Project/Area Number |
20H03366
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47010:Pharmaceutical chemistry and drug development sciences-related
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
占部 大介 富山県立大学, 工学部, 教授 (80503515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深谷 圭介 富山県立大学, 工学部, 助教 (40821575)
生城 真一 富山県立大学, 工学部, 教授 (50244679)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,810,000 (Direct Cost: ¥13,700,000、Indirect Cost: ¥4,110,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2020: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 有機合成化学 / 計算化学 / 全合成 / 天然物 / 生物活性物質 / 天然物化学 / DFT計算 / NMR値予測 / ポリケチド / 分子設計 |
Outline of Research at the Start |
ポリケチドは合成低分子が再現できない特異な構造と生物活性を有する魅力的な医薬品リードである。その重要性の一方で、創薬研究へ展開可能な構造修飾体や簡略体の合理的設計・供給プロセスは十分に確立されていない。本研究では、3つの構造未決定ポリケチドの構造決定を起点とした合理的構造簡略化と天然物模倣機能性分子の創出を目的とする。構造解析、立体多様性全合成、生物活性評価の3つのプラットフォームを設定し、それぞれの研究段階で得られる結果を逐次的に次の段階へとステップアップさせる。このプロセスを複数回サイクルさせ、ポリケチド様の新機能性分子を設計・供給する。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度の研究実績は以下の通りである。 ホルモサリドAに関する研究:マクロラクトン中間体から、ポリエン側鎖の導入を検討した。しかし、14環ラクトン構造の不安定性のためC-C結合形成が進行しなかった。そこで合成経路を見直し、あらかじめ側鎖導入の足掛かりとなる構造、具体的にはTMS基で保護した末端アルキン、を有する中間体を設定し、その合成を検討した。この合成経路では、新たに導入した末端アルキンを反応させずに内部アルキンを還元する必要があった。そこで様々な条件を試みた結果、内部アルキン周辺の立体障害を軽減し、かつCrabtree触媒を使って水素添加することで、望む反応が進行することが分かった。現在は、還元体からマクロラクトン中間体の合成を検討している。 アンフィジノリドLに関する研究:アルドール反応によって、C14-C19フラグメントとC20-C26フラグメントを立体選択的に連結した。C18位ケトンはCBS還元を用いることで、R-ヒドロキシ基、S-ヒドロキシ基のいずれの立体化学も構築可能であることが分かった。C7-C13フラグメントとC14-C26フラグメントはStilleカップリングにより連結した。これによって標的としている立体化学をもつアンフィジノリドLの構造の約3/4を合成することができた。 アンフィジノリドMに関する研究:ラセミ体のC2対称およびメソ構造をもつジアリルジオールの第2級ヒドロキシ基に対して、リパーゼによる光学分割を検討したが、十分な光学純度を持つジアリルジオールを得ることができなかった。そこで、前年度合成したC16-C26フラグメントの第1級ヒドロキシ基に対する光学分割を検討した。その結果、酢酸ビニルとamanoPS-Cを用いてTHF中でアセチル化すると、メソ体C16-C26フラグメントは60%ee程度で光学分割できるものの、C2対称C16-C26フラグメントはほとんど光学分割できないことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ホルモサリドAに関する合成研究では、重要な中間体であるマクロラクトンを合成することはできたものの、最終段階となる側鎖導入が困難であることが分かった。側鎖導入のためには、あらかじめ側鎖を有する中間体の設計が有効であると判断し、合成経路を一部見直すこととなった。前年度までの知見をもとに、比較的早いスピードで合成が進んでいるものの、全体の計画からはやや遅れている状況である。 アンフィジノリドMに関する研究では、想定していた光学分割による4つの立体異性体の合成が困難であることが分かった。今後、合成経路の見直しが必要となり、やや遅れた状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
ホルモサリドAに関する研究:あらかじめ側鎖を有するマクロラクトン中間体を合成する。前年度までの合成研究の知見が十分使えると考えており、比較的早い段階でマクロラクトン中間体が合成できると考えている。側鎖構築のモデル研究は既に終了しており、その方法を用いて、ホルモサリドAの合成経路を確立する。 アンフィジノリドLに関する研究:前年度までに合成した中間体に、最後のC1-C6フラグメントを連結させ、最後に閉環メタセシスによって全合成を完成させる。これまでの研究では、アルドール反応やケトンのCBS還元など、様々な箇所で、多様な立体化学を構築する方法を開発している。全合成経路を確立した後は、これらの方法でアンフィジノリドLの立体異性体を合成し、その生物活性評価を実施する。 アンフィジノリドMに関する研究:C16-C26フラグメントの可能な4種類の立体異性体の合成を想定していたが、困難であるため、既に合成できている2種のジアステレオマーの関係にある立体異性体、すなわちラセミ体のC2対称C16-C26フラグメントから、アンフィジノリドMのラセミ体合成経路の確立を目指す。まず、2つある第1級ヒドロキシ基の区別化と炭素鎖伸長について検討する。
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