復帰前後の沖縄における基地と開発をめぐる住民運動に関する実証的研究と資料整備

• Project/Area Number: 20H01310
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
• Allocation Type: Single-year Grants
• Section: 一般
• Review Section: Basic Section 03020:Japanese history-related
• Research Institution: University of the Ryukyus
• Principal Investigator: 鳥山 淳 琉球大学, 島嶼地域科学研究所, 教授 (60444907)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 上原 こずえ 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (60650330) ; 秋山 道宏 沖縄国際大学, 総合文化学部, 准教授 (90813767)
• Project Period (FY): 2020-04-01 – 2024-03-31
• Project Status: Completed (Fiscal Year 2023)
• Budget Amount: ¥10,920,000 (Direct Cost: ¥8,400,000、Indirect Cost: ¥2,520,000); Fiscal Year 2023: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000); Fiscal Year 2022: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000); Fiscal Year 2021: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000); Fiscal Year 2020: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
• Keywords: 沖縄 / 復帰 / 住民運動 / 資料整備 / 運動 / 開発 / 基地

Outline of Research at the Start

1960年代から70年代の沖縄において基地と開発をめぐる争点を形成した住民運動に焦点を当て、運動当事者が作成した資料を調査・分析するとともに、その公開・活用の促進を図る。
そのために、米軍による土地の強制使用に対峙した「伊江島土地を守る会」、石油備蓄基地（CTS）建設計画に反対した「金武湾を守る会」、基地被害の軽減・解消を訴えた嘉手納基地周辺地域の運動である。この3つの運動に関する資料群を調査・分析し、その歴史的意義と資料的価値を明らかにするとともに、その中の主要な資料をデジタル画像化して資料へのアクセスを確保し、今後の研究に活用できる状態にする。

Outline of Annual Research Achievements

阿波根昌鴻資料については、伊江島での調査活動を本格的に再開し、新たに確認された資料の目録作成を行った。また復帰前に阿波根氏が撮影した写真に関しては、2024年2月から埼玉県の丸木美術館で開催された写真展「阿波根昌鴻 写真と抵抗、そして島の人々」において必要とされる写真ネガのデジタル画像作成にあたって、写真資料の照合と保存措置を行い、資料の活用を図った。また2024年3月に伊江島で開催されたシンポジウム「阿波根昌鴻の遺した写真・資料から見る沖縄戦後史、現在、未来」において、研究代表者の鳥山が資料調査活動の方法と成果について報告し、阿波根昌鴻資料を詳細に調査することによって沖縄戦後史研究の資料的な基盤を充実させることの重要性を指摘した。
「金武湾を守る会」資料については、前年度に作成した複製画像を目録化して資料の全体像を把握するとともに、公開・活用の方法と優先順位について検討を行った。それによって、「金武湾を守る会」の定期発刊物の保存状況を詳細に確認し、その資料一覧と資料解説の作成を行った。また同会の活動に伴って作成された配布物を時系列的に整理し、その内容を確認するとともに資料公開に向けた選別を行った。また研究分担者の上原は2023年12月の東アジア日本研究者協議会で研究報告を行い、「金武湾を守る会」資料を分析することによって巨大開発事業をめぐる「環太平洋地域における同時代性」を明らかにしていくことの意義を説明した。
大山朝常資料については、前年度に作成した複製画像を用いて資料内容の把握し、歓楽街の事業者とコザ市との間で行われていた衛生管理・売春管理をめぐる協議や米軍に対する折衝活動などを分析した。

