Project/Area Number |
20H01498
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07040:Economic policy-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
馬 岩 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (10403221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 洋一 慶應義塾大学, 商学部(三田), 教授 (20743719)
朱 連明 大阪大学, 社会経済研究所, 准教授 (60770691)
古澤 泰治 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (80272095)
荒 知宏 福島大学, 経済経営学類, 准教授 (80648345)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | グローバルサプライチェーン / グローバリゼーション / 研究開発 / グローバリゼイション |
Outline of Research at the Start |
グローバリゼーションに伴って、財やサービスの生産プロセスが世界各国に分割され、地球規模での分業体制(グローバルサプライチェーン)が形成されている。一方で、企業の研究開発は国の経済成長を支えている。本研究はグローバリゼーションによるグローバルサプライチェーンの形成が企業の研究開発に与える影響を理論的・実証的に精査し、逆に企業の研究開発がグローバルサプライチェーンの変化にどのような影響を及ぼすか分析する。特に、発展段階や知的財産権の整備の国際的差異がグローバルサプライチェーンの形成および企業の研究開発に与える影響を分析できる新たな理論的アプローチを生みだし、データを用いて検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
(1)グローバルサプライチェーンの深化が企業の研究開発に与える影響 まず、輸入と輸出を同時に行っているグローバル企業が経済厚生に果たしている役割を考察した。輸入と輸出の存在が貿易利益を増幅するための条件を明確に示した上で、 この条件が成立する場合には最も効率的なグローバル企業への資源の再配分を通じて、貿易自由化が経済厚生に標準的な影響よりも強い影響をもたらすこと示した。次に、企業財務データから価格及び賃金マークアップを推計する手法を開発し、グローバル化による企業の価格・賃金支配力の変化を分析した。また、外国直接投資の規制緩和を利用し、外国直接投資が企業立地と産業集積に及ぼす影響について研究した。分析の結果、外国直接投資は産業集積に負の影響を与えることが明らかになった。外国直接投資の競争効果を検証して、競争効果のメカニズムのさまざまな証拠が見つかった。 (2)企業の研究開発がグローバルサプライチェーンに与える影響 まず、グローバル・バリュー・チェーンの深化が世界各国の労働市場や所得に与える影響を分析した。また、それらの影響をロボットやAIが労働市場に与える影響と比較し、これまでのところ、グローバル・バリュー・チェーンの進化がロボットやAIを上回る影響を市場に与えていることを明らかにした。他に、ハイテク製品やデジタル財などの価格設定が高い市場において、生産企業の生産関数、生産性、および価格設定の推定手法を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
最初の半年は、新型コロナウイルス感染症の影響で海外の協力者との対面打合せができず、研究の進展が予定よりも遅れた。さらに、国内外の学会が相次いで中止や延期になり、研究報告の機会を失ってしまった。その上、計画していた対面コンファレンスも延期になり、海外の研究者との交流も困難になった。後半においては、コロナの状況が改善したため、大学内でのコロナ対策に伴う業務が減少し、研究時間が増加した。また、年度末に対面打ち合わせができたこともあり、研究の遅れは一定程度埋め合わされている。
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Strategy for Future Research Activity |
具体的には、グローバルバリューチェーンの進展が世界各国の所得のボラティリティに与える影響を、定量的に分析する。また、米中デカップリングがもたらすサプライチェーンの分断など具体的に懸念される事項の影響も分析する。他に、海外直接投資が地場企業の生産性に与えた影響を検証する。特に、昨年度計算した地場企業と外資企業間の研究開発技術者の技術的な距離を測る指標を用いて、海外直接投資の規制緩和が地場企業の生産性に与えた影響を分解して、技術的なつながりと競争的な影響について分析する。さらに、企業の生産性だけでなく、イノベーション、特許など多数の企業への波及効果も分析する。
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