Elucidation of cormorant fishing as cultural system and co-creation of optimal inheritance route in the era of animal welfare.
Project/Area Number |
20H01413
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 04030:Cultural anthropology and folklore-related
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
卯田 宗平 国立民族学博物館, グローバル現象研究部, 教授 (40605838)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥7,280,000 (Direct Cost: ¥5,600,000、Indirect Cost: ¥1,680,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 鵜飼文化 / 文化伝承 / 生態環境 / 技術 / 動物利用 / 鵜飼 / 知識 / ドメスティケーション / 民俗学 / 生き物文化 / 日本列島 / 物質文化 / アユ / 最適継承ルート |
Outline of Research at the Start |
本研究は、日本各地の鵜飼を対象とし、その技術や歴史に関わる民俗誌的記述と動物利用をめぐる課題検討を通して、日本の鵜飼文化の全体像を明らかにし、そのうえで各地の鵜飼関係者らとともに文化継承のための道筋を検討することである。ここでいう鵜飼文化とは、その技術や歴史、物質文化、組織と制度、観光事業、河川環境、食文化、信仰を含んだ概念である。本研究では、鵜飼という文化事象を単に技術だけでなく、物質文化や組織、環境をも含めたシステムとして捉える。また、「最適継承ルート」の検討とは、各地が直面する課題を考慮しながら当事者とともに現場に最適な継承の道筋を探ることである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、日本各地の鵜飼に関わる技術や知識、物質文化、歴史資料をめぐる調査を実施するとともに、これまでの研究成果を整理することで1500年の歴史をもつ鵜飼の年表作成などもおこなった。具体的には、日本の鵜飼でしかみられないウミウの捕獲技術に関わる現地調査の実施と歴史資料を整理し、日本各地のどの場所でいかに捕獲され、どのように飼い慣らされてきたのかをまとめた。また、鵜飼が描かれたり、模られたり、記されたりした資料(絵画や埴輪、文字資料など)を整理し、古墳時代から現代まで続く鵜飼の日本史を整理した。そのうえで、造形と文字記録、絵画でそれぞれ最古の作例を確認したほか、(1)野生個体の捕獲は平安の時代からおこなわれていたこと、(2)鵜飼を描いた多様な絵画が数多く残されていること、(3)近世期になると権力者の庇護のもとで続く鵜飼があったこと、(4)戦後の漁業法改正や高度経済成長期の水質悪化などで零細な鵜飼が一気に衰退したことなどを明らかにした。こうした一連の成果は編著『鵜飼の日本史』(仮)でまとめる予定である。このほか、本年度は鵜飼研究の成果をAdaptive Strategies of Cormorant Fishers in Response to Decreased Fishing Area. Global Ecology in Historical Perspective (K.Ikeya and W.Balee eds.,Springer, 2023.03)において発表したほか、国立民族学博物館において写真・映像展「現代中国を、カワウと生きる―鵜飼い漁師たちの技」(2022年6月30日-8月2日)の開催を通して一般にも公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィールド調査を再開し、その成果を当初の予定通りに論文や単著、編著として刊行することができた。また、一連の鵜飼研究の成果を写真・映像展として一般に公開することもできた。以上のことから「おおむね順調」と判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の研究では、当初の予定通り日本各地の鵜飼を対象とした広域調査を実施し、その成果を踏まえながら地域間比較の視点で技術の共通性と相違性、違いが生まれる要因を検討する。
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Report
(3 results)
Research Products
(17 results)