自己免疫疾患・アレルギー疾患の病態を制御するTIM分子の機能解明
Project/Area Number |
20H03472
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49030:Experimental pathology-related
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
秋葉 久弥 順天堂大学, 大学院医学研究科, 准教授 (60338316)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 紀宏 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10465065)
安倍 能之 順天堂大学, 医学部, 助教 (10647027)
多田 昇弘 順天堂大学, 大学院医学研究科, 先任准教授 (50338315)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
|
Keywords | 免疫 / 炎症 / アレルギー / 自己免疫疾患 / 診断薬 / 免疫学 / 喘息 / アレルギー疾患 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、TIM-4、LMIR5、TIM-3の発現局在や発現制御機構、シグナル伝達経路を解明し、炎症の慢性化にどのように関与するのか明確にする。また疾患によってTIM-4を発現する細胞の種類によって炎症の慢性化に特徴的な違いがあるか検討するために、マウスTIM-4の切断部位を同定し、細胞ごとに変異させた非遊離型TIM-4マウスを作製して、各種疾患モデルにおける特徴的な機能の違いを検証する。また炎症の定量化を目指し、ヒトTIM-4を高感度に測定する方法を確立し、関節リウマチ患者やSLE患者、喘息患者の血清からヒトTIM-4を測定して、発症や病態との相関を検討して臨床応用に向けた基盤を構築する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
私達はこれまでの研究を通じて、細胞膜外で切断される遊離型TIM-4(sTIM-4)の存在を発見し、炎症細胞に発現するLMIR5と結合して、関節炎モデルマウスや喘息モデルマウスの病態形成に深く関わることを明らかにしてきた。そこで本研究は、疾患によってTIM-4を発現する細胞の種類によって炎症の慢性化に特徴的な違いがあるか検討するため、マウスsTIM-4の切断部位を同定し、これを変異させた非遊離型TIM-4マウスを作製して、各種疾患モデルにおける特徴的な機能の違いを検証することを目的とした。また炎症の定量化を目指し、ヒトsTIM-4を高感度に測定する方法を確立し、喘息患者さんなどの血清からヒトsTIM-4を測定して、発症や病態との相関を検討して臨床応用に向けた基盤を構築することも目的とした。 これまでに新たにラット抗ヒトTIM-4モノクローナル抗体を作製して、ヒトsTIM-4を高感度に測定することができるサンドイッチELISA法を構築した。順天堂医院膠原病・リウマチ内科、及びバイオリソースバンク活用研究支援講座と連携を取り、順天堂大学医学系研究等倫理委員会承認のもと、膠原病患者さん(関節リウマチ、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、多発性筋炎/皮膚筋炎)と健常者から採取された血清中のsTIM-4を測定して、それぞれの疾患の間に差異があるか否か解析を行った。 またsTIM-4の切断部位を同定するために、TIM-4-PA/ pCD-PAx3と抗PA抗体-ビーズを用いて切断後に細胞に結合した状態のTIM-4-PAを回収、液体クロマトグラフィー質量分析計を用いてsTIM-4の切断部位の同定を試みたが、タンパク質の回収量が少なかったことから十分な計測ができていない。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
順天堂医院膠原病・リウマチ内科、及びバイオリソースバンク活用研究支援講座と連携を取り、順天堂大学医学系研究等倫理委員会承認のもと、関節リウマチ118例、それ以外の膠原病患者血清としてシェーグレン症候群94例、全身性エリテマトーデス140例、全身性強皮症52例、多発性筋炎12例から血清sTIM-4を測定した。結果、検討したすべての膠原病患者血清中のsTIM-4は、健常者血清中のsTIM-4と比較して有意に高値を示した。中でも関節リウマチ患者の血清sTIM-4量は、他の膠原病患者の血清sTIM-4値よりも有意に高値を示した。この結果は、先に報告した関節リウマチモデルマウスの症状悪化とともに、血清sTIM-4が見出された結果と同様に、ヒトの関節リウマチ患者の血清中にもsTIM-4が存在することを確認したことになる。また関節リウマチの活動性の指標として用いられている、マトリックスメタロプロテアーゼ-3(MMP-3)とC反応性蛋白(CRP)と弱いながらsTIM-4は有意な相関を示した。