Project/Area Number |
20H01208
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01060:History of arts-related
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
桑木野 幸司 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 教授 (30609441)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡北 一孝 岡山県立大学, デザイン学部, 准教授 (00781080)
水野 千依 青山学院大学, 文学部, 教授 (40330055)
渡辺 浩司 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 教授 (50263182)
林 千宏 大阪大学, 大学院人文学研究科(言語文化学専攻), 准教授 (80549551)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2020: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | varietas / エクフラシス / 記憶術 / 修辞学 / マニエリスム / inventio / 百科全書 / 庭園 / 建築 / ルネサンス / 初期近代 / 百科全書主義 / 多様性 / 発想 |
Outline of Research at the Start |
「多様性は愉しませるvarietas delectat」この古代ギリシア以来の文芸上の観念は、当時の世界観にも反響しつつ、古代世界における一種の常套主題となり、後世の文化・思想にも大きな影響を与えた。それがもっとも興味深いかたちで見られるのが、西欧の初期近代という時代である。古代復興ばかりでなく、視覚芸術が高度に発展し、都市文化が成熟したこの時代は一方で、情報爆発を経験した時代でもあった。その知的革新の時に、varietasが創造的な仕方で応用されていった初層を、文理融合的に明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
三年目にあたる本年度は、最終年度の総括シンポジウムにむけた研究の深化を目指すとともに、研究成果を広く社会に還元するアウトリーチ活動の一環として、科研テーマに関連する主題の、一般啓蒙書の出版に力点を置いた。桑木野の本年度の成果としては、著作・論文5本、口頭発表・講演3本、総説等8本。 研究の深化については、ルネサンス建築と庭園について、多様性と創造の観点から、研究論文を執筆し、またイタリア研究会や他大学において、関連テーマの講義を行った。アウトリーチ活動としては、まず、ちくま新書よりの単著『ルネサンス:情報革命の時代』を出版したことが、最大の成果といえる。大手新聞にも書評が出たことに加え、関連するレクチャーの企画が立ち上がるなど、科研成果の社会還元が十分なかたちで行えたと自己評価している。さらには、文芸誌『ユリイカ』への寄稿、および、町田市立国際版画ミュージアムでの企画展「自然という書物」の計画に参画し、カタログの論文を執筆した。また、現在執筆中の連載記事(ヨーロッパの庭園空間について)は、科研テーマのアウトリーチ活動として、次年度中に単行本化の計画を進める予定でいる。 研究分担者(水野・渡辺・林・岡北)の成果も順調に発表されており、論文・翻訳・著作7本、口頭発表3本と、十分な成果といえる。 また、研究代表者は、初期近代視覚芸術についての知見を社会に還元すべく、世界遺産に関するドキュメンタリー番組の監修を二本手掛けたことも、特記に値する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「当初の計画以上に進展している」との自己評価を下した理由は、以下の二点による。一つは、次年度中に具体化する予定であった、アウトリーチ活動としての新書刊行を、本年度実行できたからである。またもう一つの理由としては、最終年度に総括シンポジウムを計画するだけでなく、2023年11月、フランスのソルボンヌ大学のシンポジウム(建築とエクフラシス(仮))に、研究代表者および分担者一名が参加してフランス語・イタリア語での発表を行うことが内定したこと、さらには、研究代表者が、イタリアに拠点を置く学術雑誌Gallileianaに、ロバート・フラッドの記憶術について、2024年中に寄稿することが内定したこと、である。これらは、国外にむけての研究成果の発表であり、そうした発表の場を本年度中に確保できたことは、当初の計画以上の成果といえるだろう。
|
Strategy for Future Research Activity |
「現在までの進捗状況」欄に記載したとおり、今後は、次の三つの目標の実現にむけて集中する。 ①最終年度に、研究テーマを総括する国際シンポジウムを実施する。イタリアから1~2名の発表者を招待する予定でいる。 ②2024年11月にフランスのソルボンヌ大学で開催される国際シンポジウム「建築とエクフラシス」の発表参加する。 ③国際学術雑誌『Gallileiana』に、科研課題の研究成果を、外国語論文として寄稿する。
|