Project/Area Number |
20H03008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39060:Conservation of biological resources-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木下 こづえ 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (50724233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 美穂 京都大学, 野生動物研究センター, 教授 (60293552)
杉本 太郎 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 特任助教 (20570493)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥16,380,000 (Direct Cost: ¥12,600,000、Indirect Cost: ¥3,780,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
Fiscal Year 2020: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
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Keywords | 希少種 / 繁殖生理 / 遺伝的多様性 / ステロイドホルモン / DNAメチル化 / 希少ネコ科動物 / 妊娠判定 / 糞中ホルモン / 年齢推定 / 匂いのコミュニケーション / 性ホルモン |
Outline of Research at the Start |
多くの動物の絶滅が危惧される中、個体数が減少していく過程で繁殖率および年齢構成がどのように変化し絶滅を迎えるのか?そのシナリオは分かっていない。個体数が多くても、集団の繁殖率や年齢構成によっては、急激に絶滅する可能性がある。繁殖率や年齢構成は集団の遺伝的多様性を左右するため、動物の生存を理解する上で重要な生態情報である。本研究では、あらゆる動物で採取が容易な糞に着目して、糞中ホルモン分析および糞DNAメチル化検出による妊娠診断および年齢推定法を確立する。特に、直接観察が困難な希少ネコ科動物に着目し、集団の繁殖率、年齢構成、遺伝的多様性から各調査地の真の絶滅リスクを客観的に比較定量化する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度も昨年度に引き続き、動物園などの飼育個体から血液・糞試料を提供いただき、①妊娠・②年齢推定法の確立を目指すと共に、今年度からは海外協力機関と共にネパールおよびキルギス共和国で採取された野生ユキヒョウの糞試料も研究に供試した。また、海外協力機関と共に野生動物保護区に設置したカメラトラップによる餌動物密度調査、およびアンケートによる密猟・報復殺数の調査も引き続き実施した。 ①の繁殖率推定法の確立に関しては、子宮や胎盤などから分泌されるプロスタグランジンF2α代謝物の13,14-dihydro-15-keto-PGF2α(PGFM)を糞から抽出し測定することで妊娠判定ができるかどうかを検証した。その結果、糞中プロゲステロン濃度が高く交尾後の個体由来と考えられた糞中のPGFM濃度は、低濃度のプロゲステロンをもつ糞試料(つまりは交尾をしていない個体由来の糞)よりも有意に高い値を示した。これにより、野生個体糞においても、プロゲステロンと併せてPGFM濃度を測定することで妊娠を判別できる可能性が示唆された。 ②の年齢推定法に関しては、年齢が判明しているイエネコだけでなく希少ネコ科動物(ツシマヤマネコなど)の血液も供試し、血中DNAを抽出してメチル化の程度を検出することで年齢推定を試みた。その結果、種特異的な年齢推定モデルを構築することで高精度で年齢を推定できることが明らかとなった。 また、ネコ科動物の繁殖に欠かせない匂いのコミュニケーションについても焦点を当て、雌は単独、雄は群れて行動する独特な社会性をもつチーターにおいて、飼育環境がマーキング行動に与える影響も調べた。その結果、雄を群れ飼育することで匂いのコミュニケーション行動が増加することを明らかにした。本研究成果は英語論文にまとめて国際誌にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度から海外渡航への制限が少なくなり、国内だけでなく野外でも試料の採取および海外協力機関での分析が可能となった。そのため、当初の研究計画を計画通りに完了することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
より多くの野生個体の試料を集め、データを収集する。それにより、これまで飼育個体で得られた研究成果を野生個体に応用できるかどうかを検証する。
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