Research and development of real-time microscopic analysis technique for investigating protein-aggregation process
Project/Area Number |
20H02608
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 29010:Applied physical properties-related
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Research Institution | Ibaraki National College of Technology |
Principal Investigator |
若松 孝 茨城工業高等専門学校, 国際創造工学科, 教授 (80220838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植 英規 福島工業高等専門学校, 電気電子システム工学科, 教授 (90586851)
尾形 慎 福島大学, 食農学類, 准教授 (10532666)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2020: ¥8,060,000 (Direct Cost: ¥6,200,000、Indirect Cost: ¥1,860,000)
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Keywords | タンパク質凝集 / 凝集化プロセス / リアルタイム分析 / 光散乱 / 顕微分析 / タンパク質 / ナノ粒子 / 凝集体 / 相分離 |
Outline of Research at the Start |
溶液中のタンパク質凝集体に高感度な前方小角散乱光を顕微鏡スケールで瞬時に計測して、温度制御下の溶解状態からタンパク質凝集化をリアルタイムで分析できる新技術を開発する。開発分析システムにより、タンパク質の凝集体形成に伴う溶液構造の微視的挙動、タンパク質凝集体のサイズ・分布や構造のダイナミックスを顕微鏡観察的に高分解能で評価し、従来分析困難であった微視的スケールにおけるタンパク質凝集プロセスを解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
タンパク質凝集の評価指標となる拡散係数と構造パラメーター(フラクタル次元)を正確に分析できるように、ピンホールと回折格子を用いて顕微分析用対物レンズとサンプル、及び前方散乱光(F-LS)の平行化レンズとCMOS検出器の各位置調整を行い、最適な光学系を構築した。テストサンプルに繊維状構造のパラフィンシート(~30μmt)を用い、F-SLS計測により繊維状構造体を評価したところ、フラクタル次元の値は、集光照射と球面レンズの組合せ条件で最も小さく(0.61±0.02)、平行光照射とシリンドリカルレンズの組合せが予想値(0.85~1.0)に近い値(0.88±0.01)を示した。集光照射下でも散乱光のコリメート化にシリンドリカルレンズを用いた方が、評価値が予想値に近く(0.76±0.02)、改善されることが分かった。 電解質塩(NaCl)の添加による、ポリスチレン標準粒子(30nm,50nm, 100nm)の凝集、及びリゾチームの結晶化前形成凝集を開発装置でリアルタイム分析した。異なる添加塩濃度の条件下でF-LS動画撮影によりF-DLSとSLSの同時計測し解析した。塩濃度が高い場合、凝集体の拡散係数は直ぐに減少し、フラクタル次元の値は徐々に増加する傾向が共通して見られ、電解質イオンの過飽和作用による、サイズと構造密度が増す凝集化を確認した。 一方、糖鎖分子によるレクチンタンパク質の架橋反応凝集化と比べて、電解質イオンによるポリスチレンとリゾチームの凝集体の拡散係数とフラクタル次元は、経時的に変動(揺らぎ)が大きく、溶液中で不均一に凝集体が形成されていることが分かった。塩イオンの過飽和によるコロイド凝集化の場合、拡散が主な要因であり、局所的な相分離が生じて微細な溶液構造が形成されたと推定される。 なお、研究成果を国内学会で発表し、その一部に関し論文投稿の準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、これまでの研究で明確となった、各分析技術要素とデータ解析法における問題点について、製作分析装置の改良、及び画像データの解析法の改良を行い、標準コロイド粒子の凝集化とタンパク質の結晶化前形成の凝集体形成を分析・評価し、それら凝集化の特徴的な共通点を見出した。 しかしながら、別なタイプのタンパク質凝集化である、糖鎖リガンドによるタンパク質架橋反応凝集の分析が予定計画よりも遅れており、電解質イオンによるタンパク質凝集化との詳細な比較調査までには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
開発分析装置を用いて、異なるタイプのタンパク質凝集化を分析・評価し、タンパク質の凝集体形成プロセスの相違について比較調査する。高感度な前方散乱光のリアルタイム画像計測により、凝集体の拡散係数とフラクタル次元の経時変化を詳しく分析し、溶液中で生じるタンパク質の様々なタイプの凝集化プロセスを解明する。ターゲットとするタンパク質凝集は、電解質イオンによるものや糖鎖分子による架橋反応によるものなどである。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)