Project/Area Number |
20H03568
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 51030:Pathophysiologic neuroscience-related
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
高森 建二 順天堂大学, 医学部, 特任教授 (40053144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨永 光俊 順天堂大学, 大学院医学研究科, 先任准教授 (50468592)
鎌田 弥生 順天堂大学, 大学院医学研究科, 准教授 (00410035)
古宮 栄利子 順天堂大学, 大学院医学研究科, 特任助教 (90647009)
外山 扇雅 順天堂大学, 大学院医学研究科, 特任助教 (50805893)
本田 耕太郎 順天堂大学, 大学院医学研究科, 非常勤助教 (70803625)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
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Keywords | 難治性かゆみ / mu-オピオイド受容体 / エンドモルフィン / 末梢神経 / ケラチノサイト / 感覚神経 / 鎮痒薬 / ドライスキン / オピオイド / 皮膚 |
Outline of Research at the Start |
生活の質(QOL)を著しく低下させる「難治性かゆみ」の治療法は、オピオイド受容体標的薬の登場で大きく進展した。しかし、既存のオピオイド受容体標的薬の内服は中枢性・全身性の副作用を示すことから新たな観点の治療アプローチが必要である。そこで本研究は、我々が世界に先駆け作製したmu-オピオイド誘発性掻痒モデルを用いることで、末梢 mu-オピオイドシステムによるかゆみの制御機構の解明を目指す。本成果は、かゆみ患部に直接的で副作用の少ない難治性かゆみ治療法(例:外用薬)の開発に繋がることが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
難治性かゆみ治療薬として知られるkappa-オピオイド作動薬は、全身性・中枢性副作用が問題となっている。我々は「かゆみ感覚は、中枢神経のみでなく皮膚に発現するオピオイドやその受容体群=オピオイドシステムによっても制御できる」との仮説を立て、副作用の少ない難治性かゆみ治療薬の開発を目指し、末梢性mu-オピオイドシステム(MOS)によるかゆみの発現メカニズムの解明を目指している。 これまでに、MOSの内在的リガンドとして、従来の、beta-エンドルフィン(beta-END)の他に、エンドモルフィン(EM)-1及びEM-2を同定し、それらのかゆみの特性を明らかにしてきた。その結果、機械刺激による機械的かゆみはEMの方が強く、その一方で自発的かゆみはbeta-ENDの方が強く誘発することを見出した。 2022年度は、EMがmu-オピオイド受容体(MOR)選択的リガンドであるのに対し、beta-ENDはMORの他にdelta-オピオイド受容体(DOR)にも結合することに着目し、両者のかゆみの特性の違いの原因究明を実施した。まず、beta-ENDと同時にDORアンタゴニストであるナルトリンドールを投与し、機械的/自発的かゆみを評価した。その結果、ナルトリンドールはbeta-ENDによる自発的かゆみを抑制し、機械的かゆみを促進することが示された。このことから、beta-ENDとEMのかゆみの特性の違いは、DORに対する親和性の違いによることが示唆された。 次にdelta-オピオイドシステム(DOS)がMOSの各種かゆみを調節する可能性を考え、各種皮膚炎モデルマウスの皮膚におけるmu-、kappa-およびdelta-オピオイド受容体の発現量を定量的RT-PCR法で解析した。その結果、DORのみ検出され、全ての皮膚炎モデルマウスのDORレベルは健常マウスより減少傾向にあった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は、MOSの2つのリガンドのかゆみの特性の違いが、DORとの親和性の違いである可能性を明らかにした。さらに今後の研究に向けて、様々なマウス皮膚炎モデルで自発的かゆみと機械的かゆみの評価を行っており、評価に向くモデル、向かないモデルが明らかになってきた。また同時にマウスのみでなく、ヒトにおいても、オピオイドリガンドの変動を調べ始めている。以上から本研究は概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、皮膚MOR/DORの発現細胞を同定するとともに、beta-ENDやEMの調節因子を同定し、皮膚におけるオピオイドシステムの制御を目指す。また、各種オピオイドシステム(特にMOS/DOS)のアゴニストやアンタゴニストによって、各種マウス皮膚炎モデルの自発的かゆみや機械的かゆみの治療効果の有無を明らかにしていく予定である。
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