ヒスチジンメチル化酵素METTL9の活性制御機構と生物学的意義の解明
Project/Area Number |
20H02947
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38060:Applied molecular and cellular biology-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大徳 浩照 筑波大学, 生存ダイナミクス研究センター, 講師 (30361314)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥15,600,000 (Direct Cost: ¥12,000,000、Indirect Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
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Keywords | タンパク質メチル化 / ヒスチジンメチル化 / METTL9 / N結合型糖鎖修飾 / 細胞外分泌 / メチル化 / ヒスチジン / メチル化酵素 / 線虫 |
Outline of Research at the Start |
翻訳後修飾はタンパク質の活性調節メカニズムの根幹であり、その1つであるヒスチジン(His)残基のメチル化には、τ型とπ型の2つの様式がある。申請者らは独自のメチルアミノ酸分析技術を基盤としたsiRNAスクリーニングにより、πHisメチル化酵素としてMETTL9を同定した。さらにMETTL9自身が、未発見の別のHisメチル化酵素によってπメチル化されることも見出している。本研究では、METTL9とその基質である炎症関連因子S100A9に着目し、生化学・細胞生物学的手法と線虫の分子遺伝学を駆使して、πHisメチル化修飾の生物学的意義を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、独自のメチル化修飾検出法として、対象とするタンパク質を酸加水分解してメチルアミノ酸をLC-MS/MS分析する方法を確立し、これにRNAiスクリーニングを組み合わせることで、ヒスチジン残基のπメチル化を触媒する酵素METTL9を世界で初めて同定した。昨年度の研究成果において、METTL9の新規の翻訳後修飾としてN結合型糖鎖が付加されている可能性が見出されたことから、今年度はその検証と分子機能への影響を検討した。
METTL9のアミノ酸配列中には、N結合型糖鎖修飾のコンセンサス配列であるNxS/Tが2カ所存在することから、ここに点変異を加えた2NA変異体を作製したところ、野性型でみられるWBでのバンドのシフトアップが消失した。またアスパラギン残基とアセチルグルコサミンとの結合を切断する酵素で処理した場合でも同様の結果が見られたことから、METTL9は2カ所でN結合型糖鎖修飾を受けていることが分かった。
この糖鎖修飾がもつMETTL9の分子機能への役割を調べたところ、メチル化酵素活性や細胞内局在は影響を受けなかったものの、糖鎖依存的な結合因子が存在することが明らかになった。この発見をきっかけにして、METTL9のジスルフィド結合や細胞外分泌の可能性に関して検討を行った。その結果、METTL9は小胞体内でジスルフィド結合による二量体を形成し、その後、ゴルジ体を経て、細胞外に分泌していることを示唆する結果が得られた。ただしこの実験では、発光による高感度検出が可能なHiBiTタグを用いていることから、現在、培養上清中に実際にMETTL9が分泌されることをWBを用いて検出できるか検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
N結合型糖鎖修飾を受けない2NA変異体と野性型を比較することで、糖鎖修飾がもつMETTL9の分子機能への役割が明らかになりつつある。具体的には、糖鎖修飾は小胞体シャペロン分子との結合に必須であり、この結合は、METTL9のジスルフィド結合による二量体形成に関与する可能性がある。また発光による高感度検出が可能なHiBiTタグを用いた検討から、METTL9はN結合型糖鎖修飾依存的に細胞外に分泌することが明らかになった。また一般的に分泌タンパク質は、N末端側にシグナルペプチド配列を有するが、METTL9のN末端側を欠失させた変異体では、バンドのシフトアップや細胞外分泌が見られなかったことから、この配列もMETTL9のN結合型糖鎖修飾に必須であると考えられた。 以上の結果は、申請当初の計画にはなかったものではあるが、本研究計画の実施過程で偶然得られた発見に基づくものであり、「METTL9の活性制御機構と生物学的意義の解明」という研究課題の方向性に十分に合致したものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
METTL9の細胞外分泌について、HiBiTタグ以外の方法による証明を試みる。現状、METTL9の抗体は確立できていないため、FLAGタグによる過剰発現系での培養上清の免疫沈降を行う。糖鎖の関与については、2NA変異体との比較で検証する。ここで分泌が確認できれば、次に細胞外分泌後のMETTL9にメチル化活性があるかについて、S100A9を基質としたin vitroメチル化実験で検証を行う。 一方で、血漿中にMETTL9の基質が存在する可能性を検討するため、マウスの血漿を粗精製したサンプル用いて、メチル化実験や結合実験を進める。なお結合実験については、従来のプルダウン法に加え、近位依存性ビオチン標識技術(BioID)も採用する。分子の同定にはMALDI-TOF/MSを用い、その後は同定した分子の遺伝子クローニング、タンパク質発現によるメチル化の検証、メチル化部位の同定を試みる。
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Report
(3 results)
Research Products
(17 results)
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[Journal Article] Identification of a novel nucleolar protein complex required for mitotic chromosome segregation through centromeric accumulation of Aurora B2020
Author(s)
Fujimura, A., Hayashi, Y., Kato, K., Kogure, Y., Kameyama, M., Shimamoto, H., Daitoku, H., Fukamizu, A., Hirota, T., and Kimura, K.
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Journal Title
Nucleic Acids Res.
Volume: 48
Issue: 12
Pages: 6583-6596
DOI
NAID
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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[Book] エッセンシャル栄養化学2021
Author(s)
加香孝一郎、大徳浩照、深水昭吉
Total Pages
305
Publisher
講談社サイエンティフィク
ISBN
9784065238066
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