Project/Area Number |
20H01199
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01040:History of thought-related
|
Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
澤井 真 天理大学, 付置研究所, 講師 (40773734)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 純一 自治医科大学, 医学部, 講師 (20847090)
加藤 隆宏 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (80637934)
古勝 隆一 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (40303903)
小村 優太 早稲田大学, 文学学術院, 准教授 (20726822)
齋藤 智寛 東北大学, 文学研究科, 教授 (10400201)
長岡 徹郎 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 研究員 (20884951)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥13,000,000 (Direct Cost: ¥10,000,000、Indirect Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2020: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
|
Keywords | 井筒俊彦 / 東洋 / エラノス会議 / イスラーム / 東洋哲学 / 老荘思想 / 比較哲学 / イスラーム哲学 / インド哲学 / 東洋思想 / 神秘主義 / ギリシア哲学 / 大乗起信論 |
Outline of Research at the Start |
本研究課題では、世界を代表するイスラームの碩学であり、東洋哲学者として知られている井筒思想の形成過程を、彼が用いた文献を資料批判的に分析することによって考察する。これまでの井筒に関する研究は、彼が晩年に構築を目指した彼自身の東洋哲学に集中してきた。この意味において、晩年における井筒の東洋哲学へと向かう以前に、彼が有していた彼の学問的視座についてはほとんど明らかになってこなかった。そこで、本研究課題では、インド思想、中国思想、イスラーム思想、仏教思想、そして現代哲学における彼のテクストを分析し考察することによって、井筒の「東洋」思想を明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度はコロナ禍ではあったが、6回のオンライン研究会を行うとともに、研究成果の一端を日本宗教学会第80回学術大会において「井筒俊彦の『東洋哲学』前夜」と題したパネル発表を行った。 研究会における発表タイトルと発表者については、以下の通りである。第1回研究会 仁子寿晴「前田利鎌、ロジェ・アルナンデス、小林秀雄─井筒意味論の源流について幾つか指摘する」/第2回研究会 加藤隆宏「井筒俊彦とウパニシャッド」・バフマン・ザキプール「イランにおける井筒俊彦の生活」/第3回研究会 古勝隆一「井筒俊彦の老荘理解をめぐって─シャマニズム・聖人・渾沌」・小村優太「井筒俊彦と20世紀のアラビア/イスラーム哲学」/第4回研究会 石井公成「井筒俊彦の言う「東洋哲学」なるものを疑う」/第5回研究会 西尾哲夫「『意味の深み』には何があるのか?─人間的普遍と文化的特殊のはざまを生きた井筒俊彦の言語哲学の可能性」/第6回研究会 竹村牧男「井筒俊彦の空海論について」。 各研究会では、井筒俊彦が東洋哲学と関わりの深い思想家のテクストを考察しながら井筒思想を考察した発表や、井筒俊彦が東洋哲学を構想していく過程に関する発表など多角的に行われた。 また日本宗教学会においては、仁子寿晴「井筒俊彦の「本質主義」理解─荀子とイブン・ハズムから─」、長岡徹郎「比較哲学から開かれる井筒俊彦「東洋哲学」の哲学的可能性」、澤井真「井筒俊彦と東洋─イブン・アラビー思想との出会い─」の3発表を行った。それらの発表はいずれも、井筒俊彦の東洋哲学の構築において、いかに東洋の思想家や哲学的伝統のなかからテクストを読みこんでいったかが考察された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
オンライン研究会の利点を生かすことで多くの参加者を得て、井筒俊彦の東洋哲学構築に関する研究を展開することができた。それによって、井筒俊彦がいかに東洋哲学を構築していったかが、専門領域を異にする多くの研究者から指摘され、実り多い機会となった。 一方で、コロナ禍ということもあり、対面での研究会を実施することができなかった。そのため、井筒理解に関して、仮説的な話を行う機会が減ってしまったことは悔やまれる。この点はオンライン研究会の弱点であった。しかしながら、多くの研究成果を出すことができた点で、当初の計画以上の進展があったと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、井筒俊彦に関する研究を推進するために対面での研究会を開催する。さらに、ユーチューブ動画による研究成果の社会的還元を目指す。 さらに、国際会議を海外研究者を招聘して開催する。依然としてコロナ禍であるため、可能であればハイブリッド型の国際会議を行うことにしたい。
|