Research Progress Status

令和5年度が最終年度であるため、記入しない。

Strategy for Future Research Activity

令和5年度が最終年度であるため、記入しない。

Research Products

• [Journal Article] 農業・農村から再考する沖縄現代史研究の論点－米国統治期の砂糖生産に関連して－ (2024)
  • Author(s): 鳥山 淳
  • Journal Title: 農業史研究 Volume: 58 Pages: 3-16
• [Journal Article] 戦後沖縄の「暮らし」と「いのち」：基地問題の歴史と現状から (2024)
  • Author(s): 秋山 道宏
  • Journal Title: 医療労働 Volume: 675 Pages: 26-31
• [Journal Article] 「危機の時代」の戦争と平和のリアリティ (2023)
  • Author(s): 秋山 道宏
  • Journal Title: 唯物論研究年誌 Volume: 28 Pages: 183-189
• [Journal Article] 沖縄現代史における”労働”から持続的・構造的な変化を考える (2023)
  • Author(s): 鳥山 淳
  • Journal Title: 沖縄史料編集紀要 Volume: 46 Pages: 90-92
• [Journal Article] 「返還50年」の沖縄をどうとらえるか (2022)
  • Author(s): 鳥山 淳
  • Journal Title: 歴史地理教育 Volume: 939 Pages: 54-61
• [Journal Article] 「生存の危機」にある沖縄戦後の運動史を捉え直す (2022)
  • Author(s): 上原 こずえ
  • Journal Title: 年報日本現代史 Volume: 27 Pages: 139-172
  • Peer Reviewed
• [Journal Article] 施政権返還後の福祉労働者の闘いが提起した人間排除のシステムの問題 (2022)
  • Author(s): 上原 こずえ
  • Journal Title: 生活経済政策 Volume: 306 Pages: 21-24
• [Journal Article] 戦後沖縄の歴史はなにを問いかけるのか：日本復帰50年目の節目に (2022)
  • Author(s): 秋山 道宏
  • Journal Title: 平和運動 Volume: 613 Pages: 18-25
• [Journal Article] "Overcoming the Past" Concerning the War Experiences on KumeJima (2021)
  • Author(s): Atsushi Toriyama
  • Journal Title: Okinawan Journal of Island Studies Volume: 3(2) Pages: 77-87
  • Peer Reviewed
• [Journal Article] 崎原盛秀の人生と運動の思想を振り返る (2021)
  • Author(s): 上原 こずえ
  • Journal Title: 越境広場 Volume: 9 Pages: 141-148
• [Journal Article] 常識をゆさぶる資料群 阿波根昌鴻とたたかいの記録 (2021)
  • Author(s): 鳥山 淳
  • Journal Title: 世界 Volume: 941 Pages: 212-217
• [Journal Article] 食べるための労働を問い直す 一九七〇～八〇年代の沖縄青年労働者たちの「自立」と「相互扶助」 (2021)
  • Author(s): 上原 こずえ
  • Journal Title: 福音と世界 Volume: 76（2） Pages: 30-35
• [Journal Article] 沖縄をめぐる依存／自立の議論を再設定するための歴史的文脈 (2020)
  • Author(s): 鳥山 淳
  • Journal Title: 平和研究 Volume: 54 Pages: 47-69
  • Peer Reviewed
• [Journal Article] 島ぐるみ闘争と辺野古の「選択」 (2020)
  • Author(s): 鳥山 淳
  • Journal Title: 歴史地理教育 Volume: 910 Pages: 16-21
• [Presentation] 阿波根昌鴻資料調査の取り組みと意義について (2024)
  • Author(s): 鳥山 淳
  • Organizer: わびあいの里第22回学習会「阿波根昌鴻の遺した写真・資料から見る沖縄戦後史、現在、未来」
• [Presentation] 戦争と平和をめぐる「リアリティ」の現在と沖縄・民衆意識 (2024)
  • Author(s): 秋山 道宏
  • Organizer: 第23回日韓民衆史共同ワークショップ
• [Presentation] 1970－80年代の開発をめぐる住民運動（金武湾反CTS闘争）資料 が示す 「開発」力学の環太平洋地域における同時代性 (2023)
  • Author(s): 上原 こずえ
  • Organizer: 東アジア日本研究者協議会
• [Presentation] オキナワにおける軍事化と生活/生命の安全保障 (2023)
  • Author(s): 秋山 道宏
  • Organizer: 経済理論学会
• [Presentation] 戦後沖縄にみる「交渉」のレパートリーと民主主義 (2023)
  • Author(s): 秋山 道宏
  • Organizer: 日本交渉学会
• [Presentation] 農業・農村から再考する沖縄現代史－米国統治期の砂糖生産に関連して－ (2023)
  • Author(s): 鳥山 淳
  • Organizer: 日本農業史学会
• [Presentation] 基地社会・沖縄の生活と生命をめぐる運動：日本復帰50年の地点から考える (2022)
  • Author(s): 秋山 道宏
  • Organizer: 日本平和学会春季研究集会
• [Presentation] 沖縄をめぐる依存／自立を問い直す歴史的文脈について (2021)
  • Author(s): 鳥山 淳
  • Organizer: 日本平和学会2021年度春季研究大会
• [Presentation] 米軍占領下の沖縄社会が抱えた葛藤 (2021)
  • Author(s): 鳥山 淳
  • Organizer: 京釜大学人文韓国プラス事業団第３回海外学者招聘フォーラム
• [Presentation] Invasion of Militarism in Our Lives and Culture (2021)
  • Author(s): Kozue Uehara
  • Organizer: Inter-Asia Cultural Studies Society, International Conference
• [Presentation] Kaho‘olawe, Kisenbaru, and Kin Bay: Towards a new transpacific commons against U.S. military capitalism (2021)
  • Author(s): Kozue Uehara
  • Organizer: A Community Symposium on Critical Nikkei Studies
• [Presentation] 「沖縄問題」をつきくずす地域研究：60年代沖縄の基地社会の動きに着目して (2021)
  • Author(s): 秋山 道宏
  • Organizer: 2021年度沖縄国際大学協定校間国際学術交流講演会
• [Presentation] 運動と生活のはざまで：資本主義に抗う沖縄青年労働者の自立と相互扶助 (2020)
  • Author(s): 上原 こずえ
  • Organizer: 沖縄社会学会第3回大会・シンポジウム
• [Presentation] 1970／80年代沖縄を問う視座：沖縄の「豊かさ」再考 (2020)
  • Author(s): 秋山 道宏
  • Organizer: 沖縄社会学会第3回大会・シンポジウム
• [Book] 大学で学ぶ沖縄の歴史 (2023)
  • Author(s): 秋山道宏 宮城弘樹 野添文彬 深澤秋人 新里貴之 山田浩世 藤波潔 前田勇樹 川島淳 市川智生 吉川由紀 伊佐真一朗 謝花直美 佐藤学 小濱武 古波藏契 澤田佳世 西岡敏 我部大和 納富香織 月野楓子 及川高
  • Total Pages: 239
  • Publisher: 吉川弘文館
  • ISBN: 9784642008358
• [Book] 沖縄県史 各論編７ 現代 (2022)
  • Author(s): 鳥山淳 上原こずえ 秋山道宏 前泊盛博 宮城晴美 仲本和彦 林博史 黒柳保則 川平成雄 粟国恭子 三島わかな 若林千代 戸邊秀明 小野百合子 古波藏契 謝花直美 宮城修 中島琢磨 大野光明 小濱武 明田川融 土井智義 宮田裕 野添文彬 佐道明広 照屋寛之 普天間朝佳 河村雅美 前畑明美 小松寛 嘉数啓
  • Total Pages: 714
  • Publisher: 沖縄県教育委員会
• [Book] つながる沖縄近現代史 (2021)
  • Author(s): 前田勇樹 古波藏契 秋山道宏
  • Total Pages: 232
  • Publisher: ボーダーインク
  • ISBN: 9784899824169