Project/Area Number |
20H02552
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 28010:Nanometer-scale chemistry-related
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
川脇 徳久 東京理科大学, 理学部第一部応用化学科, 講師 (60793792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 健二 北海道大学, 触媒科学研究所, 准教授 (20726567)
佐藤 良太 京都大学, 化学研究所, 特定助教 (80629890)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥18,200,000 (Direct Cost: ¥14,000,000、Indirect Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2020: ¥11,050,000 (Direct Cost: ¥8,500,000、Indirect Cost: ¥2,550,000)
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Keywords | 金属クラスター |
Outline of Research at the Start |
金属クラスター(多核金属集合体)は、原子精度でのサイズ制御によって、その物性が大きく変調できるという特徴を持つ。そのため、多様な新規物性の発現が期待される。ここで、バルクや比較的大きなサイズのナノ粒子などの金属において、その物性発現の根源となる電子構造の制御には、合金化は欠かせない手段である。そこで本研究は、高濃度異種元素ドープ金属クラスターを創製することを目的とした。
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Outline of Annual Research Achievements |
金や銀において、超原子として扱える、金属ナノクラスター(NC)がこれまでに多数報告されている。なかでも、正20面体貴金属13原子ナノクラスターは、超原子と見なせる構造を形成することができる。これまでの研究より、配位子交換によりNCsの骨格構造に変形を誘起すると、前駆体とは異なるNCsをサイズ選択的に合成できることが明らかにされている。本研究では、Au25(SC2H4Ph)18(SC2H4Ph = 2-フェニルエタンチオラート)と4-tert-ブチルベンゼンチオール(tBuPhSH)の反応をモデル反応として選択し、従来研究とは反応時間もしくは前駆体NCsの中心原子を変化させることで、新たな配位子交換反応を進行させることに取り組んだ。その結果、次の3つを見いだした:1)マイルドな条件にて短時間反応させると、[Au23(SPhtBu)17]0が高い割合にて生成する;2)Au25(SC2H4Ph)18の中心原子をPdにて置換しマイルドな条件にて短時間反応させると、[Au26Pd(SPhtBu)20]0が高い割合にて生成する;3)Au25(SC2H4Ph)18の中心原子をPtにて置換すると、反応中間体として[Au24Pt(SC2H4Ph)6(SPhtBu)12]0が高い割合にて生成する。本研究の結果は、反応時間と前駆体金属NCの中心原子を制御すれば、配位子交換により、現在よりも多くの種類の金属NCsをサイズ選択的に合成し得ることを示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Au25(SC2H4Ph)18に対してSPhtBuを用いた配位子交換反応を進行させると、[Au23(SPhtBu)17]0が高い割合にて生成する。一方で、Au25(SC2H4Ph)18の中心原子をPtにて置換すると、反応中間体として[Au24Pt(SC2H4Ph)6(SPhtBu)12]0が高い割合にて生成する。 これは、超原子の骨格が強いことで、新たに異なる合金クラスターが合成し得ることを示している。つまり、金属クラスターに第二異種金属をドープすることで、金属クラスター の安定性を向上できることを示しており、第三異種金属の高濃度ドープにも大きな影響を与えると推察される。この結果は、合金化により新たな電子構造を創出する上で明確な設計指針になると期待され、金属クラスターに対して、高濃度の異元素ドープも可能になると予想される。
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Strategy for Future Research Activity |
AuおよびAgをベースにした金属クラスターにおける、異種金属ドープが与える影響について、さらに検討を進める。 また、8-10属元素を主たる構成成分とした合金クラスターの合成を試みる。配位子は、dブロック金属との結合性が強いpブロック元素を用いて、金属種との結合部位とする。比較的嵩高い配位子を用いた、液相中における金属塩還元法によって合金クラスターを合成し、その核種・サイズ・構造を制御し、UV-Vis,MALDIMS,ESI-MS, DPV, SC-XRD, TGAを用いて、合成した金属クラスターの基礎特性を評価する。場合によって、理論計算や触媒活性評価によって、金属クラスターの幾何・電子構造とその物性の相関を明らかにする。
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