Project/Area Number |
20H01323
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03030:History of Asia and Africa-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
古畑 徹 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (80199439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小嶋 芳孝 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 客員教授 (10410367)
毛利 英介 関西大学, 東西学術研究所, 研究員 (10633662)
吉永 匡史 金沢大学, 歴史言語文化学系, 准教授 (20705298)
古市 大輔 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (40293328)
小林 信介 金沢大学, 経済学経営学系, 教授 (50422655)
村井 恭子 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (50569291)
植田 喜兵成智 学習院大学, 付置研究所, 研究員 (50804407)
渡辺 健哉 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 教授 (60419984)
赤羽目 匡由 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (60598853)
覚張 隆史 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 助教 (70749530)
中村 和之 函館大学, 商学部, 教授 (80342434)
井上 直樹 京都府立大学, 文学部, 准教授 (80381929)
足立 拓朗 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 教授 (90276006)
中村 亜希子 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部<平城地区>, センター長 (60600799)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥13,130,000 (Direct Cost: ¥10,100,000、Indirect Cost: ¥3,030,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
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Keywords | 高句麗 / 渤海 / 東部ユーラシア史 / 東北アジア / 歴史の争奪 |
Outline of Research at the Start |
古代東北アジア北部に興った高句麗・渤海は、領域が現在の中国・朝鮮の国境を跨ぎ、居住諸種族もそれらの構成民族の源流の一部となっているため、両国間の歴史の争奪の対象となっている。この克服にあたり注目されるのが、渤海以後に東北アジア北部に興った国家は中国だけでなくモンゴリアとも一体化していたという事実で、これは東部ユーラシア史と高句麗・渤海を関連づけることの有効性を想起させる。ただ、そのための基礎作業はほとんど行われていない。本研究課題では、高句麗・渤海が東部ユーラシア諸地域とどのように関わりどのように認識されてきたかを明らかにし、東部ユーラシア史に高句麗・渤海を位置づけるための基礎の確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、①高句麗・渤海と「東部ユーラシア」諸地域、とりわけ看過されてきたモンゴリアとの関係を具体的・実証的に明らかにすること、②7世紀以降、現代に至るまでの「東部ユーラシア」の諸地域において、高句麗や渤海がどのように認識されてきたかを、可能な限り具体的に示すことを、3年間の目標として設定している。今年度は、昨年度に引き続いてのコロナ禍のため、当初予定していたこの目標に向けての基礎的な史料・資料の収集や、関係各国における研究状況についての情報収集作業はできないと判断し、昨年度より取り組んでいた、今までに集めた情報を集約して、研究発表や論稿化する作業を中心とすることに計画を変更し、オンラインで打ち合わせ会と発表のための研究会を実施した。また、中止となった「高句麗・渤海史に関する日中研究者会議」のために集めた論稿を出版する作業も同時並行で行ない、年度末に古畑徹編『高句麗・渤海史の射程』(汲古書院、2022年2月)として出版することができた。 本年度の研究実績として特にみるべきは、前掲の『高句麗・渤海史の射程』の出版で、日中研究者会議のために集めた論稿だけでは十分な分量にならなかったこともあり、研究課題①・②の両方の成果を組み込んで1冊とした。特に①に関しては古畑執筆の付論と渤海とその北方地域との関係を考古学から明らかにする中澤論稿が重要な成果であり、②に関しては研究史や近現代における認識を明らかにする中村亜希子・植田・井上・渡辺・古畑の諸論稿が重要な成果である。オンラインの研究会でも、研究課題①②に関連する報告がなされ、それらは次年度以降に論稿化される予定である。このほか、各研究者ごとに設定した課題に取り組み、順次成果が公表されつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度も、当初予定では、昨年度に引き続き基礎的な史料・資料の収集や、関係各国における研究状況についての情報収集を行う予定であったが、昨年度同様にコロナ禍によってそれらは実現できず、今年度も今までに集めた情報を集約して、研究発表や論稿化して発信することに変更し、特に昨年度までの研究成果を公刊することに注力した。この変更した計画で進捗状況を判断し、概ね順調に推移していると評価した。理由は次のとおりである。 ①年度末に論文集『高句麗・渤海史の射程』(古畑徹編、汲古書院、2022年2月)を出版し、本プロジェクトおよびその前身のプロジェクトによる研究成果を公刊できた。 ②年度末にオンライン研究会を開き、研究分担者・研究協力者の個別成果の一端が発表されたほか、各研究分担者・研究協力者によって本プロジェクトによる研究成果の公表が相次いだ。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年同様に研究の順序を入れ替えたので、今後はコロナ禍の状況改善及び終息を待って、基礎的な史料・資料の収集、及び関係各国における研究状況についての情報収集を再開させることが重要である。ただ、状況の改善があっても、計画当初に想定されていたような関係国間の自由な往来は制限されると考えられるので、輸入可能な書籍の購入やオンライン上で集められる情報の収集に力を注ぎ、十分に行うことができない国際的な研究交流を補うことに注力する。 また、来年度は本プロジェクトの最終年度となるため、年度末に金沢にて国際シンポジウムを行うことが当初計画では予定されていた。コロナ禍の状況次第ではあるが、できれば計画通りに、それが難しくとも最低限、プロジェクトメンバーだけでも金沢に集まり、オンラインを併用するハイブリッド型で、高句麗・渤海史に関する国際シンポジウムを開催する。さらにそれをステップに、次のさらに大きな目標(新たな高句麗・渤海史像の提示)に向けたプロジェクトを立ち上げる準備をしていく。
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