全身疾患に随伴するうつ症状・認知機能低下の共通メカニズム解明と治療への応用
Project/Area Number |
20H03577
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52010:General internal medicine-related
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
中曽 一裕 鳥取大学, 医学部, 教授 (30379648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 正明 鳥取大学, 医学部, 教授 (40346367)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2020: ¥6,890,000 (Direct Cost: ¥5,300,000、Indirect Cost: ¥1,590,000)
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Keywords | 認知症 / うつ / ミクログリア / グルタミン酸 / xCT / 認知機能障害 / うつ病 / 認知機能低下 / うつ症状 |
Outline of Research at the Start |
うつ症状・認知機能低下(以下 DCD : Depression and Cognitive Decline)は,脳・精神疾患に限らず,全身疾患に随伴して出現する“common disease的症状”である.従来より,認知症やうつ症状の病態に “細胞外グルタミン酸による興奮性神経毒性”の関与が知られておいる.本課題では,このグルタミン酸発生源として脳内ミクログリアに誘導されるシスチン・グルタミン酸交換系トランスポーター“ System xc- ”(xc-系)に注目し.DCD発現の共通メカニズムを明らかにする.さらに将来的な臨床応用を想定した,既存治療には無い特性を持つ新規治療の基盤確立を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,うつ症状や認知機能低下に関する共通メカニズムとしてミクログリア(MG)xCTから放出されるグルタミン酸(Glu)の関与を明らかにするものである.<細胞実験>培養MGを用い,アミロイドβ(Aβ),MPTP,ビタミンE欠乏によるxCTの発現量の変化を検討した.MGが活性化されCT発現量が増加すると,培養上清にGluが放出されること,xCT阻害でGlu放出が抑制されることを明らかにした.<動物実験>①ビタミンE欠乏,②MPTP投与,③アルツハイマー病(AD)の各モデルマウスにおいてxCTの関与を検討した.①では,長期ビタミンE欠乏による認知機能低下,自発活動性低下は,xCT欠失では生じにくいことを明らかにした.また,ビタミンE欠乏の脳では,MGおよびアストロサイトにxCTの発現を認め,xCTから放出されるGluも重要である可能性が示唆された.②ではMPTP投与により,脳内MGにxCTが発現すること,MPTPによる自発性運動低下がxCT欠失マウスでは軽減されることを見出した.野生型とxCT欠失マウスを比較した際,MPTP投与によるドパミン神経脱落の程度には差がないことから,MPTPによる症状には,神経細胞脱落だけではなく,MGのxCTも関与していることを示した.③では,遺伝子改変によるADマウスとxCT欠失マウスの交配により,xCT欠失マウスではADとしての認知機能低下が軽減すること,またxCT阻害剤により認知機能低下を抑制できることを明らかにした.さらに,脳内Aβ蓄積もxCT欠失マウスでは軽度であることを明らかにした.<MG特異的xCT欠失マウスの作製>MG選択的にxCT遺伝子が欠失するマウスを作成した. ADマウスとの交配により,MG xCTを欠失したADマウスが誕生しており,今後,認知機能への影響やAβ蓄積の変化を検討する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞実験,動物実験は概ね予定通りに進捗している. 本申請課題の最も困難なステップであったミクログリア特異的xCT欠失マウスの作成に成功しており,同マウスを用いた各種疾患モデルを検討する予定である.また,xCT阻害可能な化合物の探索を開始しており,本プロジェクトは今のところ概ね順調に進んでいると判断される.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は動物モデル,特にコンディショナルノックアウトマウス(ミクログリア特異的xCT欠失マウス)を用いた検討の比率を高める.ミクログリア特異的xCT欠失マウスを用いた,MPTP投与パーキンソン病モデル,アルツハイマー病モデルの検討を行っている段階である. 治療応用のための研究ステップとして,xCT機能を容易に検討できる実験系の確立,xCT阻害物質のスクリーニングを開始している.有望な化合物が見出された場合は,細胞および動物モデルで有効性を検討する.
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)
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[Journal Article] TYRO3 promotes chemoresistance via increased LC3 expression in pancreatic cancer2023
Author(s)
Kazushi Hara, Yosuke Horikoshi, Masaki Morimoto, Kazuhiro Nakaso, Teppei Sunaguchi, Tatsuyuki Kurashiki, Yuji Nakayama, Takehiko Hanaki, Manabu Yamamoto, Teruhisa Sakamoto, Yoshiyuki Fujiwara, Tatsuya Matsura.
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Journal Title
Translational Oncology
Volume: 28
Pages: 101608-101608
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Molecular mechanisms underlying the promotion of wound repair by coenzyme Q10: PI3K/Akt signal activation via alterations to cell membrane domains2022
Author(s)
Tatsuyuki Kurashiki, Yosuke Horikoshi, Koki Kamizaki, Teppei Sunaguchi, Kazushi Hara, Masaki Morimoto, Yoshinori Kitagawa, Kazuhiro Nakaso, Akihiro Otsuki, Tatsuya Matsura
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Journal Title
Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition
Volume: 70
Issue: 3
Pages: 222-230
DOI
NAID
ISSN
0912-0009, 1880-5086
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Peer Reviewed / Open Access
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