Project/Area Number |
20H03086
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41010:Agricultural and food economics-related
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
佐藤 和憲 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (80355601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 麻子 東京農業大学, 国際食料情報学部, 助教 (00825242)
渋谷 往男 (澁谷往男) 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (20557079)
大江 靖雄 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (60302535)
半杭 真一 東京農業大学, 国際食料情報学部, 准教授 (90504043)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥13,910,000 (Direct Cost: ¥10,700,000、Indirect Cost: ¥3,210,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2020: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
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Keywords | 農業法人 / 多角化 / 経営戦略 / 企業行動 / 経済効果 / 新型コロナ肺炎 / 農村ツーリズム / ワーケーション / 地産地消 / 戦略 |
Outline of Research at the Start |
農業法人の経営戦略,特に既存の事業領域の川上または川下の新たな事業領域で事業展開する垂直的多角化と既存の事業領域で新たに事業展開する水平的多角化に注目し,その特徴を類型的に把握したうえで,それぞれの戦略に基づいた事業が地域農業に与える経済的影響を定量的にとらえる方法を開発する。また,農業法人と地域のステークホルダーとの関係を把握する方法を策定する。これらによって,進出前に農業法人の経営戦略を把握することにより,誘致による経済的効果や社会的効果を予測できるようになり,農業法人の誘致を促進し地域農業,引いては地域経済の活性化に寄与することができる。
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Outline of Annual Research Achievements |
農業に関連した事業を営むと推定される全国の法人からランダム抽出した3,600社に経営戦略、経営者能力およびコロナ関係に関するアンケート調査票を送付し1,356社(37.6%)から回答を得た。項目別の単純集計、調査項目と企業属性とのクロス集計を行った上で、新型コロナ肺炎流行により農業法人が受けた影響とその要因、および対策との関係について、二項ロジッステック回帰により分析した。コロナ禍で農業法人が受けた主な悪影響は、「売上の減少」、「資材コストの上昇」、「顧客の減少」で、これらに共通した説明力の高い要因は「自社の事業活動を自粛」、「顧客の事業活動が低下」、「消費者の買い控え」、「販売・営業活動に支障」である。また、コロナ禍に対して農業法人がとった主な対策は、「公的支援の活用」、「新たな需要・市場の開拓の強化」「固定費の削減」で、これらに共通した説明力の高い悪影響は「売上の減少」である。さらに、コロナ禍で農業法人が受けた主な好影響は、いずれも選択率は低いものの「売上の増加」、「従業員の新規就業」、「顧客の増加」が相対的に高く、このうち「売上の増加」と「顧客の増加」に共通した説明力の高い対策は、「新たな需要・市場開拓の強化(ネット販売など)」である。 また、農村ツーリズムに焦点を当てた都市住民に対するアンケート調査によって、コロナ禍での農村ツーリズムの新たな方向性とその潜在的需要層について検討した。その結果、コロナ禍の中で、近隣地域の観光を意味するマイクロ・ツーリズム(micro-tourism)およびリモートワークと余暇を組み合せるワーケーション(workcation)への潜在的需要特性や、そこで求められる農村側の魅力や必要設備などについて明らかにした。特にワーケーションでは、基本的なビジネス設備や飲食店が利用可能であるとともに、e ホスピタリティの提供も求められる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
課題Ⅰで実施した消費者アンケート調査データの分析は、アンケート実施が年度後半にずれ込んでしまったため年度中に完了できなかった。また、課題Ⅱ、Ⅲ、Ⅴに共通したデータとなる農業法人に対するアンケート調査の結果は、2021年度中に項目別単純集計、企業属性とその他項目とのクロス集計、および新型コロナ肺炎流行により農業法人が受けた影響、要因、対策に関する項目相互の関係分析については完了したが、経営戦略を類型化し、各類型の特徴を明らかにした上での、各類型と経営環境、経営者の経歴や能力等との関係の分析は残されており、当初計画と比較して半年程度の遅れとなっている。したがって、これら残された課題については2022年度上半期に完了する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
課題Ⅰでは、消費者の都市農村交流などに対する購買行動」について、価値共創などサービスマーケティング視点から、2021年度に実施して回収した都市住民アンケート(2,800 サンプル)について、三浦(2021)が用いているCronin & Taylor のSERVPERF の尺度を用いて、満足等との関連をSPSS Amosによる構造方程式モデリングで分析する。 課題Ⅱ・課題Ⅲでは、まず2021年度に実施たアンケート調査データを用いて、クラスター分析等によって農業法人の経営戦略を類型化し、各類型の特徴を明らかにした上で、各類型と経営環境、経営者の経歴や能力等との関係を明らかにする。さらに、代表的な経営戦略類型について、各2~3事例を選定し、面接調査を実施して経営戦略の具体的な内容と展開過程、これに基づいた企業行動および経営環境との関係について分析する。 課題Ⅳでは、農業法人の所在市町村の産出額のDID分析について、集落カードなどのデータセットをブラッシュアップしたうえで早期に完了予定である。また地域産業連関分析については、宮城県の農業法人を対象とした分析を行うために現地調査を含めて実施する。 課題Ⅴでは、農業法人アンケートデータと企業データベースのデータを連結して、経営戦略および経営者能力と経営効率の関係について、SBMモデルおよびスーパーSBMモデルを用いて計測する。
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