Verification of wind-induced instabilities of structures against future super typhoons
Project/Area Number |
20H02232
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22020:Structure engineering and earthquake engineering-related
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
八木 知己 京都大学, 工学研究科, 教授 (30293905)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 恭平 京都大学, 工学研究科, 助教 (70802685)
松宮 央登 京都大学, 工学研究科, 准教授 (70516640)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥16,380,000 (Direct Cost: ¥12,600,000、Indirect Cost: ¥3,780,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2020: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
|
Keywords | 耐風安定性 / 空力振動 / 長大橋 / 数値風洞実験 / 風洞実験 / 渦励振 / フラッター / 橋梁 / 高欄 |
Outline of Research at the Start |
将来の気候変動に伴って、台風が巨大化し想定外の強風が構造物に作用する状況が予想される。新規構造物のみならず既存構造物においても、より精緻に耐風安定性を照査する必要性が高まると考えられ、従来の風洞実験法の精緻化のみならず数値風洞実験法の確立が急務の課題である。さらには、空力振動現象が発現する風速よりも高風速域における橋梁構造物の応答挙動も不明な点が多い。本研究では、来る巨大台風来襲時代に向けて、橋梁構造物におけるより合理的で精度の高い耐風性照査法を確立すること、ならびに想定外の強風が作用した際の空力振動現象の解明を目的としている。
|
Outline of Annual Research Achievements |
想定外の強風下における構造物の耐風安定性をより精緻に評価する方法の確立を目的として、以下の3種類の検討課題について研究を実施した。その成果を列記する。 1)構造細部が空力振動特性に及ぼす影響の解明:橋梁の高欄が桁の渦励振に及ぼす影響について検討した。その結果、高欄縦部材数を増加させると閉塞的な効果から渦強度を増大させ渦励振応答を大きくする効果がある一方、中間横部材数の増加は最上部横部材からの剥離に干渉し、応答を小さくする効果があることが明らかとなった。この違いは部材から放出される渦の軸の向きが異なることによるものと推察される。塔構造物における隅角部の形状や迎角を変化させることで、カルマン渦放出を抑制すると、自己励起渦とギャロッピングの干渉が発生することが明らかとなった。しかし、まだ発現風速の変化を完全に説明するには至っておらず、他の要因が存在する可能性が示唆された。スパイラル突起付きのケーブルにおいて、抗力低減のメカニズムを表面圧力分布から説明することに成功した。 2)数値実験と風洞実験における構造細部のモデル化に関する検討:高欄の最上段横部材と地覆のみを再現し、中間部を多孔質体でモデル化することで、静的空気力に加えて、鉛直たわみ振動ならびにねじれ振動の非定常空気力を数値流体解析で再現可能であることが明らかとなった。したがって、本モデルを用いて渦励振ならびにねじれフラッター等の現象を数値流体解析でシミュレーションできる可能性が示唆された。 3)発現風速よりも高風速域における空力振動現象の解明:断面辺長比1,2,5,15の矩形断面を用いて、各種フラッター現象の発現風速よりも高風速域における大振幅定常応答の時刻歴解析を行い、相対迎角速度を考慮した空気力モデルと準定常空気力モデルによる応答の差異を考察した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、当初、1)構造物の微細部のモデル化に着目した数値実験法と風洞実験法の検討と2)高風速域における空力振動現象の把握という大きく分けて二つのテーマを中心に検討進めていたが、1)の分野で当初の予定以上の成果があがっている。高欄の細部の空力振動現象への影響や数値流体解析を実施する上でのモデル化の検討のみならず、塔構造物における隅角部の形状を変化させることで渦放出特性を制御し、渦とギャロッピングの関係を解明する研究やケーブル構造物の表面形状が空力振動特性に及ぼす効果に関する研究において、新しい知見が多数得られている。従って、研究はおおむね順調に進展しているといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度は以下の3種類の検討課題ならびに研究全体の取りまとめを実施する予定である。 1)構造細部が空力振動特性に及ぼす影響の解明:橋桁における渦励振の発生メカニズムは、鉛直たわみ応答とねじれ応答では基本的には同じはずであるが、高欄細部の効果の現われ方に差異があることが判明した。本年度はこの理由を解明すると共に、高欄細部と渦励振応答との関係を結論付ける予定である。塔構造物における隅角部の形状を変化させて、渦放出を制御し、ギャロッピングとの干渉現象の解明を行うと共に、ギャロッピングを準定常的に説明できないケースについても、より詳細に検討する予定である。また、スパイラル突起付きのケーブルにおける抗力低減と空力振動の抑制効果を総括的に取りまとめる予定である。 2)数値実験と風洞実験における構造細部のモデル化に関する検討:数値流体解析(CFD)において、高欄の最上段部材のみを再現し、他の部材を多孔質体といった簡易的なモデルに置き換えることで、渦励振やフラッターの耐風性を照査することに成功したが、その理屈をCFDならびに風洞実験を用いて解明する予定である。 3)発現風速よりも高風速域における空力振動現象の解明:連続回転中の物体に作用する空気力から、物体の振動時における相対迎角と相対迎角速度で定義した空気力を求め、高無次元風速域における3自由度大振幅応答を説明できるかどうか時刻歴応答解析を用いて検討してきた。本年度は、エネルギー的な観点も加えて空力不安定性の定常応答振幅の評価を行う他、物体の回転中の空気力と振動中の空気力の差異を実験ならびに解析的に解明する予定である。さらには、本研究結果を用いて新しい耐風性照査法についても提案を行う予定である。
|
Report
(3 results)
Research Products
(22 results)