気候変動への段階的適応のための河道地形・植生の中長期動態予測
Project/Area Number |
20H02257
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22040:Hydroengineering-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
戸田 祐嗣 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60301173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾花 まき子 中部大学, 工学部, 准教授 (10447831)
椿 涼太 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (80432566)
周 月霞 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (10974339)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2020: ¥8,450,000 (Direct Cost: ¥6,500,000、Indirect Cost: ¥1,950,000)
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Keywords | 河道内植生動態 / 河川地形変化 / 気候変動 / 中長期予測 |
Outline of Research at the Start |
河川工学分野における気候変動への段階的な適用策を構築するため,本研究では気候変動影響を考慮したうえで河道地形と植生繁茂動態を数十年(10~30年程度)の時間スケールで予測できる技術を開発することを研究目的とする。この目的を達するため,(1)過去から現在に至る河道地形・植生動態の中長期実態分析,(2)既に気候変動の影響が現れつつある近年の大規模出水後の地形・植生動態変化の実態把握,(3)数十年スケールでの河道地形・植生動態予測モデルの開発,および(4)開発されたモデルを用いて将来気候条件へ遷移していく中での段階的な河道地形・植生繁茂を予測する。
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Outline of Annual Research Achievements |
河川工学分野における気候変動への段階的な適用策を構築するため,本研究では気候変動影響を考慮したうえで河道地形と植生繁茂動態を数十年(10~30年程度)の時間スケールで予測できる技術を開発することを研究目的とする。この目的を達するため,(1)過去から現在に至る河道地形・植生動態の中長期実態分析,(2)既に気候変動の影響が現れつつある近年の大規模出水後の地形・植生動態変化の実態把握,(3)数十年スケールでの河道地形・植生動態予測モデルの開発,および(4)開発されたモデルを用いて将来気候条件へ遷移していく中での段階的な河道地形・植生繁茂を予測する。 2022年度は,過去から現在に至る河道地形および植生動態の中長期実態分析として,植生繁茂とそれに伴う河道地形の変化が生じている長良川において,1960年代から2010年代までの水位・流量データ,航空写真,河川横断測量,レーザープロファイラデータを収集し,河道地形,草本,木本別の植生繁茂状況変化等を分析し,長期的な河道地形,植生繁茂状況の変化を実証的に明らかにした。 また,長良川の実態分析に基づいて,河道地形,植生動態を予測する平面2次元浅水流・河床変動解析に植生動態モデルを統合した数値シミュレーションモデルの開発を行った。特に2022年度は,植生動態モデルの汎用化に取り組み,植生の初期侵入,洪水による破壊モデルを平面二次元流れ・河床変動モデルに組み込んだ。また,平面二次元流況解析と河床変動解析により,対象河川の冠水頻度,河床材料移動頻度解析を実施し,植生立地基盤の物理環境特性を類型化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サブテーマ(1)に関連して,長良川を対象とした過去から現在にいたる河道地形・植生動態の実証的把握を実施し,大規模な洪水前後の植生の流出特性が把握できている.人為的な植生伐採,河道掘削に関するデータも入手し,自然営力以外での植生変化に関しても実態把握が進んできている.また,数値解析のための入力地形・入力植生を整理し,解析の初期条件として活用している. サブテーマ(2)に関して,気候変動の影響が表れつつある近年の洪水前後の河床地形,植生動態の変化については,ALB測量による面的なデータを収集し,植生流出特性の詳細把握が進んできている. サブテーマ(3)の数値解析モデル開発について,植生動態モデルの開発もおおむね概成し,モデル検証のための数値計算も実施済みである. サブテーマ(4)については,将来の気象変動条件下での洪水外力の取り扱い方について,分析を開始している状況である. 以上のように,当初の予定に沿った成果が上がっており,順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度も,サブテーマ1~3の過去から現在に至る植生動態の中長期把握,近年の洪水による植生動態調査,数値モデル開発を実施する.特に本研究においては,近年の洪水前後での実測データが,植生動態の把握,モデルの検証・開発の両面で重要であることから,引き続き,サブテーマ(1),(2)の現地調査を実施し,実証データの充実をはかる. サブテーマ(3)について,近年の洪水災害の激甚化の影響により,大規模・広範囲の植生伐採や河道掘削が実施されていることから,人的な植生・河道地形管理の効果をモデルで適切に再現できているかを検証し,モデルの汎用化と実用化をはかる. 2023年度以降はサブテーマ(4)の将来気候での洪水流量変化を考慮した数値解析の実施に徐々に重点を移していくため,将来の気候変動時での洪水外力シナリオについて,現況流量に変化倍率を乗じる手法と,d4PDFの将来気象データから典型的な将来洪水波形として適切なものを選択し使用する手法の両面で数値解析を実施し,気候変動による将来の河道地形・植生動態の変化傾向を明らかにしていく予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(14 results)