カイコを用いて昆虫の化性決定機構の分子基盤を明らかにする
Project/Area Number |
20H02997
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39050:Insect science-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木内 隆史 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (60622892)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2020: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
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Keywords | カイコ / 化性 / 休眠性 / 時計遺伝子 / 遺伝子組換え |
Outline of Research at the Start |
昆虫が1年間に世代を繰り返す性質を化性という.1世代は1化性,2世代は2化性,3世代以上は多化性という.化性は遺伝的な影響を強く受け,昆虫ごとにその行動や形質,生育する環境とよく適合している.しかし,化性の違いを生み出す遺伝的基盤は不明である.カイコは,シルクロードを経て世界中に広まる過程で,各地域に適した化性の品種が育成された.それらの多くは現在も維持されていることから,カイコは化性の研究モデルとして最適な昆虫の一種であるといえる.本研究では,時計遺伝子における変異が昆虫の化性決定に寄与することを,高精度なゲノム情報と高度な遺伝子組換え技術が利用できるカイコを用いて検証する.
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Outline of Annual Research Achievements |
昆虫が1年間に世代を繰り返す性質を化性という.化性は遺伝的な影響を強く受け,昆虫ごとにその行動や形質,生育する環境とよく適合している.しかし,化性の違いを生み出す遺伝的基盤は不明である.本研究では,時計遺伝子における変異が昆虫の化性決定に寄与することを,高精度なゲノム情報と高度な遺伝子組換え技術が利用できるカイコを用いて実証する. 本研究の目的は,カイコを用いて昆虫の化性決定機構の分子基盤を明らかにすることである.そのために,以下の3つの課題達成を目指し,それぞれ成果を得た. 1. チョウ目昆虫の概日時計システムを明らかにする.ゲノム編集により樹立した4つの時計遺伝子のノックアウト系統における各時計遺伝子の発現パターンと休眠性を調査した成果を合わせて原著論文として発表した.さらに,未調査だった2系統について同様に調査した.各時計遺伝子のノックアウト系統について,孵化リズムに加え羽化リズムも失われていることを,実験系を構築して確認した.時計タンパク質同士の複合体形成を生化学的に調べるために,時計タンパク質のペプチド抗体を作製した. 2. 時計遺伝子に改変を施すことで概日時計を操作し,化性への影響を評価する.遺伝子組換えの実施条件を検討したが,導入効率が改善されず系統の樹立までに至らなかった. 3. 大規模ゲノム情報解析から化性の変化につながった変異を同定し,化性の変化を再現する.2022年に新たに公開されたカイコ系統のゲノムおよび形質情報を追加し,大規模比較ゲノム解析が行える基盤を再整備した.ある系統群に特徴的な変異を同定する方法を検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展しているが,遺伝子組換えカイコの作出においては遺伝子導入効率が改善できず,遅れが生じている.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究における3つの課題達成を目指し,それぞれ以下の方策で研究を推進する. 1. チョウ目昆虫の概日時計システムを明らかにする.時計遺伝子のダブルノックアウトを行い,時計遺伝子間の関係性を調べる.また,生体を用いて推測された時計遺伝子の機能について,培養細胞を用いて生化学的な実験による検証を行う.さらに,時計を動かすシステム(入力系)や時計情報を伝達するシステム(出力系)にかかわる遺伝子候補のノックアウトカイコについて,休眠性を調査する.ゲノム編集によりFLAGタグノックインカイコを作出し,in vitroにおける実験結果をin vivoにおいても評価する. 2. 時計遺伝子に改変を施すことで概日時計を操作し,化性への影響を評価する.遺伝子組換えカイコの作出効率がなかなか向上しないため,カイコにおいて効率が高いとされるゲノム編集技術TALENを用いたノックインカイコの作出などを試みる. 3. 化性の変化につながった変異を大規模ゲノム情報解析から同定し,同じ変異を導入することで化性の変化を再現する.公開されているゲノム情報に加え,新たにシークエンスしたカイコ系統のゲノム情報を追加した上で,大規模比較ゲノム解析から化性にかかわる遺伝子候補を選定し,ゲノム編集により休眠性への関与を調べる.
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Report
(3 results)
Research Products
(19 results)
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[Presentation] Identification of the gene responsible for the brown egg 4 (b-4) mutant in the silkworm, Bombyx mori2022
Author(s)
Kenta Tomihara, Katsuya Satta, Shohei Matsuzaki, Kazutoshi Yoshitake, Kimiko Yamamoto, Hironobu Uchiyama, Shunsuke Yajima, Ryo Futahashi, Susumu Katsuma, Mizuko Osanai-Futahashi, Takashi Kiuchi
Organizer
XXVI International Congress of Entomology
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Int'l Joint Research / Invited
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