Studies toward the total synthesis of Caribbean ciguatoxin for the development of a highly sensitive antibody-based immunoassy
Project/Area Number |
20H02919
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38040:Bioorganic chemistry-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐々木 誠 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (80235267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅原 厚志 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (40847018)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥17,810,000 (Direct Cost: ¥13,700,000、Indirect Cost: ¥4,110,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
Fiscal Year 2020: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | カリブ海型シガトキシン / シガテラ中毒 / 全合成 / 抗体作製 / 微量検出法 |
Outline of Research at the Start |
シガテラは、熱帯・亜熱帯の魚類摂取により発生する世界最大規模の自然毒食中毒である。カリブ海型シガトキシンC-CTXは、米国大西洋やカリブ海域におけるシガテラの主要原因毒であり、既知のシガトキシン類の中で最も複雑な構造を有する。C-CTXによる中毒発生域が米国や欧州の温帯海域に拡大・多発する傾向にあり、その予防対策は急務の課題である。しかし、天然試料が入手困難なため、C-CTXに関する化学・生物学研究は立ち遅れている。本研究では、C-CTXを特異的に認識する抗体作製と微量検出法開発への応用、C-CTXの化学合成による純粋な試料の供給を目的とし、世界規模で大きな脅威であるシガテラの撲滅に貢献する。
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Outline of Annual Research Achievements |
世界最大規模の自然毒食中毒であるシガテラ中毒の原因毒シガトキシンの研究における最後の最難関課題であるカリブ海型シガトキシンC-CTXの全合成を達成し、純粋な試料を供給するとともに、有機合成化学を基盤としてC-CTXを特異的に認識する抗体の作製と微量検出法の開発への応用を目的とした。 C-CTXの全合成における最大の難関である核間ジメチル基を持つM環7員環エーテルを含むLMN環部の新規合成法を既に報告している。本合成における鍵反応である還元的オレフィンカップリングの反応条件を最適化し、LMN環部の効率的な合成法を確立した。さらに、独自に開発した酸化的ラクトン化によりK環部に相当する7員環ラクトンを構築し、エーノルホスフェートに変換した後、鈴木-宮浦反応による炭素鎖伸長を行った。当初計画したチオアセタール化とラジカル還元によるJ環の閉環は、N環上のアセタール構造の存在のために困難であることが判明した。そこで、エポキシアルコールの6-exo環化によってJ環の構築を行い、JKLMN環部の合成を達成した。この過程で、エポキシアルコールの6-exo環化がシリカゲルにより円滑に進行することを新たに見いだした。 ごく最近、C-CTXの右端部N環の構造改定の論文が報告されたため、JKLMN環部の脱保護体を合成し、詳細なスペクトル解析によりすべてのNMRシグナルの帰属を行い、天然物の当該部分と比較した。その結果、C-CTXのN環部は当初報告された6員環構造であることを確認した。 合成したJKLMN環フラグメントにグリシンを介してマイケルアクセプターであるマレイミドを導入したハプテンを合成した。現在、タンパク質とのコンジュゲートの作成とそれを用いた抗体作製を検討している。 ABCDE環部の合成に関しては、酸化的ラクトン化を用いたDE環部の効率的な合成を達成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カリブ海型シガトキシンC-CTXの全合成おける最難関課題の一つであるLMN環部の合成ルートを最適化するとともに、鈴木-宮浦反応を活用したJKLMN環フラグメントの合成を達成し、C-CTXの全合成に向けて大きな前進が見られた。また、5環性のJKLMN環部フラグメントをハプテンとしたモノクローナル抗体の作製を開始することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今回合成したKLMN環部とHI環部の鈴木-宮浦反応によるフラグメントカップリングを経て、C-CTXの右半分に相当するHIJKLMN環部を合成する。また、酸化的ラクトン化と鈴木-宮浦反応によるフラグメントカップリングを鍵工程としてABCDE環部の効率的合成を達成する。さらに、両フラグメントの連結とFG環の構築を経て、C-CTXの全合成を目指す。また、JKLMN環部フラグメントをハプテンとしたモノクローナル抗体の作成と微量検出法の開発に引き続き取り組む。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)
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[Book] 理科年表20212020
Author(s)
佐々木 誠
Total Pages
1204
Publisher
丸善出版
ISBN
9784621305607
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