Project/Area Number |
20H00632
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 63:Environmental analyses and evaluation and related fields
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
赤松 良久 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (30448584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 遼平 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授(特命) (10814618)
嶋寺 光 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (20647367)
栗田 喜久 九州大学, 農学研究院, 准教授 (40725058)
間普 真吾 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (70434321)
乾 隆帝 福岡工業大学, 社会環境学部, 准教授 (20723844)
鬼倉 徳雄 九州大学, 農学研究院, 教授 (50403936)
源 利文 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (50450656)
水上 洋一 山口大学, 大学研究推進機構, 教授 (80274158)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥44,590,000 (Direct Cost: ¥34,300,000、Indirect Cost: ¥10,290,000)
Fiscal Year 2023: ¥9,490,000 (Direct Cost: ¥7,300,000、Indirect Cost: ¥2,190,000)
Fiscal Year 2022: ¥11,310,000 (Direct Cost: ¥8,700,000、Indirect Cost: ¥2,610,000)
Fiscal Year 2021: ¥9,230,000 (Direct Cost: ¥7,100,000、Indirect Cost: ¥2,130,000)
Fiscal Year 2020: ¥14,560,000 (Direct Cost: ¥11,200,000、Indirect Cost: ¥3,360,000)
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Keywords | ノロウイルス / 流行予測 / 環境DNA / 流動シミュレーション / 二枚貝 / DNA/RNA / 流域 / 海綿 / パッシブサンプラー |
Outline of Research at the Start |
ノロウイルスをはじめとした病原ウイルスの人から人への感染経路についてはこれまで多くの検討がなされているものの,環境中や食品を通しての感染経路については不明な部分が多く,流行予測を行うのが難しいのが現状である.そこで,本研究はノロウイルスをはじめとした病原ウイルスの流域内の大気・水中における動態および食品(特に濾過食性の二枚貝)における蓄積メカニズムを,最新の検出技術を用いて明らかにする.さらに,大気・水の流動シミュレーションを用いることにより,ノロウイルスの流行予測モデルの開発し,ノロウイルスの流行を防除する仕組みを構築する.
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Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は,河川水中に低濃度で存在するウイルスの高感度な濃縮・検出方法の検討・開発を行った.当該年度に実施した椹野川流域の河川水および下水処理場放流水中のノロウイルス調査では,既報で水中のウイルス濃縮法である陰電荷膜破砕型濃縮法(Haramoto et al. 2012)を適用し,ノロウイルス GI(HuNoV GI)の検出を行った.しかし,HuNoV GIは流行期の下水放流水でのみ検出され,河川水試料では,より高感度な濃縮・検出法を適用する必要性が確認された. そこで,蓄積型パッシブサンプラーとして海綿に着目し,河川水に浸漬した海綿からのノロウイルスの検出・定量を試みた.また,浸漬後の海綿から回収した試料の濃縮・精製には,Promega社のViral RNA/DNA Concentration and Extraction Kits for Wastewaterを採用した.その結果,海綿試料から,HuNoV GIが検出され,定量値は下水処理場の河川放流口に近い地点で,より高濃度であった.ゆえに,海綿を用いた採取手法は,河川水中のノロウイルスの定量に有効であることが示された.また,汚染源に近い地点でより高濃度でHuNoV GIが定量された結果は,相対値ではあるが,海綿試料により,河川水中の汚染レベルを評価可能であることが示唆された.これにより,汚染度が低い河川水において,ノロウイルスの検出が可能であり,流域動態を解明する上で必要な情報の回収が期待された. また,大気中のウイルス動態把握を目的とした空気サンプル採取手法の検討として,3種類の乾式サンプラー(サイクロン型2種,フィルター型1種)の比較を,リポソーム封入トレーサーを噴霧し行った.その結果,フィルター型空気サンプラーによる回収率が最も高く,空気中のウイルス回収に適切であることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度は水中・水産物中のノロウイルスの高精度分析法の開発という目標を十分に達成した.海綿を用いた蓄積型パッシブサンプラーは大きな注目を集めている.また,空気中のウイルスの採集についても最適な方法を明らかにした.
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は椹野川流域でのノロウイルスモニタリングを実施し,新たに開発した水中および空気中のノロウイルスの高精度分析法を用いて分析する.これらの結果をもとに流域内のノロウイルスの動態について検討する.
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