Project/Area Number |
20H03113
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41050:Environmental agriculture-related
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
杉原 創 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (30594238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 治夫 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (20236615)
宮嵜 英寿 一般財団法人地球・人間環境フォーラム(研究推進ユニット), 研究推進ユニット, 研究官 (30455232)
渡邉 哲弘 京都大学, 農学研究科, 准教授 (60456902)
國頭 恭 信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (90304659)
堀川 祥生 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (90637711)
関 真由子 名古屋大学, 生命農学研究科, 特任助教 (70963453)
李 哲揆 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (40770920)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2020: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
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Keywords | 熱帯畑作地 / 持続可能性 / 炭素隔離 / 微生物群集 / 有機物分解 |
Outline of Research at the Start |
半乾燥熱帯で蔓延する貧困と飢餓の解決はSDGsでも取り上げられる喫緊の課題であり、その実現には、生産と保全を両立する土壌有機物管理法の確立が求められる。本研究では「分解者である“土壌微生物群集機能の改善”こそが熱帯での炭素隔離に有効である(=生物的炭素隔離)」という仮説を立て、多様な微生物種の集合体ともいえる堆肥の利用に着目して研究を行う。微生物群集の人為的改変(多様性の回復)が、微生物群集内・間における炭素利用効率の向上を促すことで土壌炭素隔離の促進に貢献することを実証する。以上より、生物的炭素隔離という新たな概念から、熱帯で生産と保全を両立する有機物管理法の創出を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
半乾燥熱帯で蔓延する貧困と飢餓の解決はSDGsでも取り上げられる喫緊の課題であり、その実現には、生産と保全を両立する土壌有機物管理法の確立が求められる。しかし、有機物分解が速い熱帯畑作地において、土壌へ有機物(炭素)を効率的に隔離する技術は未だ確立されていない。そこで本研究では「分解者である“土壌微生物群集機能の改善”が熱帯での炭素隔離に有効である(=生物的炭素隔離)」という仮説を立て、各種検証を行っている。 当初計画していた新規技術の検証のための現地圃場試験は、COVID-19の問題で実施が困難であったため、現地共同研究者と議論の上、これまでに採取した土壌に加え、類似の生態環境を持つ土壌試料を新たに含めて研究を進めることで、当該研究を発展・深化させることとした。 課題:生物的炭素隔離に関する検討⇒堆肥施用量の増加が土壌微生物群集とその機能の変化を促した原因として、炭素、窒素、リンに関連する酵素活性および微生物バイオマス量を測定し化学量論的に制限因子を解析した結果、堆肥施用によりリン制限が解除されることで土壌微生物群集とその機能が改善していたことが判明した。またこれまでに現地で採取した土壌試料を分析することで、当該地域の炭素固定能が他地域と比較して非常に低い可能性があることを発見した。さらに、沖縄で広域調査を実施し土壌pHの影響を解析した結果、肥培管理に起因する養分制限よりも土壌pHが及ぼす影響のほうが大きいことが判明した。これらの結果は、生物的炭素隔離を実現するために、養分制限の解除が有効である一方、土壌環境毎に潜在性や目指す養分化学量論が異なることを示す。また、圃場での堆肥とバイオ炭の同時施用が作物生産に与える影響に関する成果を国際誌で公表した。 課題:資源の利用可能性⇒現地における堆肥・バイオ炭利用の潜在的利用可能性について、現地共同研究者と共にアンケート調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画3年目であった本年度は、COVID-19の影響から、11月に現地調査をするにとどまった。この結果、当初計画していた現地圃場での栽培試験(計画では6~10月にかけて実施予定だった)の遂行は現実的に困難だったことから、共同研究者と議論の上、研究計画を一部変更し、仮説:土壌微生物群集機能の改善が熱帯での炭素隔離に有効である、をより幅広い視点から検証及び活用するための知見蓄積に充てることとした。その結果、当初想定していなかった、インド南部の土壌が有する炭素固定能の新規評価や、土壌pHが土壌微生物群集及び炭素循環機能に与える影響についても解明できたことから、総合的に判断し、おおむね順調に進展している、と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
インドにおけるCOVID-19の影響は依然として深刻であるものの、現地生活自体は以前の様式を取り戻しつつあることが昨年度の現地調査からも実感できた。そのため、状況を見つつ、安全面を確保することを前提として、これまでに得られた研究成果を共同研究者と議論することで問題点や発展性を明確にし、不足する部分の現地土壌試料を採取・分析することで今後の研究を推進する。 また、既に得られている成果について、投稿論文として取りまとめ発表する。
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