Project/Area Number |
20H01191
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01030:Religious studies-related
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Research Institution | Tokyo Junshin University |
Principal Investigator |
宮本 久雄 東京純心大学, 看護学部, 教授 (50157682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 寛 清泉女子大学, 付置研究所, 非常勤講師 (10633430)
足立 広明 奈良大学, 文学部, 教授 (30412141)
袴田 玲 岡山大学, ヘルスシステム統合科学学域, 講師 (30795068)
坂田 奈々絵 清泉女子大学, 文学部, 専任講師 (30795109)
阿部 善彦 立教大学, 文学部, 教授 (40724266)
鶴岡 賀雄 清泉女子大学, 文学部, 非常勤講師 (60180056)
山田 望 南山大学, 総合政策学部, 教授 (70279967)
山田 順 西南学院大学, 国際文化学部, 准教授 (90352202)
海老原 晴香 白百合女子大学, カトリック教育センター, 准教授 (20805246)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2020: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
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Keywords | キリスト教 / 教父研究 / 女性史 / 雅歌 / 女性 / 中世 / 教父 / ビザンツ / 女性神秘家 / 古代末期 / ペラギウス / マリア論 / ローマ史 / ビザンツ史 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、東方・ギリシア教父の時代における女性たちの主体的な生き方とそれを支える教父たちとの協働体の実態を、聖書学、神学、 歴史、考古学的観点によって多面的に解明する。また、東方・ギリシア教父の女性 理解を豊かに発展させる契機となった、花嫁と花婿の相聞歌の形式を取る旧約聖書中の異色の書「雅歌」に対する解釈(註解)に注目し、教父たちの解釈した雅歌の花嫁像の中に多彩な視点で織り込まれた様々な女性像を解明する。そして、その影響が及んだ西方キリスト教世界の女性たちの霊性や〈女性〉性をめぐる言説における雅歌註解の伝統の受容と展開を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
初期キリスト教から東方キリスト教について扱う研究班1においては、碑文史料や出土遺跡をもとにした初期キリスト教における女性の社会的地位や慈善活動への取り組みについての考察、聖書外典における女性像とそれに対する女性の主体的関わり、ペラギウス派、クリュソストモス、アウグスティヌス等のテクストをもとにした神学的女性観の比較分析、またグレゴリオス・パラマス、フィロテオス・コッキノス、ニケフォロス・グレゴラスらのテクストからビザンツにおける民衆教化運動と女性の関わりについての研究が行われた。 西方キリスト教における雅歌解釈、女性イメージについて扱う研究班2では、ビンゲンのヒルデガルトの分析をもとにした「女性神秘家」概念の再検討や、ホノリウスらによる中世の雅歌解釈伝統および女性神秘家への影響関係、マンドのドゥランドゥスやクレモナのシカルドゥスらによる典礼注解書や、ルイス・デ・レオンらの女性観や女性像の使用についての考察も行った。また現代のフェミニズム思想を踏まえることで、さらなる分析を試みた。 加えて、イギリスでの在外研究やイタリアでの出土遺跡の分析等、一部ではあるが海外での調査活動も行われた。 また本プロジェクトメンバー同士の研究打ち合わせの他、六回にわたるオンラインでの連続公開研究会(4月、7月、8月、10月、12月、1月)の他、2022年3月17-18日には、本研究メンバーが在外研究先のオックスフォード大学にて、The Oxford Centre for Byzantine Researchと共催のかたちで国際シンポジウムHesychasm in Context: Theology and Society in the Fourteenth Centuryを主催し、自らも発表を行った。その他各分担者も、国内外の研究集会や学会・研究会において広く発表を行い、その成果を共有した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、引き続き新型コロナウィルスの影響により、現地実地調査等については縮小の傾向はあるものの、テクスト分析や出土遺跡の分析という点では概ね順調に進められている。 複数回の打ち合わせや公開研究会により、代表者および分担者の間での研究状況の共有や連携を実現すると同時に、現地での調査や国際シンポジウムの開催等により、国際的な研究交流が行われている。 加えて研究成果の公開・還元についても、公開研究会および参加メンバーそれぞれの学会発表や講演会、また学術誌や一般誌への寄稿により実現している。 以上の理由により、本研究は研究計画に従っておおむね順調に進展していると自己評価される。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も初期キリスト教時代から盛期中世にいたるまでのキリスト教における女性の働き、自己理解、そして女性イメージについて総合的に検証し、再検証をすすめることで、キリスト教-女性研究の新たな視座を打ち出すことを目指し、それに向けた研究打ち合わせおよび公開研究会、シンポジウム等によって本プロジェクトのメンバー間の研究連携を強化すると同時に、プロジェクトの枠を超えた広い学際的交流の場を創出する。 また次年度は本プロジェクトの最終年度にあたるため、各研究班にてこれまでの研究成果についてのまとめを行っていく。加えてイギリス、トルコ、イタリア等を中心に現地調査を行うと同時に、国外の研究者との意見交換を行い、連携を強めていく。 これらすべての研究成果は、如上の公開研究会の他、各種国内学会や、国際学会、および本プロジェクトのメンバーがそれぞれに投稿・寄稿する学術誌や書籍、また2022年度刊行予定の論集において発表される。
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