Project/Area Number |
20H01019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3180:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
Mochizuki Takashi 浜松医科大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥480,000 (Direct Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2020: ¥480,000 (Direct Cost: ¥480,000)
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Keywords | トシリズマブ / 血中濃度 / 抗薬物抗体 / LC-MS/MS / ELISA / 関節リウマチ |
Outline of Research at the Start |
抗IL-6受容体モノクローナル抗体のトシリズマブ(TCZ)の治療効果には個人差があり、効果不十分な関節リウマチ患者が存在する。その原因として、阻害経路の不適合と血中濃度の不足が考えられており、血中TCZ濃度は有用な治療効果のバイオマーカーとなり得る。抗体医薬の定量に通常用いられるELISA法だが、動物実験において抗薬物抗体(ADA)により結果が偽低値を示すため、臨床でのTCZ定量にもADAが影響する可能性がある。本研究ではELISA法及び昨年確立したLC-MS/MS法によるTCZ定量へのADAの影響を解明し、ADA存在下でも血中TCZ濃度を正確に評価できる測定法を提示する。
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Outline of Final Research Achievements |
関節リウマチ(RA)治療薬のトシリズマブ(TCZ)の効果を予測するために、TCZの血中濃度を正確に評価できる測定法が必要である。一般的に使用されるELISA法は血中の抗薬物抗体(ADA)により偽低値を示す可能性がある。一方、当研究室で確立した新規血中TCZ濃度測定法であるLC-MS/MS法は、測定原理的にADAの影響を受けないと予想されるため、実際に検証した。RA患者22名の血中TCZ濃度を測定したところ、LC-MS/MS法の方がELISA法よりも高値を示した。上記患者の77.3%にADAが発現していたが、ADAはLC-MS/MS法とELISA法の測定値の差に影響していないことが示唆された。
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
タンパク質医薬品の血中濃度測定において、ELISA法とLC-MS/MS法により得られる測定値に差が生じることが知られている。しかし抗体医薬品においてLC-MS/MS法は新しい測定法であり、ELISA法との詳細な比較は行われていなかった。本研究により、TCZの血中濃度測定においてELISA法とLC-MS/MS法の測定値に差が生じることが明らかとなった。どちらの測定値が正しいのか結論付けるためには、更なる検討が必要であるが、最終的には、TCZ の効果不十分な患者を、他剤への変更が必要な患者と投与量の増量が必要な患者に区別するためのバイオマーカーを提供することが可能になると期待される。
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