越後縄文人の食性変化と多雪化の関係を明らかにする研究
Project/Area Number |
20H01344
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03050:Archaeology-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 邦夫 東京大学, 総合研究博物館, 特招研究員 (10272527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植月 学 帝京大学, 付置研究所, 准教授 (00308149)
卜部 厚志 新潟大学, 災害・復興科学研究所, 教授 (20281173)
阿部 昭典 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 教授 (20710354)
能城 修一 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 客員教授 (30343792)
宮尾 亨 新潟県立歴史博物館, その他部局等, 研究員 (90245655)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,810,000 (Direct Cost: ¥13,700,000、Indirect Cost: ¥4,110,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2020: ¥6,760,000 (Direct Cost: ¥5,200,000、Indirect Cost: ¥1,560,000)
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Keywords | 古食性分析 / 縄文土器 / 脂質分析 / 年代測定 / 土器付着炭化物 |
Outline of Research at the Start |
縄文時代早期と前期の境界である約7000年前に、日本海は今と同様な海況となり、日本海側に多雪環境をもたらした。この環境変遷に伴うように、越後では、草創期に引き続き早期土器には海産物の寄与が大きいのに、前期土器ではその割合が激減することが、付着炭化物による食材分析で明らかとなった。一方、太平洋側の福島県では、そのような変化が見られない。 この現象は、多雪化による環境変動のために、越後縄文人が食性を変えたことを示唆している。 土器型式に基づいて、日本海側で食性変化が起きた時期を特定し、太平洋側と比較することで、多雪化が生業にどのような影響を与えたのかを、食性(調理物)から読み解く。
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Outline of Annual Research Achievements |
縄文時代早期から前期にかけて、温暖化が頂点に達し、越後では多雪化が起きていた。この時期、越後では食性が変化している可能性が浮上した。本研究では、この画期に、生業がどのように変化したのかを、食性(調理物)によって読み解くのが、主な目的である。 本研究課題は、2020年4月に採択された。折しも新型コロナウイルス感染症の流行が始まり、4月には緊急事態措置が実施され、移動が制限されることになった。 初年度、2020年度は、当該期の出土土器を現地で調査し、土器付着炭化物を採取できる資料を探索、リスト化し、炭化物の採取を行う計画であった。移動制限のため、この計画を進めることが出来なかったので、コロナ渦前に新潟県津南町で採取した縄文時代早期の土器資料を分析した。資料は撚糸文土器、押型文土器、それより新しい貝殻沈線文土器である。内面付着物について、炭素・窒素同位体分析、および脂質(残留有機物)分析を行った。 津南郷の縄文時代草創期では、海産物を含むと考えられる資料が主体を占めている。今回、これに続く早期初頭の撚糸文土器では、海産物の影響が確認できなかった。押型文、貝殻沈線文土器と、時期が新しくなるにつれて、海産物を含むと考えられる資料の比率が増加していることがわかった。 研究を着想した原点は、前期になると海産物の影響が減少するという分析結果であった。今回の分析で、時期差はあるものの、縄文時代早期では、海産物の寄与が大きいことを再確認することが出来た。前期資料の探索、資料採取、分析が急がれる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究課題が採択された直後に、コロナ渦により緊急事態宣言が発出され、移動が制限されることになった。資料を探索し、分析資料を採取する調査活動が厳しく制限され、分析をおこなうことが出来なかった。研究機関によっては、緊急事態措置が解除された後も、研究交流が制限され、都県を越えた移動が出来ない状況が続いた。このため、分析する資料を取得できず、研究は著しく遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
東京大学でも、今年5月8日に活動指針レベルがSとなり、通常の教育研究体制に戻ることになった。今後は、研究代表者、研究分担者、研究協力者が一丸になって、研究を進めていくことが肝要である。 研究代表者、および分担者の一部は、配分金の一部または全部を繰り越している。今年度は最終年度に当たるため、研究計画を精査して、研究課題を達成できるように調整する必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(27 results)