Project/Area Number |
20H01072
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3180:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
Iwata Naohiro 岡山大学, 大学病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥480,000 (Direct Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2020: ¥480,000 (Direct Cost: ¥480,000)
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Keywords | 釣藤鈎 / 抑肝散 / 抗がん剤誘精神機能障害 / 明暗探索試験 |
Outline of Research at the Start |
抗がん剤投与による精神機能障害には血清中脳由来神経栄養因子(BDNF)の減少が関与している。このことから、BDNF増加作用による神経保護作用を持つ釣藤鈎含有漢方薬である釣藤散および抑肝散は、抗がん剤による精神機能障害の有効な予防薬あるいは治療薬になり得る。本研究では、モデル動物を用いて行動薬理学的・免疫組織化学的手法により、釣藤鈎および釣藤鈎含有漢方製剤の抗がん剤誘発精神機能障害に対する効果について明らかにする。
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Outline of Final Research Achievements |
本研究では抗がん剤誘発中枢神経障害モデル動物に対する釣藤鈎含有漢方薬の影響について評価を行った。ドキソルビシンとシクロホスファミド(AC)をラットに週1回2週間投与、同時に釣藤鈎含有漢方薬を1日1回14日間経口投与行った。最終投与の翌日に不安様行動を評価する明暗探索試験を行った。不安作用が惹起されたラットは明室進入時間が減少することが知られている。AC投与によりラットの明室進入時間は減少したが、抑肝散を同時に投与することで明室進入時間の減少を抑制することが明らかとなった。抑肝散はAC投与後のラットの精神機能障害を抑制し、抗がん剤による精神機能障害に対する有効な予防薬になり得ることが示唆された。
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
抗がん剤治療中の患者は精神機能障害を生じることが問題となっており、患者の予後にも大きく影響する。その原因として抗がん剤による中枢神経細胞への影響が考えられる。一方、アカネ科カギカズラの鈎棘である釣藤鈎を含む漢方薬は神経保護作用を持つことが知られており、抗がん剤による精神機能障害の有効な予防薬となり得る。本研究成果は抗がん剤投与後のラットの不安様行動に対する漢方薬の影響を評価したものであり、抗がん剤投与による精神機能障害の予防法の確立に向けた基盤データを提供するものである。
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