汎用性および実用性を高める新たな樹木ゲノム編集技術の確立
Project/Area Number |
20H03037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 40010:Forest science-related
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Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
西口 満 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (80353796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮澤 真一 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (10578438)
上野 真義 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (40414479)
遠藤 真咲 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (40546371)
田原 恒 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (70445740)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | 遺伝子 / ゲノム編集 / スギ / 木本植物 / ユーカリ / 遺伝子組換え / 樹木 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、遺伝子改変技術の一つであるゲノム編集技術を樹木で利用しやすくするための技術を開発する。ゲノム編集技術は生物の狙った遺伝子だけを改変できることから、遺伝子機能の解明や品種改良などへの応用が進められている。しかし、ゲノム編集技術は先端的かつ発展途上な技術であるため、解決すべき課題も多い。ゲノム編集技術の汎用性や実用性を高め、樹木への利用を進めるために、①ユーカリのゲノム編集技術の開発、②遺伝子組換えゲノム編集樹木から非組換え型ゲノム編集樹木への転換技術の開発、③スギの複数遺伝子を編集する技術の開発を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、樹木のゲノム編集技術の汎用性および実用性を高めるために、新たなゲノム編集技術を確立する。具体的な研究目的は、①ポプラ・スギ以外の樹木へゲノム編集技術を拡大するためのユーカリのゲノム編集技術の開発、②交配による非組換え型ゲノム編集スギへの転換技術の開発、③樹木(スギ)の複数の性質(遺伝子)を同時にゲノム編集するためのマルチプレックスゲノム編集技術の開発である。フィトエン不飽和化酵素(PDS3)遺伝子をゲノム編集するためのCRISPR/Cas9ベクターを導入した遺伝子組換えユーカリ(Eucalyptus camaldulensis)の内、白化した葉を持つ2系統についてPDS3遺伝子の変異を調べた。その結果、PDS3遺伝子の標的部位近傍に塩基の欠失や挿入があり、PDS3遺伝子がゲノム編集されていることが分かった。しかし、変異がないPDS3遺伝子も検出されたことから、得られたゲノム編集ユーカリは2系統ともキメラ個体であることが分かった。CjACOS5遺伝子をゲノム編集した無花粉スギと非組換えのスギ品種を交配して得られた種子(F1)から育成した16系統の苗木にジベレリンを散布し、花成を誘導した。雄花および雌花が着花したので花粉を採集し、系統の異なるF1の雌花に受粉させて交配を行った。2023年の秋にはF2の種子が得られる予定である。マルチプレックスゲノム編集技術のために、最初に、スギのMS1遺伝子の2か所を切断するゲノム編集用ベクターを作製した。ベクターをスギの細胞に導入し、カナマイシン耐性細胞を選抜し、遺伝子変異を調べたところ、MS1遺伝子の2か所の標的部位近傍に塩基の欠失や挿入が見られた。また、2か所の標的部位を含む広いDNA領域を欠失している変異も見つかり、スギのDNAの複数個所を同時にゲノム編集することが可能と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究期間2年目の研究目標であった、ゲノム編集スギと非組換えスギの子F1同士の交配は、雄花・雌花がほとんど着花しなかったので交配することができなかった。しかし、3年目の本年度には、雄花と雌花の両方が着花し交配実験を行うことができた。最終年度である4年目には、その種子(F2)が得られる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
PDS3遺伝子以外の遺伝子をゲノム編集した遺伝子組換えユーカリを作製する。非組換え型ゲノム編集スギへの転換技術については、F2種子を獲得し、発芽試験を行う。スギの光合成に関わる2種類の遺伝子をマルチプレックスゲノム編集するベクターをスギの不定胚形成細胞に導入し、得られた細胞の遺伝子変異を調べる。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)