Recovery of phosphorus from natural water bodies using iron-oxidizing bacteria and woody biomass
Project/Area Number |
20H03117
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41050:Environmental agriculture-related
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
武田 育郎 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 教授 (60227022)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深田 耕太郎 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 助教 (40633178)
吉岡 有美 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 助教 (40753885)
佐藤 裕和 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 助教 (90609364)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥17,940,000 (Direct Cost: ¥13,800,000、Indirect Cost: ¥4,140,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2020: ¥9,230,000 (Direct Cost: ¥7,100,000、Indirect Cost: ¥2,130,000)
|
Keywords | 鉄バクテリア / 木質バイオマス / リン回収 / 木質担体 |
Outline of Research at the Start |
申請者の提案する木質バイオマスと鉄バクテリアを用いた自然水域からのリン循環システムは,循環に乏しい元素であるリンの水域から陸域への移動経路を提供するが,本研究ではこの方法の汎用システムを構築する。鉄バクテリアは世界中で観察されるありふれた微生物であるが,これをリン回収に利用することは小規模な試行にとどまっている。そこで本研究では,効率的なリン回収のための条件を,場所に依存する条件と,場所に依存しない条件に分類整理するなどの方法で体系化する。さらに水質・水文調査を行い,その結果より水質浄化(汚濁負荷削減)の効果を明らかにすることによって,本方法にさらなる有効性と普遍性を持たせる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き,島根県東部に位置する水田地域にある圃場整備によって地下水の流入の多い水田排水路の一部において,鉄バクテリアの生息するpH-Eh環境についての環境要素水文データや水域の還元状態に着目して調査した。また,この地域に流れている水の多くは,宍道湖に流入する最大の河川である斐伊川から取水した農業用水であることから,斐伊川の水質の長期変動についての検討も行った。斐伊川の河川水の水質は,pHが6.0~8.1程度であって水田地域よりも広範囲に変動するもののほぼ中性付近であった。一方,Ehは0.3~1.5Vで水田地域よりもやや酸化的な環境であることが分かった。また,浸漬後の鉄バクテリア集積物の担持した木質担体の吸着試験では,攪拌条件(シーソー型撹拌機を用いた撹拌の設定の一例として40RPM)にすると,24時間程度で十分な濃度低下がみられることがわかった。また,木質担体によって回収したリンは,土壌肥料学の知見より,高リン酸区のなかでも高いレベルに相当していることがわかったものの市販のリン肥料と比べると少ない含有率である原因に,回収した担体の約95%は木質組織であること,また鉄バクテリア集積物は木質組織の塊りの周辺に集まっていることが考えられた。さらに,河川水のPO4-P濃度と回収した担体のリンから,本方法は水域のリンを約9200倍のリン濃縮してレアアースの濃集と同様の機能を有することがわかった。こうしたリン吸着には,鉄バクテリアの生成する酸化鉄の化学形態(フェリハイドライト,ヘマタイト,ゲータイトなど)の構成割合が関与していると考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた研究を行い,鉄バクテリアと木質担体をつかったリン回収のための条件設定に関する有益な知見が得られ,また,環境中のリンの濃集効率が大きいことが分かったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
申請者がこれまでに行った浸漬後の鉄バクテリア集積物の担持した木質担体の吸着試験の結果では,十分な濃度低下がみられるまでに15日程度が必要であったが,攪拌条件(たとえば,シーソー型撹拌機での40RPM)では,24時間程度で十分な濃度低下がみられることがわかったことから,その他の攪拌条件や温度条件における吸着特性を明確にする。また,木質担体によって回収したリンは,土壌肥料学の知見より,高リン酸区のなかでも高いレベルに相当していることがわかったものの市販のリン肥料と比べると少ない含有率である原因に,回収した担体の約95%は木質組織であること,また鉄バクテリア集積物は木質組織の塊りの周辺に集まっていることが考えられたことから,これら数値を上昇させる浸漬条件を探索する。さらに,河川水のPO4-P濃度と回収した担体のリンから,本方法は水域のリンを約9200倍のリン濃縮してレアアースの濃集と同様の機能を有すること,また,鉄は土壌中のクラーク数が4番目に大きい元素であり,鉄バクテリアも生育に適する条件(弱酸性でわずかな酸素欠乏)が整えば世界中で観察されるありふれた微生物であることから,さらなる汎用的な活用方法を考える。このことは,水域から陸域への移行過程が極めて限定的であり,今後50~100年で枯渇が懸念されるリン資源の回収の観点から持続可能な発展に寄与するものであり,これは地表近傍の水循環とも密接な関連を持つことから,土壌分析の結果を活用した水文学的な見地からのアプローチを含めた取り組みとなる。
|
Report
(3 results)
Research Products
(21 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Book] 同位体環境学がえがく世界2022
Author(s)
陀安一郎,申基澈,藤吉麗編,吉岡有美
Total Pages
286
Publisher
総合地球環境学研究所
ISBN
9784906888764
Related Report
-
-