Project/Area Number |
20H01958
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17010:Space and planetary sciences-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今村 剛 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (40311170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 紘基 京都産業大学, 理学部, 助教 (00706335)
野口 克行 奈良女子大学, 自然科学系, 助教 (20397839)
神山 徹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究チーム長 (40645876)
小郷原 一智 京都産業大学, 理学部, 准教授 (50644853)
杉山 耕一朗 松江工業高等専門学校, 情報工学科, 准教授 (60463733)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2020: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
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Keywords | 惑星大気 / 金星 / 火星 / 電波掩蔽 / メソ気象 / 大気重力波 / 数値シミュレーション / 大気 / メソスケール / 数値モデル / 対流 / 重力波 |
Outline of Research at the Start |
電波ホログラフィを火星と金星の1000セットを超える電波掩蔽データに適用する。従来の手法ではとらえられなかった微細構造、たとえば対流プルームが安定層を押し上げる不連続面、地表近くの超安定層、短鉛直波長の重力波、その砕波が作る極薄の乱流層などの分布を明らかにする。また発生条件を明らかにするため光学観測データを用いて背景場を把握する。幅広いパラメータ条件で数値実験を行うことにより、大気密度が大きく異なる火星と金星の違いや、様々な高度で生じる対流層の違いを調べる。
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Outline of Annual Research Achievements |
電波掩蔽解析の新手法である「電波ホログラフィ」を金星探査機あかつき、Venus Express、火星探査機Mars Global Surveyorの大規模なデータに適用し、これまでにない高鉛直分解能で惑星大気の大気構造を明らかにしてきた。短鉛直波長の重力波、その砕波が作る極薄の乱流層、対流プルームが安定層を押し上げる不連続面、地表近くの超安定層などのグローバルを明らかにした。火星の電波掩蔽観測データから極夜域における気温の鉛直分布を試験的に導出し、重力波によると思われる擾乱構造を抽出したうえで、CO2過飽和や大気安定度との関連を調べた。 平行して金星探査機・火星探査機による画像データの解析を進め、金星大気の熱潮汐波の構造、金星大気温度の長期変動、火星のダストストームや氷雲と周囲の気象場の関係を明らかにした。観測データ解析と平行して、山岳波を計算可能な地形に沿った座標系を採用した不等間隔格子用計算モジュールを開発し、汎惑星大気雲解像モデル deepconv (https://gfd-dennou.org/arch/deepconv/) への組込を行った。金星大気の条件で計算を行い、山岳波を再現できることを確かめた。幅広いパラメータ条件で数値実験を行うことにより、惑星ごとの大気密度などの違いがこれらの大気現象にどのような違いをもたらすのかを議論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
金星探査機あかつき、火星探査機Mars Global Surveyorの電波掩蔽データを新たな手法で解析し、短鉛直波長の大気重力波、その砕波が作る極薄の乱流層、地表近くの超安定層などの分布を明らかにした。 金星の電波掩蔽データを用いて、気温と電波強度の鉛直分布を導出し、重力波の固有周期や水平波長などの推定を行った。さらに金星の雲層高度から上下両方に鉛直伝播する熱潮汐波を抽出した。 火星の電波掩蔽観測データから極夜域における気温の鉛直分布を試験的に導出し、重力波によると擾乱構造を抽出したうえで、二酸化炭素の過飽和や大気安定度との関連を調べた。 金星探査機あかつき搭載の中間赤外カメラLIRの長期観測データをを用いて、熱潮汐波の位相や鉛直波長を推定した。観測期間を通じてLIRのデータには温度ドリフトが見られていたが、これをキャンセルするキャリブレーションに成功した。 火星探査機Mars Global Surveyor搭載のMars Orbiter Cameraによる可視画像を用いてダストストームを検出し、大気環境との相関を調べたところ、火星北半球では北半球冬期に発生する傾向があり、傾圧波動の暖気中で発生する傾向にあることが分かった。同地域には風下山岳波起源の波状雲が多発することもわかった。周囲の大気の温度や風速の鉛直構造から、そのような波状雲は高度10km以下の束縛されていることが明らかになった。 これらの実データ解析を両輪をなす数値モデル開発として、山岳波を計算可能とするために、地形に沿った座標系を採用した不等間隔格子用計算モジュールを開発し、汎惑星大気雲解像モデル deepconv への組込を行った。地球条件でベンチマークテストを実行し、妥当な結果が得られることを確認した。金星大気を模した温度圧力条件を与えた計算を行ったところ、山岳波の性質を表す波の発生が確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
電波掩蔽データ解析の自動化を進め、より多くのデータを統計解析することにより、対流層や重力波の全球分布と地域・季節・地方時への依存性を明らかにする。また、火星については山岳波の励起と鉛直伝播の背景場依存性を明らかにする。金星の電波掩蔽データから熱潮汐波による角運動量輸送量を定量し、金星大気スーパーローテーションへの熱潮汐波の寄与を評価する。金星大気の硫酸蒸気混合比の分布についても結果をまとめる。 金星大気の電波掩蔽データからの重力波の抽出を進め、過去の光学的観測で得られている大気重力波パラメータとも比較のうえ、金星大気においてどのような大気重力波が卓越しているかを明らかにする。 中間赤外カメラと電波掩蔽データを組み合わせ、数値計算と比較することにより、金星大気中の熱潮汐波の3次元構造や伝搬の様子が3次元的に推定する。同様の解析を時間方向にも拡張し、金星・火星に存在する波動の時間変化の様子をとらえることで、それらが大気の変動に与える影響を考察する。 火星のArcadia平原西部の傾圧波動のモードが地表近くにトラップされることに注目し、数値モデルを用いて当該地域当該季節の大気を調査する。さらに、同緯度の別地域や同地域の別期間も対象にダストストームの発生と傾圧波動の位相の関係を確認する。 数値モデルの高度化として、雲解像モデル deepconv に対して、計算効率の向上のための改良と、金星・火星の地形を導入するためのモジュール開発を行う。幅広いパラメータ条件で数値実験を行うことにより、大気密度が大きく異なる火星と金星の違いや、様々な高度で生じる対流層の違いを調べ、小スケールだが本質的な役割を担うと考えられるこれらのメソスケール過程が大規模な大気構造に与える影響を解明する。
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