不登校経験者が通う“新しいタイプの高校”での教育と支援-3つの移行と教師の変容
Project/Area Number |
20H01679
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
伊藤 美奈子 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (20278310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相馬 誠一 東京家政大学, 大学院, 客員教授 (20299861)
新井 肇 関西外国語大学, 外国語学部, 教授 (60432580)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥8,840,000 (Direct Cost: ¥6,800,000、Indirect Cost: ¥2,040,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 不登校 / 高等学校 / 通信制 / 新しいタイプ / 新しいタイプの高等学校 / 通信制高校 / 新しいタイプの高校 / 転学 / 非認知能力 / オンライン / コロナ禍 / 移行支援 / 教師の変容 |
Outline of Research at the Start |
「教育機会確保法」の施行により、不登校の進路も多様に広がりつつある。とりわけ高等学校は、定時制・通信制高校も多様化し、不登校経験者の高校進学率も上がっている。 そして、こうした新しいタイプの高等学校では、教育にもさまざまな工夫が求められる。本研究では、その中から「生きる力」に直結する非認知能力の育成や心理的な支援に力を入れた教育内容に注目し、その実際と成果について明らかにしたい。 その際、義務教育から高校への移行(入口)、高校から社会への移行(出口)、そして高校から高校への移行(転学)という3つの移行の際に、どのような支援を行えば高校生活を完遂し社会的自立に向かえるのかについて明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2021年度分を繰り越し、実施した今年度は、2つの研究を行う予定であった。一つは、義務教育から高校への“移行”に対する支援に関する研究で、通信制A高校を対象とした研究である。(目的と方法)中学校にほとんど登校しなかった生徒にとって,高校入学というハードルは高い。“新しいタイプの高校”では,そのハードルを越えるためのさまざまな仕組みが用意されている。本研究では,A高校で行われている“事前登校プログラム”について参与観察を行い,その後の高校生活や出席状況等を対象に「不安を抱えやすい参入移行段階に,どのような支援をすればスムーズに高校生活に継続できるか」を明らかにする。ここでいう事前プログラムというのは、高校入学が決まった直後から行われるプログラムで,高校という新しい環境に慣れるための研修や体験授業などのサポートが主な内容である。(結果)コロナ禍により予定通りに調査は進まなかったが、追跡調査を行ったデータについては分析中である。 もう一つは、ネット上での活動を主とする通信制高校に調査を依頼した。内容を説明し、学校としての取り組みの検討を求めたが、結果的には実施に至らなかった。春休みに、個別に依頼した50人弱のデータについて、現在、分析を進めている。 2021年度分を繰り越し実施した研究については、予定の調査実施は以下に挙げるような理由で難航したが、その成果の一部については、不登校の当事者や一般の子どもたちに向けた 著書(伊藤監修「「学校」ってなんだ?-不登校について知る本」Gakken)や論文(伊藤「不登校の子どものこころとその支援」教育相談研究;伊藤「不登校への対応-教育機会確保法に基づく不登校支援の在り方-」指導と評価)にまとめることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍による調査の制約や、対象高校の組織替えによる事情の変更などが重なり、調査が予定通りに進まなかった。新たに別の通信制高校にも調査の依頼を行ったが、長考した末に、学校として調査は行えないという結論となり、実施が見送られた。こうした事情により、研究の予定はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
新しいタイプの高校に対し、現地での聞き取りや在籍高校生を対象とした調査を実施し、不登校経験を持つ生徒に対する新しいタイプの高校の成果と課題についてさらに考える。大規模調査(アンケート)は、学校事情により実施が難しいケースが続いたため、今後は、いくつかの新しいタイプの学校(通信制高校や定時制高校、多様なコースを持つ全日制高校、ネット上での教育活動を行う高校など)を抽出し、見学(フィールドワーク)や聴き取りなどを組み合わせ、実態調査を行うとともに、こうした結果を1冊にまとめる。この著書では、不登校中学生が自らの進路を考える際の一つの進路資料となるような1冊を目指したい。あと、新しいタイプの高校では、高等教育機関に進む生徒が増える一方で、その後の人生を生きていくためにも就労を見据えた支援も重要である。学力や適応に課題を抱えた生徒の就労支援に力を入れている私立高等学校を対象に、フィールド調査を行うことで、社会への“移行”の意味についても考えたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)