Project/Area Number |
20H02803
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 35020:Polymer materials-related
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤井 秀司 大阪工業大学, 工学部, 教授 (70434785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 哲 京都大学, 工学研究科, 准教授 (80402957)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥18,070,000 (Direct Cost: ¥13,900,000、Indirect Cost: ¥4,170,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2020: ¥10,920,000 (Direct Cost: ¥8,400,000、Indirect Cost: ¥2,520,000)
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Keywords | リキッドマーブル / 液滴 / 高分子粒子 / 界面 / 吸着 / 気液界面 / 多面体構造 / ハンドリング / 形状制御 |
Outline of Research at the Start |
固体粒子(マイクロメートルサイズ以下)が気液界面に吸着することで大気中にて安定化されたミリメートルサイズの液滴は、リキッドマーブル(LM)と呼ばれ、通常、球形状を有する。本研究では、液滴と同等のサイズの高分子粒子(ミリメートルサイズ)を気液界面に吸着させることで、多面体構造を有するLMを創出する。また、生成するLMの形状・構造評価、形成メカニズムの解明、および形状制御に取り組む。さらに、内部液としてモノマーを有するLMを重合することで、速度論的に安定化した多面体高分子粒子を合成し、新規な溶媒フリーの非球状高分子粒子創出法を提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、液滴と粒子のサイズが同等の次元において、高分子粒子によって安定化されたリキッドマーブルを作製し、その形状・構造、安定性について科学的理解を行うことにある。令和4年度は、下記3項目について検討を行った。 1.安定化剤の作製および構造・物性評価: 2次元および3次元の(サブ)ミリメートルサイズの高分子粒子を作製し、その形状、サイズ、表面化学を評価した。粒子は以下の2つの方法で作製した。(a)高分子フィルムを金型で打ち抜く方法(2次元)、(b)高分子板からフライス盤を利用して切削する方法(3次元)。作製した粒子に対して、シランカップリング剤、金属蒸着を利用して表面疎水化処理を行った。さらに、生成粒子の形状、サイズ、臨界表面張力、表面化学を評価した。 2.リキッドマーブルの作製および形状・構造、安定性評価:上記項目で作製した高分子粒子の乾燥体上で水滴を転がすことで、液滴表面に粒子が吸着したリキッドマーブルの作製に成功した。2次元粒子の系では、液滴体積とプレートサイズの比を制御することで種々の形状を有する多面体構造を有するリキッドマーブルを作製できることを明らかにした。一方、3次元粒子の系では、粒子が底面および側面が水滴表面に吸着して安定化された表面凹凸を有するリキッドマーブルが生成することを明らかにした。また、リキッドマーブルは数mmの高さから落下させても崩壊しないことを明らかにした。 3.リキッドマーブルの形状制御:リキッドマーブルを物理的に合一させることで1メートルまでサイズ拡大が可能であることを確認し、外部からの機械的応力印加により、表面に任意の角度を有する直線および曲線を有するリキッドマーブルへの成形に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度の研究計画通り、板状(2次元)および立体形状(3次元)の(サブ)ミリメートルサイズのリキッドマーブル安定化剤を合成し、リキッドマーブルの形成性、形状・構造、安定性、形状制御性について知見を蓄積した。計画通り目標を達成することができた。また、令和5年度の研究計画の準備実験も開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度も、研究分担者との連携を通じて、液滴と粒子のサイズが同等の次元において液体と固体が形成する組織体(リキッドマーブル)の構造、形状制御性について理解の深耕に努める。具体的には、下記の点について研究を推進する。 (1)リキッドマーブルの作製および形状・構造、安定性評価:リキッドマーブルの形状、液滴表面における粒子配列構造、被覆率、粒子吸着数および粒子の変形を、実体顕微鏡、光学顕微鏡を使用して評価する。 (2)リキッドマーブルの形状制御:複数のリキッドマーブルを物理的に合一させることで、表面に様々な曲率を導入したリキッドマーブルを作製する。また、高さ方向にどこまで高くできるのかについても検討する。さらに、形状と内部液のラプラス圧との相関関係を明らかにする。 (3)リキッドマーブルを用いた非球状高分子粒子の創出:非球状リキッドマーブルの内部液にビニルモノマーと光重合開始剤の溶液を使用し、紫外光照射により重合反応を行うことで、非球状高分子粒子の合成に取り組む。また、エポキシモノマーを内部液に有するリキッドマーブルを硬化剤として機能する試薬と接触させることで、非球状のエポキシ樹脂系非球状高分子粒子の合成にも取り組む。
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