安静時の生理状態を指標とした現代人の都市人工環境に対する適応に関する研究
Project/Area Number |
20H03334
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 45060:Applied anthropology-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
恒次 祐子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (00360397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 圭太 千葉大学, デザイン・リサーチ・インスティテュート, 准教授 (40325569)
前田 啓 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任研究員 (00714883)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
Fiscal Year 2020: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
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Keywords | HPA系 / SAM系 / 唾液コルチゾール / 心拍変動 / におい導入 / 嗅覚刺激 / 心拍数 / におい強度 / 心拍変動性 |
Outline of Research at the Start |
生理人類学では,現代の人間は自然環境に適応した体を持ちながら高度な人工環境下で生活しているため,知らず知らずのうちに体が緊張した状態になっていると考えられている。本研究は日本の都市部と山間部の居住者を比較し,実際に都市部居住者の方が体が緊張した状態になっているのかを明らかにするとともに,都市部居住者が「自然」に毎日触れることにより,体の緊張状態が緩和されるかを明らかにすることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究計画のうち、木材のにおいに対する曝露による生体への影響に関する実験を実施した。樹木のにおいとしてヒノキ精油、またその成分としてα-ピネン、D-リモネンのにおいを10分間提示し、におい強度と心拍数の変動を測定した。においは活性炭入りマスクに各におい物質を定量滴下し、被験者にそのマスクを装着させることでにおいの提示を行った。マスク装着後、0分(装着直後)、2、4、6、6、10分において主観的におい強度を「無臭:0」~「強烈なにおい:10」の11段階で回答させ、提示後ににおいの印象評価に回答させた。またにおい提示前から提示終了時まで連続的に心拍数の測定を実施した。 2分ごとのにおい強度は、0分において「強いにおい:8」または「強いにおい:8」と「楽に感知できるにおい:6」の間から、10分後には「何のにおいかわかる弱いにおい:4」から「楽に管理できるにおい:6」の間に低下した。においの種類によって低下の度合いが異なることが示された。におい別に時間を要因とした一元配置分散分析を実施したところ、D-リモネンのみで時間の主効果が有意となり、心拍数が有意に低下したことが示された。また有意水準には至らなかったものの、ヒノキでも心拍数の低下が確認された。さらに補足的な実験として、心拍数と相関することが知られている時間感覚の測定を行ったところ、においの提示により時間感覚が延長する(同じ時間であっても時間を長く感じる)ことが示された。 本実験により実験に使用する自然由来のにおいの候補として、ヒノキまたはD-リモネンを含むにおいが有力であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度繰越に関係する実験を行うことができたが、2022年度に実施予定であった調査について当初検討していた調査方法を変更し、外部への調査委託を検討したが、調整に難航し、2022年度研究費についても繰越を行ったことから「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
においに関する実験を進めるとともに、外部への調査委託を進めて、計画通り研究を推進する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)