Project/Area Number |
20H01464
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 06020:International relations-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
五百籏頭 薫 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (40282537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 智生 沖縄国際大学, 総合文化学部, 准教授 (30508875)
松居 宏枝 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 都市文化研究センター研究員 (40837366)
福岡 万里子 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (50740651)
大西 楠テア 専修大学, 法学部, 教授 (70451763)
稲吉 晃 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (70599638)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,810,000 (Direct Cost: ¥13,700,000、Indirect Cost: ¥4,110,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2020: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
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Keywords | ドイツ / 米国 / 薩摩 / 長州 / 条約改正 / 開国 / 居留地 / 検疫 / 港湾 |
Outline of Research at the Start |
日清戦争頃までの明治日本の内政と外交の全体像を、米国モデルを受容する薩派から、ドイツモデルを受容する長州派への交代として構成することを試みる。当時、極東はパクス・ブリタニカの下にあったが、だからこそ、好ましい小さな変化を起こすためにどの国を二番手とするかが重要な選択であったという想定に基づく。 藩閥や〇〇モデルといった概念は近年の細密化した実証研究からは粗雑と見なされかねず、これに応答するためには従来、研究が手薄であった日本の国家形成へのアメリカの影響、ドイツの外交的役割、薩派の活動とその衰退といったテーマでそれぞれ新知見を獲得しなければならない。それが可能なチームで研究を遂行する。
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Outline of Annual Research Achievements |
新たに研究協力者も加えて史料調査及び研究会を重ね、その成果を日本政治学会の機関誌『年報政治学』2022-II号の特集「幕末・明治期の国際関係再考」として世に問うことができた。個別の研究の並立ではなく、この研究計画の蓄積を活かしたきわめて凝集性の高い共同研究となったことは、代表者による「はじめに」が各章の紹介ではなく、各章の内容を盛り込みつつ、日独関係・日独比較と開港行政・府県行政に着眼した、明治時代についての論考となったことからもうかがえる。日本政治学会としては歴史研究を主題とした久方ぶりの特集であり、歴史学及び政治学に与えたインパクトや両者のシナジー効果への貢献は大きかったと考える。 それに前後して、研究計画に沿った豊かな成果が代表者・分担者によって生み出され、日本語・英語・ドイツ語で発信された。福岡がドイツ語圏の史料と英語の史料を融合した幕末国際関係史・経済史の研究を進め、市川が検疫、稲吉が港湾、松居が衛生について重要な成果を挙げた。市川の研究は沖縄県の通史に感染症の観点から貢献した。稲吉『港町巡礼:海洋国家日本の近代』が交通協力会の交通図書賞(第3部 歴史)を受賞したのは嬉しいニュースであった。大西がドイツ法制史・法学史の知見を活かして中央・地方関係についての研究を深め、他のメンバーの日本史研究に刺激を与えた。 これらの成果を得た背景には、新型コロナの感染が下火となり、史料調査や学術交流が復活しつつあったことがある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
代表者・分担者ともに調査と研究を順調に進め、その業績は高い評価を得た。さらに、本研究計画の研究組織が日本政治学会年報の特集を任され、刊行に至ったことは学界に大きなインパクトを持つことであったと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
感染状況を見極めながら、これまでできなかった史料調査を補完し、研究計画の完成を目指す。海外出張の実施が感染拡大のため遅延し、繰り越し等の工夫は行ったものの、最終年度の状況は出張の需要は極めて大きく、残額は非常に限られているという状況である。代表者・研究者間の予算配分は難しい決断の積み重ねとならざるを得なかった。貴重な予算をこれまで以上に有効に活用していきたい。
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