Project/Area Number |
20H01133
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3240:Society medicine, nursing, and related fields
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Research Institution | 石川県警察本部科学捜査研究所 |
Principal Investigator |
MURAKAMI Takaya 石川県警察本部科学捜査研究所, 専門研究員
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Research Collaborator |
石丸 麗子
神田 康司
大塚 尚哉
椴山 儀恵
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2020: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | 危険ドラッグ / カチノン類 / エナンチオマー / 薬物代謝 / カルボニル還元 / 液体クロマトグラフィー / キャピラリー電気泳動 / 質量分析 / 代謝 |
Outline of Research at the Start |
危険ドラッグ「カチノン類」に分類されるα-pyrrolidinopropiophenone(α-PPP)について, ヒト肝組織を用いたin vitro代謝試験を行い, 得られる光学活性代謝物の各光学異性体を個々に定量し, その経時的変化量や量比を比較・評価する. これまでに, ヒト肝ミクロソームを用いた代謝試験を行い, カルボニル還元代謝反応の顕著な立体選択性を明らかにしている. 本研究では, これに加えて, ヒト肝サイトゾルの代謝反応についても検証を行い, 詳細な代謝プロファイルを明らかにし, 薬物の摂取時期推定に資する法科学的指標を探索する.
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Outline of Final Research Achievements |
α-ピロリジノアルキルフェノン系カチノン類の基本構造であるα-pyrrolidino-propiophenone (α-PPP)のラセミ体をヒト肝ミクロソーム(HLM)でin vitro代謝処理し、光学活性代謝物の定量分析を行った。カルボニル還元代謝物の各エナンチオマーの生成量は明確に異なり、特に(S, S)体の生成が顕著であった。オキソ化代謝物の総生成量はカルボニル還元代謝物の総生成量と比較して極めて小さかった。ヒト肝サイトゾル(HLC)の代謝試験では、いずれの代謝物の生成量もHLM代謝に比べて小さかったことから、カルボニル還元およびオキソ化代謝反応は肝小胞体代謝酵素の寄与によるものと判断された。
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
カチノン類のエナンチオマーまで考慮した詳細な代謝反応を明らかにすることができた。本研究で示された立体選択的カルボニル還元代謝反応の知見は、ヒト肝小胞体に発現する代謝酵素の新たな機能を解明する一助となり得ると考えられる。また、本知見に基づけば、薬物の摂取時期推定など法科学分野への応用も期待できる。
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