Project/Area Number |
20H00822
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
1190:Special needs education-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
Aomatsu Toshiaki 筑波大学, 附属視覚特別支援学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥480,000 (Direct Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2020: ¥480,000 (Direct Cost: ¥480,000)
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Keywords | 点字使用生徒 / 図表の読み取り速度 / 試験問題 |
Outline of Research at the Start |
多くの試験において、点字使用生徒は通常の試験時間の1.5倍の時間延長が認められているものの、盲学校で指導している立場から生徒の様子をみると、図を理解するためにかかる時間についてこれらの基準が適切であるとは言い難い印象を受けている。 そこで、本研究では、晴眼者と全盲者の2グループにおいて、文章を読む速度と、雨温図などから傾向をつかむ速度を測定する。その上で、各グループにおいて文章を読む速度と図を読み取る速度に相関があるかどうか、またグループ間で図の読み取りにかかる時間に差があるかどうかを検証する。
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Outline of Final Research Achievements |
視覚障害生徒が触図を理解する速度を踏まえた適正な試験問題の検討を目的として、晴眼者と点字使用者に対して調査を行った。読速度、雨温図や表から指定された内容を読み取る速度をそれぞれ測定した。その結果、点字使用者の方が、文章を読む際には1.44倍、雨温図の読み取りでは約10倍、表の読み取りでは3.0~9.2倍の時間を要した。 これらから、点字使用者が入学試験等を受験する際に認められている1.5倍の時間延長は、図表から情報を読み取るという出題形式では妥当であるとはいえない。また点字使用者では、図による選択肢や、要素数の多い表の読み取りでは、晴眼者の10倍程度の時間を要し、大きな負担であることがわかった。
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
入学試験等において、点字使用生徒は通常の1.5倍の時間延長が認められている。ところが近年、図表を読み取る出題が増えており、そのような出題でも試験時間による不平等が生じていないか、視覚障害生徒の能力を適正に判断できるのかを検証した。 その結果、1.5倍の時間延長は、図表から情報を読み取るという出題形式では妥当であるとはいえなかった。また、図による選択肢や要素数の多い表では、点字使用者は比較しながら読むため多くの時間を要し、負担となることも明確になった。この研究成果は、点字使用者の受験における配慮内容として、問題の出題形式の検討も必要であることを明らかにした点で、学術的社会的意義を有するものである。
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