Project/Area Number |
20H00652
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 64:Environmental conservation measure and related fields
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Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
岡部 貴美子 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (20353625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亘 悠哉 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (10760704)
飯島 勇人 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (30526702)
大澤 剛士 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 准教授 (40554332)
坂本 佳子 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物多様性領域, 主任研究員 (80714196)
前田 健 国立感染症研究所, 獣医科学部, 部長 (90284273)
五箇 公一 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物多様性領域, 室長 (90300847)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥45,240,000 (Direct Cost: ¥34,800,000、Indirect Cost: ¥10,440,000)
Fiscal Year 2022: ¥14,430,000 (Direct Cost: ¥11,100,000、Indirect Cost: ¥3,330,000)
Fiscal Year 2021: ¥14,430,000 (Direct Cost: ¥11,100,000、Indirect Cost: ¥3,330,000)
Fiscal Year 2020: ¥16,380,000 (Direct Cost: ¥12,600,000、Indirect Cost: ¥3,780,000)
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Keywords | 動物由来感染症 / 分布拡大モデル / 分布予測 / マダニ / 感染プロセス / 野生動物由来感染症 / シカ / 生態系管理 |
Outline of Research at the Start |
見えないウイルスが接近する脅威を、可視化することを目的とする。そのためにマダニが媒介するSFTS等をモデルとし、野生動物の個体群と移動分散、マダニの分散への貢献、マダニの増殖にかかる生物・非生物学的要因、個体群の空間スケールを明らかにし、セル・オートマトンモデルによる予測、フィールド調査による検証、細胞レベルの病理試験等を駆使して精度の高い動物リレーモデルを開発する。これにより、マダニと病原体が野生動物にリレーのバトンのように受け渡され、途上の環境変化によってリレーの方向等に変化が生じ、感染症の溢出・拡大が起こるという仮説を検証し、感染拡大メカニズム解明とそれに基づく対策手法開発に資する。
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Outline of Annual Research Achievements |
和歌山県田辺市及び周辺、栃木県、茨城県などで野生動物やマダニの密度と景観の情報を収集し、セル・オートマトンの手法を用いて、シカの分布予測のベースモデルを作成した。同様にイノシシの分布予測モデル構築も試みたが、セル・オートマトン手法が適当でないことを明らかにし、別のモデルの検討を開始した。またシカについては全国を対象としたMIG-seq全ゲノム系統解析を行い、日本列島に生息するニホンジカは11クレード:1-北海道,2-北東北(青森県,岩手県,宮城県,山形県),3-宮城県男鹿半島,4-南関東(神奈川県、埼玉県、新潟県、東京都)、5-中部A(愛知県、神奈川県、静岡県、東京都、長野県、山梨県) 、6-近畿(三重県、岐阜県)、7-九州(熊本県、宮崎県)、8-四国(徳島県、高知県)、9-千葉県、10-中部B(神奈川県、静岡県)、11.北関東(茨城県、群馬県、新潟県、福島県、山形県)に分けることができた。近年、分布拡大が著しい北東北集団は,岩手県五葉山の残存集団を起源とすることが明らかになった。九州南部、中国地方でマダニの野外採集を行い、国内でSFTS患者発生が最も多い宮崎県、鹿児島県ではタカサゴキララマダニ、フタトゲチマダニ密度が高いことを明らかにした。また岡山、広島、山口県では、フタトゲチマダニ密度が高く、そのほか南方系のマダニが発生することを明らかにした。野生動物だけでなく、イヌやネコなどの飼育動物の感染を明らかにし、これらの動物の感染プロセスにおける重要性を示唆し、モデルへの取り込みを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度はおおむね計画通りに進捗した。固定試験地以外のサンプリング調査も進捗し、南西諸島を含めたマダニサンプルが入手できた。またシカの全国的なクレードを明らかにし、マダニサンプルの分析や文献レベルの全国のマダニ分布情報の収集を行い、シカとの比較を可能にした。アライグマがウイルス増幅動物であることを明らかにした。シカやイノシシ、アライグマの抗体陽性率の上昇と人の感染との関係性を示し、動物リレーのうちリレーに不可欠な動物を明らかにしつつある。そのなかでイヌ、ネコの重要性を明らかにし、定量化を検討中である。これらのことから、概ね計画通りに達成し順調に進呈していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
セル・オートマトン手法の妥当性を確認できたことから、シカの分布予測モデルを作成する。野生動物の分布と移動について野外動態を調査し、マダニ密度との関係を定量化する。また野生動物および飼育動物の感染およびウイルス増幅についてサンプル数を増やしながら、モデルに組み込む方法論を構築する。マダニ個体群のスケール解明のためサンプルをさらに収集し、分析を実施する。野生動物におけるSFTSV抗体陽性率の調査を継続し、ウイルス増幅の可能性についても検討する。また薬品等が納品され次第、ニホンジカの個体群スケール推定を完了する。
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