スピロビフルオレンの連結に基づく新奇3次元π共役系分子の創成
Project/Area Number |
20H02724
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 33010:Structural organic chemistry and physical organic chemistry-related
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
雨夜 徹 名古屋市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (20397615)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2020: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
|
Keywords | スピロビフルオレン / スピロ共役 / 二重らせん / 三次元π共役 / 大環状化合物 / 水素結合 / 水素結合性有機フレームワーク / キラル / キロプティカル特性 / 織り構造 / オリゴフェニル |
Outline of Research at the Start |
ユニーク且つ未踏のジオメトリー有するπ共役系化合物をスピロビフルオレンの連結を基軸とし創成する。このようにスピロビフルオレンを含む分子群では、空間を介した軌道相互作用(スピロ共役)による空間的な共役が期待できる。これらの分子の特性を追求し、3次元π共役系の科学を拓く。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ユニーク且つ未踏のジオメトリーを有するπ共役系化合物群をスピロビフルオレンの連結を基軸とし創成するとともに、得られた3次元構造体のキロプティカル特性や空間的な軌道相互作用に基づく3次元的な共役を明らかにすることを目指し検討を重ねている。今年度は、パラオリゴフェニル二重らせんや編み目構造モチーフを有するキラルパラオリゴフェニル化合物を標的とした検討を行った。特に編み目構造モチーフを有する化合物の合成を目指した研究を主として展開した。これまで合成を報告したキラルスピロビフルオレン環化3量体の末端にカルボキシフェニル基を導入し、カルボン酸の水素結合2量化を駆動力とする超分子的な網目状ネットワーク構造構築に取り組んだ。この化合物では、剛直なスピロビフルオレンマクロサイクル骨格から6つのカルボン酸が方向性を持って配置されている。水素結合性のネットワーク構造を明らかにするため、単結晶作製を試みた。その結果、単結晶X線結晶構造解析よりユニークな構造の水素結合ネットワークが形成されていることが明らかになった。具体的には、2組のカルボン酸の水素結合により水素結合性の大環状構造が形成され、さらにその際、環の相互貫入が起こり3重カテナン状構造を有する水素結合性有機フレームワーク(HOF)が形成されることを明らかにした。この3重カテナン状構造は周期的に繰り返されて2次元シートを形成し、さらにそのシート同士はカルボン酸の水素結合により積み重なって、3次元構造体を形成していた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、編み目構造モチーフを有する3次元構造体の構築を目指し、研究を展開した。水素結合性の有機フレームワーク形成を利用することで、目的の3次元構造体を合成できることが明らかになったため、おおむね順調に進展していると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、今回得られた興味深い知見の一般性等を明らかにするために、関連化合物の合成により構造物性相関を明らかにする研究を展開する。また、様々な物性測定と計算化学的な議論により、本化合物の特性を明らかにする。キラルスピロビフルオレンの直接連結による二重らせん化合物の合成、織り構造モチーフを有する構造体の構築、結び目構造を有する化合物の合成、等、合成化学を基軸とする新規化合物創成とその構造特性を明らかにする研究を展開する。
|
Report
(2 results)
Research Products
(14 results)
-
-
-
[Journal Article] Solution-Processable Multi-Substituted Buckybowls: Synthesis of Diindeno(1,2,3,4-defg:1’,2’,3’,4’-mnop)chrysene Derivatives2021
Author(s)
Naoki Yoshida, Ryuhei Akasaka, Yusuke Awakura, Toru Amaya, and Tetsuo Iwasawa
-
Journal Title
Eur. J. Org. Chem.
Volume: 2021
Issue: 38
Pages: 5343-5347
DOI
Related Report
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-