaaS基盤を明らかにする。令和3年度には、スマートバイクやバッテリー交換式二輪EVで街中などを移動するといった環境で、運転者の表情や風景、走行状態といったデータを収集、クラウドサーバに配信することにより評価実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
近年注目されているMaaS(Mobility as a Service)は、Society5.0における社会課題の解決に活用できる。しかし、社会課題解決につながる移動方法(移動手段や移動経路等)を即座に把握し、利用者がその移動方法を選択するように行動変容させる(誘引する)技術が確立されておらず、社会課題解決に向けたMaaS基盤を実現できなかった。そこで、本研究では、移動方法選択のインセンティブとしてMaaSマイルを提案し、利用者誘引型低遅延MaaS基盤を研究開発している。研究項目1に関して、移動コストだけでなく、利用者を誘引したい移動方法に対して高いMaaSマイルを与える計算方法を明らかにし、各要素がどれほど利用者の誘引に影響するか調査した。研究項目2に関して、幾つかの通信方式を取り混ぜたネットワークを構築して実機調査を行い、収集データの設計に基づいて分散型分析アルゴリズムの検討、実装および評価を行い、件の国際論文誌 、3件の国際会議、および7件の国内会議にて成果を報告した。研究項目3に関して、街中などを移動するといった環境でデータ集配信の評価実験を行った。これらの理由から、本研究はおおむね順調に進展しているといえる。 研究者らの研究成果は、PerCom、IEEE BigDataといった著名な国際論文誌や国際会議に採択された。さらに、本研究成果は、国際論文誌や多数の国際会議および国内学会論文集に採録されている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究項目1:利用者は、MaaSの利用に応じてMaaSマイルを獲得し、蓄積したMaaSマイルを移動経路や距離、乗降車場所ごとに利用者の状況(緊急性、快適性、経済性など)に応じて利用できる。今後の研究の推進方策として、グループで利用する場合にはグループのインセンティブを考慮したり、移動方法の状態がダイナミックに変化するといった、より複雑な状況において利用者を誘引できるMaaSマイルの計算方法を議論する。また、運転者の感情や路面状況を組み込んだMaaSマイルの計算方法を明らかにする。 研究項目2:データ収集の低遅延化に関し、多様なセンサー・サーバ等の配置の下で送受させることが適切なデータ、タイミング、ネットワークを検証する。今後の研究の推進方策として、感情や路面状況に関するデータの収集方法を見直し、低遅延化を目指す。データの蓄積には、研究分担者らで構築したデータベースシステムやクラウドサービスを引き続き使用する。データ分析については、利用者の利用者付近にあるエッジ端末やクラウドサービスによるクラウド端末を利用して、利用者の登録情報等を低遅延に分析する方法を明らかにする。今後の研究の推進方策として、これまでに収集した実データを、開発したスマートバイクに搭載した小型計算機やクラウドサービスによるクラウド端末で連合学習等の技術を用いて適切に分析し、低遅延化を目指す。 研究項目3:今後の研究の推進方策として、開発したスマートバイクやシェアバイクサービスで収集したデータをもとに算出したMaaSマイルを、利用者端末で確認したり、MaaSマイルを管理する枠組みを開発する。感情や路面状況に基づいてMaaSマイルを算出することでMaaS基盤が社会課題の解決につながるか確認する。 次年度には、以上の各研究項目の研究成果の統合を考えて調整を開始する。
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