Project/Area Number |
20H02304
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23010:Building structures and materials-related
|
Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
松田 和浩 名城大学, 理工学部, 准教授 (80567397)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 弘安 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (80205749)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥15,990,000 (Direct Cost: ¥12,300,000、Indirect Cost: ¥3,690,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
|
Keywords | CLT / 制振 / ロッキング機構 / 損傷制御 / フレームモデル / 木質高層建物 / ダンパー / ロッキング / 時刻歴応答解析 / 等価線形化手法 |
Outline of Research at the Start |
地球環境問題の観点で木材利用量を高める必要があり、高層の木造建物を実現・普及させることへの期待が社会的に高まっている。しかし、地震国である日本でそれを実現するには、耐震性の確保が必要不可欠である。そこで、地震時に変形しても元の状態に戻りやすく、かつ損傷が生じにくいロッキング機構と、地震時の揺れを吸収するダンパーを併用することにより、効率的に耐震性を高める手法を開発する。構造実験により開発する手法の検証を行うとともに、構造解析による検討を通して、それを建物に用いるための制振設計法も提案する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
木質高層建物の実現とその普及への期待が世界的に高まっている。しかし、木質建物の復元力特性は、スリップ型となることが多く、また、エネルギー吸収性能も低いことがわかっている。地震国である日本で、木質高層建物の耐震性を向上させることは重要である。その耐震性を効率的に向上させる手段として、ロッキング機構と各種ダンパーを併用することを提案する。ロッキング機構を適用することで、原点指向型の復元力特性を建物に付与し、かつダンパーを適用することで、建物の剛性とエネルギー吸収性能を高めるのが本提案のコンセプトである。近年急速に利用が拡大しているCLTによる木質建物を研究対象とし、建物規模は4~10層程度の高層建物を想定する。 2022年度にCLTロッキング建物の一般階架構実験を行い、実験結果の分析、CLTフレームモデルの構築と解析検討をする予定であったが、CLTロッキング架構の一般階の検討を行う上で、壁柱の挙動を評価した際に、壁柱一般部の圧縮特性を把握する必要性が判明したため、予定を変更して先にCLT壁柱一般部の圧縮試験を実施した。試験結果を整理し、圧縮応力の伝達機構を再評価した。 上述した成果をまとめるとともに柱-梁接合部の強制変形実験も行い、各試験体のM-θ関係を把握するとともに、その包絡線を評価する手法を示した。評価に際しては、2022年度の経験をもとに、CLTの要素試験を再度実施し、CLTのめり込み特性を詳細に検証することで、実験結果のM-θ関係の包絡線を概ね再現することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
自己点検による評価では「(3)やや遅れている。」と判断する。以下にその理由について述べる。 2023年度にCLTロッキング建物の一般階架構実験を行い、実験結果の分析、CLTフレームモデルの構築と解析検討を行う予定であったが、先にCLT壁柱一般部の圧縮試験を実施し、上述した実験等は2024年度に行うよう予定を変更した。また、その方針変更のために、実験結果の分析期間が延び、研究費の繰越申請も行った。 当初予定から実験計画が変更になったものの、代わりに行ったCLT壁柱一般部の圧縮試験により、CLTの圧縮応力の伝達機構を詳細に把握できるなど、重要な成果が多く得られている。その研究成果は日本建築学会の大会学術講演や、東海支部の研究集会、日本地震工学シンポジウムなどで発表した。また、それらの成果をまとめ、査読付き論文の日本建築学会技術報告集および構造系論文集に投稿中であり、達成度としては問題ない範囲と考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策は以下の3つを行う。なお、①と②は当初は前年度に実施予定であったが、前年度はCLTロッキング架構における2層部分架構の挙動を評価する際に、追加で壁柱一般部の圧縮実験が必要となったことから研究計画を変更し、前年度の予算を一部繰り越した上で2024年度に実施するものである。 ①CLTロッキング架構におけるダンパー付き柱梁接合部の強制変形実験: CLTロッキングフレームによる2層分の1層1スパン試験体を作製し、強制変形実験を行う。上下階の層せん断力の伝達について把握する。 ②CLT多層架構のフレームモデルの構築: CLTロッキング架構やダンパーを設置した場合のCLT建物の地震挙動をより精度高く検証するために、2023年度までに得られた知見をもとにして、これまで作成したフレームモデルを改良する。 ③フレームモデルを用いた各種検討: 作成したフレームモデルを用いて、一般耐震架構とロッキング架構の割合を変化させた場合、ダンパーの種類を変えた場合など解析検討を実施し、提案架構の効果を検証する。 最後に、本研究課題で得られた知見を総括するとともに、その成果を日本建築学会関連の主要論文誌に投稿する。
|