Project/Area Number |
20H03451
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49010:Pathological biochemistry-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河岡 慎平 京都大学, 医生物学研究所, 特定准教授 (70740009)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2020: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
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Keywords | がん / がん悪液質 / 肝臓 / トランスクリプトーム / 代謝 / マルチオミクス / マウス / 宿主因子 / マウス遺伝学 / メタボローム / 遺伝学 |
Outline of Research at the Start |
がん医療の進歩は目覚ましいが、多臓器転移などにより根治を望めないがん患者の数は依然として多い。国立がん研究センターの統計では、2017年、我が国において、37万人ががんで亡くなった。がんを根治できない場合には、がんに起因する身体の不調をできるだけ長い期間抑えこむことが重要となる。この社会的にも重要な課題を解決するために、がんに起因する身体の不調を制御する宿主側の因子の病態機能を明らかにし、新しいバイオマーカー、薬剤標的として確立することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
根治不能となったがんは宿主個体に様々な悪影響を引き起こす。その実態は様々であり、肝臓や脂肪といった代謝臓器の異常や、免疫系の異常が含まれる。これらの異常が積み重なると、やがて個体は死に至る。本研究は、がんによって生じる多臓器の代謝異常について、異常に関わる宿主側の因子は何か、という視点で取り組むものである。当該年度は、宿主のニコチンアミドメチル基転移酵素 (NNMT) が、がんに起因する肝臓のウレア回路やピリミジン代謝の異常と関わっていることを明らかにした (Mizuno et al., Nat. Commun., 2022)。がんによって肝臓におけるNNMTの発現が亢進し、同時に、ウレア回路などにも異常が生じる。これらの代謝異常の少なくとも一部が、NNMTの欠失によってレスキューされていた。培養細胞を用いて、NNMTが脂質代謝を制御する機序の一端を明らかにした (Yoda et al., J. Biochem., 2023)。NNMTの分子機能が細胞文脈によって異なるように観察されることもわかった。また、肝機能の空間的な制御 (zonation: ゾネーション) ががんによって崩れることを示した (Vandenbon et al., Commun. Biol., 2023)。ゾネーションの破綻は生物学的経路ごとに固有であり、また、免疫細胞と肝細胞の相互作用が示唆された。加えて、肝臓の異常と急性期応答の関係について調べた (He et al., Front. Immunol., 2023)。以上、本年度は、がんが宿主にもたらす代謝異常について、複数の知見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ニコチンアミドメチル基転移酵素 (NNMT) は本申請の中核であり、当該年度はその機能についての論文を2篇発表できた (Mizuno et al., Nat. Commun., 2022; Yoda et al., J. Biochem., 2023)。さらに、先進ゲノム支援などの支援を受けて、がんによる肝機能の空間制御の破綻という現象を報告できた (Vandenbon et al., Commun.Biol., 2023)。免疫系についての知見を深める論文も発表した (He et al., Front. Immunol., 2023)。これらのことから、計画以上の進展が得られたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
ひきつづきNNMTの機能解析に取り組む。これまでの研究で得られた基盤情報を十分に活用し、NNMTがウレア回路や脂質代謝を制御する分子メカニズムに切り込んでいきたいと考えている。また、これまでに動物モデルで得られた成果が、ヒトにおいてどの程度通用するのかを客観的に調べていきたい。次年度が最終年度であるが、その次の年度にさらに続くような発展的な成果を得たいと考えている。
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