入院時持参薬における処方複雑性が薬物治療効果に及ぼす影響
Project/Area Number |
20H01033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3180:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
Wakai Eri 三重大学, 医学部附属病院, リサーチアシスタント
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥380,000 (Direct Cost: ¥380,000)
Fiscal Year 2020: ¥380,000 (Direct Cost: ¥380,000)
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Keywords | 処方複雑性 / 血圧管理 / MRCIスコア / 服薬管理 |
Outline of Research at the Start |
近年、ポリファーマシーによる有害事象や服薬管理不良が問題視され、薬物治療への影響が懸念されている。服薬管理不良には、薬剤数のみならず、処方の複雑性も影響を及ぼすと考えられ、海外においてはMRCI(Medication regimen complexity index)を用いて、処方の複雑性の定量化が行われている。しかしながら、本邦ではMRCIを用いた処方複雑性の評価に関するエビデンスは乏しく、さらには薬物治療に及ぼす影響を評価した報告は未だ存在しない。本研究では、血圧を指標として処方の複雑性が服薬アドヒアランス及び薬物治療に与える影響を精査する。
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Outline of Final Research Achievements |
対象患者1057例のうち、服薬管理良好群は893例、不良群は164例であった。服薬管理不良群では、薬剤数および降圧薬の薬剤数、MRCIスコア全てにおいて良好群よりも高かった。年齢≧71歳、内服MRCIスコア≧19.5が内服管理不良に対する危険因子として抽出された。MRCI<19.5群では、年齢≧71歳の患者は年齢<71歳よりも服薬管理不良割合が高かった。一方で、MRCIスコア≧19.5群では年齢≧71と<71で有意な差は認められなかった。また、MRCI≧19.5群では、年齢に関係なく、MRCIスコア<19.5群よりも服薬管理不良割合が有意に高かった。血圧管理、再入院率も同様の結果が得られた。
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
本研究成果により、薬剤数ではなく処方複雑性と年齢が服薬管理に影響を及ぼし、さらに、血圧管理や再入院率など、薬物療法や病態にも影響を及ぼすことが明らかとなった。適切な薬物療法推進のために処方複雑性評価が必要であることが示唆された。 本研究は、不適切処方の防止や入院期間の短縮など医療費の削減に貢献可能な極めて社会的意義の高い研究である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)