Project/Area Number |
20H01180
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01010:Philosophy and ethics-related
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
矢嶋 直規 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (10298309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柘植 尚則 慶應義塾大学, 文学研究科(三田), 教授 (00305898)
長尾 伸一 名古屋大学, 経済学研究科, 名誉教授 (30207980)
古家 弘幸 徳島文理大学, 総合政策学部, 准教授 (30412406)
下川 潔 学習院大学, 文学部, 教授 (40192116)
ALBERG Jeremiah 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (80552182)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥15,990,000 (Direct Cost: ¥12,300,000、Indirect Cost: ¥3,690,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | 英国経験論 / キリスト教神学 / スコットランド啓蒙 / 宗教哲学 / ヒューム / イギリス哲学 / ジョン・ロック / アダム・スミス / デーヴィッド・ヒューム / J・S・ミル / トマス・リード / 社会思想 / 近代英国哲学 / ロック / スミス / リード / ミル / 近代キリスト教神学 / 自然宗教 / 理神論 / ジョゼフ・バトラー / 自然神学 / 人格同一性 / 魂論 / 近代哲学 / 英国哲学 / キリスト教 |
Outline of Research at the Start |
近代英国哲学はしばしば非宗教的で世俗的な傾向を特徴とするとみなされてきた。しかし17,18世紀のヨーロッパ哲学としての近代英国哲学は、キリスト教との相互的影響関係において発展したと言える。本研究ではキリスト教神学との関係を、ロック、シャフツベリ、バークリ、ハチソン、ヒューム、スミス、リードと続く英国哲学を統一的にとらえる視点として設定する。そして英国経験論のキリスト教神学からの影響を明らかにすることで、従来の英国哲学史観を正し、近代哲学研究に新しい視点を導入しようとするものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は4年計画の研究年3年目にあたり、研究代表者および研究分担者は情報を交換しつつ、前年度までの各自の研究課題の研究に基づいて個別論文の作成を進めた。7月から8月にかけて各人が論文の草稿を完成させ、Zoomでの会議を通して全員で草稿を検討し議論を深めた。その後研究分担者は連絡を取り合い各自に示された課題の研究と改善点の修繕に努めた。研究代表者は原稿全体を検討し、共同研究の背景と狙いを解説するイントロダクションを執筆した。本研究課題の重要な目的である近代英国哲学とキリスト教神学の関係についての編著の出版に向けて最終段階に到達できたと考えている。2月には英国を訪問し、ピーター・ケイル博士、デーヴィッド・ファーガソン教授、ジェームズ・ハリス教授、ジョナサン・ハーン教授、ゴードン・グレアム名誉教授と研究交流を行いまた研究成果の英文草稿を検討することができた。 また2022年には本研究の重要な思想史的背景をなすスコットランド啓蒙思想研究を主題とする国際会議に3名の研究分担者が参加した。その成果は研究代表者が編集したが英国エディンバラ大学出版会刊行のJournal of Scottish Philosophyの特別号として刊行された。 さらに19世紀イギリス哲学の重要なキリスト教哲学者でもあるトマス・ヒル・グリーンの主著『倫理学序説』の共訳を完成させ出版することができた。この業績によってイギリス哲学とキリスト教の関係が近代の始めから終わりまで一貫したテーマであることを示し、その見識を広く社会に還元することができた。さらに研究代表者の主題の一つであるJ・バトラーの倫理学の成立史についても研究をすすめ、S・クラークの自然神学への批判が、経験的道徳論成立の契機となることを論じる論文の公刊に向けて準備を進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究は4年計画で研究の総括を行い、共著を出版する計画であったが、著書の原稿が予定よりも一年早い段階でほぼ出そろい、今年度中の出版の見込みが立っているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年は共同研究の成果を総括し、それを改稿させたうえで共著書を出版する予定である。前年度までに作成した原稿をさらに全員で再検討し完成に努める。また近代英国哲学とキリスト教神学の関係をめぐる総括的な議論を英米の著名研究者に依頼し、全体のまとめを行うとともに、さらなる発展的課題の明確化に努める予定である。また本研究成果を国内の学会でのシンポジウムそして、海外の大学でのシンポジウムの実施につなげることを目的とする。
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