Project/Area Number |
20H03127
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42010:Animal production science-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上野山 賀久 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (70324382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平林 真澄 生理学研究所, 行動・代謝分子解析センター, 准教授 (20353435)
中村 翔 名古屋大学, アジアサテライトキャンパス学院(農), 特任准教授 (50829223)
井上 直子 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (90377789)
森田 康広 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (90818262)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
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Keywords | 暑熱ストレス / 繁殖成績 / ウシ / ラット / 繁殖促進技術 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、暑熱環境下において家畜の繁殖成績の低下を招く脳内メカニズムを解明し、地球温暖化により頻発する家畜の生産性低下を克服するための知見を集積することである。本研究では、体温上昇を感知する脳内の熱センシング細胞 (脳熱センサー) を着想し、熱センシング細胞が繁殖を司るキスペプチンニューロンを抑制するメカニズムを明らかにする。さらに、熱センシング細胞が分泌するシグナル分子の拮抗剤により暑熱環境下における家畜の繁殖機能低下を克服できることを検証する。本知見により、新たな家畜の繁殖促進技術の開発を可能とし、家畜の繁殖成績の向上を通じて畜産物の生産性の革新的な向上に資することが期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、暑熱環境下において家畜の繁殖成績の低下を招く脳内メカニズムを解明し、地球温暖化により頻発する家畜の生産性低下を克服するための知見を集積することである。そのため、モデル動物であるラットを用いて、低栄養や泌乳による性腺刺激ホルモン分泌の抑制メカニズムについて検討した。 具体的には、暑熱ストレス下の食欲不振により生じる低栄養による繁殖機能抑制を脳内メカニズムの解明を目的とし、mu-オピオイド受容体アンタゴニストの投与が低栄養条件下おける性腺刺激ホルモン分泌の抑制を解除することを見出した。これにより、beta-エンドルフィンーmu-オピオイド受容体シグナルが、低栄養条件下おける性腺刺激ホルモン分泌の抑制を仲介することを明らかにした。 さらに、乳用牛のモデルとして泌乳ラットを用いて、吸乳刺激による繁殖機能抑制を脳内メカニズムの解明を目的とし、ソマトスタチン2受容体アンタゴニストの投与が泌乳による性腺刺激ホルモン分泌の抑制を解除することを見出した。これにより、ソマトスタチン2受容体シグナルが、吸乳刺激による性腺刺激ホルモン分泌の抑制を仲介することを明らかにした。 また、昨年度の成果に基づき、繁殖中枢キスペプチンニューロンがエストロゲンの正と負のフィードバックを仲介し、性腺刺激ホルモン分泌を司ることを総説にまとめて発表した。さらに、繁殖中枢キスペプチンニューロンの性分化と生殖行動制御に関する研究を総説にまとめて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
家畜を含む哺乳類の繁殖中枢ニューロンに着目し、暑熱ストレス下の食欲不振により生じる低栄養条件下などの繁殖抑制を仲介するニューロンの同定について、以下の成果を得たことから、概ね順調に進展していると考える。 1) モデル動物において、mu-オピオイド受容体シグナルが、低栄養条件下おける性腺刺激ホルモン分泌の抑制を仲介することを明らかにした。 2) モデル動物において、ソマトスタチン2受容体シグナルが、吸乳刺激による性腺刺激ホルモン分泌の抑制を仲介することを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究により、弓状核キスペプチンニューロンが繁殖機能を司る中枢ニューロンであることを同定できた。今後、キスペプチンニューロンニューロン特異的にCre組換え酵素を発現する遺伝子組み換えラットを用いて、ウイルスベクターを用いてキスペプチンニューロン特異的に神経トレーサーを発現させる。このような最新の神経トレーシング技術により、シナプスを介してキスペプチンニューロンに発現したトレーサー分子を取り込んだ細胞を可視化し、キスペプチンニューロンに入力する熱センシング細胞を同定する予定である。
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