Project/Area Number |
20H01459
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 06010:Politics-related
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
徳久 恭子 立命館大学, 法学部, 教授 (60440997)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 康史 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (00323238)
佐々木 幸寿 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (20432180)
待鳥 聡史 京都大学, 公共政策連携研究部, 教授 (40283709)
砂原 庸介 神戸大学, 法学研究科, 教授 (40549680)
市川 喜崇 同志社大学, 法学部, 教授 (60250966)
川上 泰彦 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (70436450)
本多 正人 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (90282623)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2020: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
|
Keywords | リスケーリング / 教育行政 / 分権化 / 再集権化 / 政府間関係 / 政治化 / 準市場化 / 教育委員会 / コミュニティ / 広域化 / 狭域化 / 広域自治体 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、日独英米の教育政策の比較を通じて、福祉国家再編期にリスケーリング(政府間関係・行政単位の再編)が進んだ理由、それが公共政策に与える影響、とりわけその影響を強く受けている広域自治体(日本では都道府県)の意義を検討することを目的とする。 リスケーリングに主眼をあてる本研究が、教育を対象とするのは、それが福祉国家を象徴する政策である一方、近年は、分権化と再集権化、市場化、政治化といった変化に晒される領域だからであり、公共政策における行政単位の適正さを問う上で、有効な政策領域といえるからである。ここで得られた知見は、学術研究のみならず、実務の面でも十分な意義をもつと考える。
|
Outline of Annual Research Achievements |
産業構造の転換により明らかになったケインズ主義的福祉国家の機能不全を克服するために,各国で実施されている公共政策におけるリスケーリング(政府間関係・行政単位の再編)の実態とその帰結の解明を試みるために,本年度は理論研究を一層進めた。なかでも日本ではあまり採択されない準市場化と最小単位への権限移譲(コミュニティや学校)を進めるイギリスのリスケーリングを検討し,かつ,調査をすることで,比較の枠組みを得ることができた。 学校教育を例に日英比較を行うと,日本にはイギリスにない行政単位が鍵となることが改めて確認できた。そこで,2022年度は日本特有の教育行政単位である都道府県教育委員会の支所,すなわち「教育事務所」を対象にアンケート調査(悉皆調査)を実施した。支所の位置づけの問題もあってか回収率は31.05%にとどまった。実数は59票(調査対象190団体)にとどまるため,一般化は難しいものの,回答に一定の傾向が見られることから,2020年実施の都道府県教育委員会調査,2021年度実施の市区町村教育委員会調査とあわせて分析することで,日本の教育行政におけるリスケーリングの特性把握ができるデータをそろえることができた。具体的な分析は次年度の課題となる。 ところで,日本にも準市場化や最小単位への権限移譲をなそうとする試みは見受けられる。一例が都市内分権であり,地域自治区等がそれにあたる。だがそうした試みは十分に機能していないように思われる。それを明らかにするために,2020・21年度に上越市を対象に行ったアンケート調査の分析を続けた。その結果,「住民自治」神話(決定への過剰な期待)がもたらす代表性の偏りに問題があるとの仮定を得られた。この解明が次年度以降の課題となる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は,COVID-19による行動制限や海外渡航制限が課された時期に採択されたことからヒアリング調査の実施や海外調査が難しい状況にあり,研究の進捗が遅れていた。本年度(2022年度)は,予算の繰越承認が得らえた2023年9月にイギリス調査が適い,比較の視座をえることができた。日本の事例研究については,教育政策に関する基本データが揃ったのみならず,コミュニティ政策については成果発信もできている。以上のことから「おおむね順調に進んでいる」と評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度は3つの研究の柱を置く。1つ目は過去に行った都道府県教育委員会・教育事務所・市区町村教育委員会へのアンケート調査の分析を進め,教育政策におけるリスケーリングの実態把握に努める。 2つ目はリスケーリングの促進要因を明らかにすることにある。このために1990年代以降に行われた広義の政治改革の特徴を把握し,それらがどのような影響を与えたかを複次元的に確認する。 3つ目はこれまでユニットごとに進められていた研究を統括し,本研究プロジェクト全体としての研究成果の発信に努めたい。
|