Project/Area Number |
20H01393
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 04020:Human geography-related
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
佐藤 正志 静岡大学, 教育学部, 准教授 (00599912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 洋介 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (10646699)
梶田 真 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (40336251)
杉浦 真一郎 名城大学, 都市情報学部, 教授 (50324059)
栗島 英明 芝浦工業大学, 建築学部, 教授 (80392611)
美谷 薫 福岡県立大学, 人間社会学部, 准教授 (50782968)
畠山 輝雄 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (20508741)
久井 情在 国立社会保障・人口問題研究所, 人口構造研究部, 主任研究官 (10832058)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | ローカルガバナンス / 狭域自治 / 広域自治 / 政府間関係 / リスケーリング / ローカル・ガバナンス / 広域化 / 狭域化 / 多層化 / 地方自治 / マルチスケール・ガバナンス / 広域連携 / 市町村合併 / マルチスケールガバナンス |
Outline of Research at the Start |
本研究は、現在の地方圏における地方自治を取り巻く代表的な課題である財政、地域振興、医療・福祉、公衆衛生、社会教育といった分野を対象に、広域化・狭域化・多層化といった様々な圏域の設定を通じた対処の実態とその成果・課題を解明する。個別分野から得られた知見に基づき、多様化・複雑化する公共的課題に効果的に対処できるガバナンスの地理的枠組みを探索するとともに、地方自治で今日重視される「地域」を総括する概念の構築を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、いくつかの分野におけるローカル・ガバナンスの実証研究を狭域化・広域化・多層化の各セクションごとに実施した。また、事例研究を踏まえ、ローカル・ガバナンスにおける地域的枠組みの形成について、理論的研究を踏まえて見通しに関する展望を進めた。実証研究においては、いずれも関係機関への聞取りや、各関係機関の公表している運営の資料などを用いて、データ把握を進めた。 狭域化では、特に市町村合併をした自治体内部でのガバナンスについて、①社会教育分野を中心とした非営利組織間ならび非営利組織―行政間の相互連携に関する研究(佐藤)、②地理的分断条件を含む合併自治体における、地域コミュニティ制度における地区内の合意形成(前田)、③合併自治体の財政運営とその地域的配分について、歳入見通しの捉え方の差異による長期的な運営状況の実証(梶田)を実施した。 広域化では、①一般廃棄物処理およびカーボンニュートラルを中心とする気候変動対策の広域的計画策定状況を踏まえた、地域的枠組みの設定状況とその理由に関する比較分析の実施(栗島)、②新たな制度下での国民保険制度の運用における、広域化と統一に対する市町村の意向の検証とその要因に関する検討(杉浦)、③水道事業の広域的な事業統合について、実際に事業統合を達成した事例における政治過程とその比較に関する実証(美谷)を実施した。 多層化では、①定住自立圏における地域包括ケアシステムの構築における、圏域設定とその運用における市町村や地域単位での運営の特徴に関する実証(畠山)、②定住促進策をめぐる市町村と都道府県の相互関係において、両者での移住相談窓口の設置と県の出先機関による市町村の補完に関する検討(久井)を進めた。 また、いずれのセクションとも実証と並行してローカル・ガバナンスに関連する理論的な研究動向との整合性に関する検討を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は、前年度に引き続き実証研究を中心にして進めたが、前年度に実施しきれなかった現地調査(再調査)の補足調査の実施に加えて、感染拡大防止の観点から一部の分野で、ガバナンスに関連する機関への対面での聞取り調査の依頼や実施の困難が引き続いた。そのため、狭域化・広域化・多層化の各セクションおよび個人の研究テーマにおいて、複数のケーススタディに基づいた比較による共通性の考察や、事例に基づいた地域的単位の設定を論ずるための論拠や考察に到達できない状況が生じることとなった。そのため、地域的単位の現われとその要因を考察するための、継続的な事例調査の実施や、調査に協力が依頼できる機関の選定をする必要性が生じることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後については、①狭域化・広域化・多層化の各セクションにおける地理的枠組みの設定の特徴に向けた、実証研究に向けた補足・追加調査の実施、②ローカル・ガバナンスをめぐる理論的検討と事例研究の接続、③事例調査を位置づけるための全国的動向のデータベース作成と分析の継続、を進める必要がある。 ①については、昨年度・本年度実施した実証研究をもとに、補完調査により完成を目指す。具体的には、異なる規模の自治体が合併した自治体での社会教育に関わる聞取り調査の実施(佐藤)、合併後の政策過程における当事者の認識に関する聞取り調査の実施(梶田)、広域合併した自治体の、規模や地域条件の差異に応じた補足情報の把握(前田)、一般廃棄物処理および気候変動対策における広域化への取り組みを進める自治体と、取り組みが遅れる自治体間の要因の比較(栗島)、国による国民健康保険の運営指針変更に伴う、都道府県統一化の具体的な指標となる医療費水準反映係数の把握(杉浦)、県内自治体での水道事業の再編への対応と広域化に対する自治体間の差異に関する検討(美谷)、定住自立圏内に存在する複数市町村間の運営体制の比較(畠山)、異なる仕組みの窓口を取った市町村への聞取りとその要因の把握(久井)といった点を進める。 ②については本年度までに実施したヨーロッパを中心とするローカル・ガバナンスに関する理論的研究について、①の成果と連動させて日本における出現形態の特徴と、その要因を照らし合わせて修正を図ることを目指す。特に本研究ではその出現する地理的枠組みに焦点を置くことから、スケール等の地理学の理論的動向を踏まえた議論を進める。 ③については、個別の実証研究を、全国動向の中で定位する作業を実施する。なお、全国動向に関しては、統計や既往の公表資料のみで把握できないものもあるため、データベース整備を実施するなどの方策も検討する。
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