Why did people form the state?: comparative micro and macro-scale combined studies between Japan, Britain and China
Project/Area Number |
20H01350
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03050:Archaeology-related
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
溝口 孝司 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (80264109)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 正人 成城大学, 文芸学部, 教授 (00257205)
徳留 大輔 公益財団法人出光美術館, その他部局等, 学芸員 (10751307)
辻田 淳一郎 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (50372751)
田尻 義了 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (50457420)
舟橋 京子 (石川京子) 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (80617879)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2020: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
|
Keywords | 社会複雑化 / 国家形成 / ミクローマクロ架橋 / 比較考古学 / 社会考古学 / 社旗複雑化 |
Outline of Research at the Start |
国家を主軸として保証されてきた人と人との繋がり・社会の安定は、グローバル化を中心とするさまざまな問題により揺らぎつつある。そもそも人はなぜ広域にまとまり繋がるようになったのか?個々の親族集団、共同体に暮らしていた人々はなぜ特定の人や組織に従うようになったのか?社会の複雑性の増大、国家形成のメカニズムを解明するこは、国家と社会のより良いあり方を考え直す上で、かつてなく重要になっている。従来の研究では、システムや制度の復元というマクロな視点のみに重きが置かれがちであったが、個々人の思考や行動の構造化とその原理というミクロな視点からの分析を新たに加え、今日の人類の直面する問題の原点を解き明かしたい。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトは、日本列島の弥生・古墳時代、中国の新石器時代後半期から商・周代、およびブリテン島南部の青銅器時代から鉄器時代における社会の複雑化と国家形成の過程を考古学によって解明することを目的とする。殊に本研究は、個人の思考と行動が如何に構造化され、その原理が変容していったかというミクロな視点から分析を行い、従来のマクロな視点からの分析に加えて、より多視覚的、重層的かつ総合的に社会の複雑化の過程を解明することを目指す。具体的には日本列島、中国黄河流域、ブリテン島の前国家社会の複合性の増大過程と国家形成のメカニズムのモデル化と相互比較を行い、「広域にわたる人間集団の秩序はなぜ可能となり/必然化し、なぜ揺らぐのか」という問いに答えることを通じて、このような目的を達成する。これまでに、日本列島弥生時代・古墳時代、中国新石器時代後半期から商・周代における社会の複雑性の増大過程を、集落システムにおける中心-周辺構造の生成と集落内構造・集落間関係の成層化の観点、葬送システムにおける埋葬施設・関連構築物、副葬品等の水平的・垂直的差異の拡大の観点から検討し、モデル化した。また、両地域・時期、またブリテン島青銅器時代・鉄器時代における祭祀システムの通時的変遷を、前者においては動植物表象と人物表象の共存関係が形成する構造の変遷、後者においては祭祀における指向性の変遷の観点から検討しモデル化した。現在、これらそれぞれの時間的変遷の相互関係と相関性を集約的に分析中である。また、物財・情報・人の交換、交流・流通システムの空間的拡大とメカニズムの変遷をネットワーク的観点からそれぞれの地域において分析、モデル化する作業に着手しており、今後、社会成層化のプロセスとの時間的相関性を検討することにより、より包括的な分析目標への接近を達成する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究プロジェクトでは、日本列島の弥生・古墳時代、中国の新石器時代後半期から商・周代、およびブリテン島南部の青銅器時代から鉄器時代における社会の複雑化と国家形成の過程を解明することを目的としている。初年度のパイロット資料収集・調査成果にもとづいて選定された資料の本格的な分析・検討を昨年度・本年度に予定していたが、新型コロナ感染拡大のため計画の変更と規模縮小を余儀なくされた。実地踏査と資料収集分析は、ブリテン島調査と台湾中央研究院所蔵中国資料の資料収集が本年度末にようやく実現した。しかしながら、二次資料に基づく資料分析を進行させ、比較作業とモデル化作業を進めた結果、全体としては、解明目標への接近は、モデル構築の点で順調に進展したといえる。これまでに、日本列島弥生時代・古墳時代、中国新石器時代後半期から商・周代における社会の複雑性の増大過程を、集落システムにおける中心-周辺構造の生成と集落内構造・集落間関係の成層化の観点、葬送システムにおける埋葬施設・関連構築物、副葬品等の水平的・垂直的差異の拡大の観点から検討しモデル化をほぼ完成させた。また、両地域・時期、加えてブリテン島青銅器時代・鉄器時代における祭祀システムの変遷についてもモデル化を順調に進めた。これらに加えて、本年度は、人・物財・情報の交換と分配・流通に関する広域ネットワークの生成についての分析・モデル化に着手することができた。最終年度にこれらの成果の統合を、それぞれのシステム、項目における変化のリズムと相関関係、そこに見出される因果性の観点から行うならば、「広域にわたる人間集団の秩序はなぜ可能となり/必然化し、なぜ揺らぐのか」という問いに答えることが十分に可能である。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究プロジェクトでは、日本列島の弥生・古墳時代、中国の新石器時代後半期から商・周代、およびブリテン島南部の青銅器時代から鉄器時代における社会の複雑化と国家形成の過程を解明することを目的としている。これまでに、日本列島弥生時代・古墳時代、中国新石器時代後半期から商・周代における社会の複雑性の増大過程を、集落システムにおける中心-周辺構造の生成と集落内構造・集落間関係の成層化の観点、葬送システムにおける埋葬施設・関連構築物、副葬品等の水平的・垂直的差異の拡大の観点から検討しモデル化をほぼ完成させた。また、両地域・時期、加えてブリテン島青銅器時代・鉄器時代における祭祀システムの変遷についてもモデル化を順調に進めた。これらに加えて、本年度は、人・物財・情報の交換と分配・流通に関する広域ネットワークの生成についての分析・モデル化に着手することができた。しかし、構築したこれらのモデルの検証を現地踏査・資料調査によって行うことはここまで不十分であった。最終年度には海外調査は予定していなかったが、精選した資料のピンポイント調査を計画に組み込み、モデル化成果の統合(それぞれのシステム、項目における変化のリズムと相関関係、そこに見出される因果性の解明)に合わせて実行することで、「広域にわたる人間集団の秩序はなぜ可能となり/必然化し、なぜ揺らぐのか」という問いに実証的に答えることとする。また、この複雑かつ労力を要する作業の進捗を確実なものとし、またその成果の客観性・共有性を担保するために、研究打ち合わせミニ・ワークショップを定期的に開催するとともに、公開総括ワークショップを開催する。
|
Report
(3 results)
Research Products
(2 results)