Project/Area Number |
20H00723
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
1170:Education, sociology of education-related
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
YOSHII Hiroko 関西医科大学, その他部局等, リエゾン精神看護専門看護師
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥430,000 (Direct Cost: ¥430,000)
Fiscal Year 2020: ¥430,000 (Direct Cost: ¥430,000)
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Keywords | ギャンブル障害 / アディクション / 行動嗜癖 / 依存 / 共依存 / 動機付け / 精神看護 / 自助グループ |
Outline of Research at the Start |
いわゆる“ギャンブル依存”は、DSM-Ⅲにおける診断基準では、“病的賭博”、DSM-Vでは、“ギャンブル障害”に名を変え、病的な執着にて行動制御ができず、経済的困窮、家族との不和、犯罪、自殺企図など重篤な個人的・社会的問題を引き起こすものとされている。2016年IR推進法を機に、統合型リゾートの誘致地区が決定する一方、カジノ開設に伴うマイナスな影響を懸念する声も未だ多い。2018年厚生労働省が公表した依存症対策におけるギャンブル等依存症対策基本法の施行と対策の中では、アルコール・薬物依存症対策と連携を示唆するのみ、具体策に触れられていないのが現状である。
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Outline of Final Research Achievements |
ギャンブル問題者が再発しない状態を長期継続できるようになったプロセスについて、家族17名に半構造的面接した。1.本人と自助グループ仲間やプログラムとの濃いつながり。2.本人なりの底付き体験からの教訓や施設とのつながり。3.信頼している主治医とのつながり。4.ありのままの自分でギャンブル以外を楽しむ生活。5.家族の当事者への共依存からの回復。6.家族総員による家族の機能不全からの回復。7.社会でのリカバリー体験があった。当事者も家族も仲間と共に回復し続けることで、家族の共依存からの回復、本人をひとりの人格として承認、ほどよい距離感の維持、家族機能不全改善や本人のリカバリー促進に相互作用していた。
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
ギャンブル障害(以下、GD)は、ギャンブルに病的な執着を示し、経済的困窮・家庭内不和・犯罪・自殺企図など引き起こす。国内のGDが疑われる推計値は約72万人、生涯経験は約319万人、1年有病率0.8% 生涯有病率3,6%と諸外国より高く、稀な病気ではない。日本は、世界一ギャンブル大国のため、カジノ開設前に、GD増加が懸念された。国は、2018年ギャンブル等依存症対策基本法の施行後、啓発活動や体制構築を、急務でかつ重要と位置づけた。GDには、否認する病理があり、動機づけに乏しい。長期的に治療や支援につながっている家族からそのプロセスを質的調査し、支援強化につなげることは、学術的・社会的意義が高い。
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