このことからsTIM-4はCRPやMMP-3と同様に疾患活動性の補助的なサロゲートマーカーになるのではないかと考えている。 またsTIM-4の切断部位を同定するために、TIM-4-PA/pCD-PAx3ベクターをHEK293T細胞に導入、72時間後に細胞を溶解。細胞溶解液中に存在する切断後のTIM-4-PAを抗PA抗体-ビーズを用いて免疫沈降により回収。液体クロマトグラフィー質量分析計を用いてsTIM-4の切断部位を同定する予定でいたが、十分な量のタンパク質が得られず計測できずにいる。この問題を解決すべく、HEK293T細胞へのTIM-4-PA/pCD-PAx3ベクターの導入効率を高める条件検討を行っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
関節リウマチ患者血清中のsTIM-4値が健常者と比べ有意に高かったことから、さらに関節リウマチ患者の疾患活動性との比較や合併症の有無による違い、あるいは治療薬投与による違いについて検討を行う予定でいる。 sTIM-4の切断部位を同定する最大の障壁は、液体クロマトグラフィー質量分析計による解析に必要なタンパク質量の確保にある。これまで方法を変え試してきたが、細胞膜上に発現する全てのTIM-4が切断されるわけではなく、むしろ切断されるTIM-4量は少ない可能性がある。HEK293T細胞へのTIM-4-PA/pCD-PAx3ベクターの導入効率を上げる一方で、スケールを大きくしてより量に特化する必要もあると考えている。 またTIM-4発現制御に関わる転写調節因子を見出すとともに、免疫組織染色に使用可能な抗マウスTIM-4抗体を作製する予定である。作製したTIM-4抗体を用いて免疫組織染色を行い、関節炎モデルマウスの関節組織や喘息モデルマウスの肺病理組織における、これら分子の発現の局在を解析する。
|
Report
(3 results)
Research Products
(21 results)
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Gasdermin D?mediated release of IL-33 from senescent hepatic stellate cells promotes obesity-associated hepatocellular carcinoma2022
Author(s)
Yamagishi R, Kamachi F, Nakamura M, Yamazaki S, Kamiya T, Takasugi M, Cheng Y, Nonaka Y, Yukawa-Muto Y, Thuy LTT, Harada Y, Arai T, Loo TM, Yoshimoto S, Ando T, Nakajima M, Taguchi H, Ishikawa T, Akiba H, Miyake S, Kubo M, Iwakura Y, Fukuda S, Chen WY, Kawada N, Rudensky A, Nakae S, Hara E, Ohtani N
-
Journal Title
Science Immunology
Volume: 7
Issue: 72
Pages: 1-15
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-
[Journal Article] Tim4 recognizes carbon nanotubes and mediates phagocytosis leading to granuloma formation2021
Author(s)
Omori S, Tsugita M, Hoshikawa Y, Morita M, Ito F, Yamaguchi SI, Xie Q, Noyori O, Yamaguchi T, Takada A, Saitoh T, Toyokuni S, Akiba H, Nagata S, Kinoshita K, Nakayama M
-
Journal Title
Cell reports
Volume: 34
Issue: 6
Pages: 108734-108734
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Steroid-resistant airway inflammation in mice induced by chitin.2021
Author(s)
T. Takeshige, N. Harada, S. Harada, A. Ishimori, Y. Katsura, H. Sasano, Y. Sandhu, K. Matsuno, F. Makino, J. Ito, R. Atsuta, H. Akiba, K. Takahashi
Organizer
The 25th Congress of the Asian Pacific Society of Respirology
Related Report
Int'l Joint Research
-
-
-